ミミまでやわらかく、まん中から2つに割れる食パン、ヤマザキの「ダブルソフト」。朝ごはんの定番にしている家庭も多いでしょう。
一方で、「ダブルソフトは添加物が多くて体に悪い」「イーストフードや乳化剤が入ったパンは避けたほうがいい」という声を耳にして、毎朝食べ続けてよいのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
- イーストフードや乳化剤が不安
- マーガリンやショートニングが気になる
- 添加物の少ない食パンに替えるべきか迷う
- 毎朝食べても大丈夫か知りたい
そこで、山崎製パン公式の商品情報と国の資料をもとに、ダブルソフトと、イーストフード・乳化剤を使っていないPascoの「超熟」を6枚切り1枚で並べてみました。
結果、添加物を避けて超熟にすると、たんぱく質は約2割減ることが分かりました。
添加物が少ないほうが、栄養も多いと思っていました……。
ダブルソフトには、脱脂粉乳や卵、牛乳が入っているんです。数字で順番に確かめていきましょう。
- 原材料と栄養成分
- 超熟との比較
- 添加物と小麦の正体
- 朝食での食べ方
使う数字は、メーカーの公式表示と国の資料に限りました。まずは、なぜ体に悪いと言われるのかから見ていきます。
ダブルソフトが体に悪いと言われる理由


ダブルソフトは、平成元年に発売された山崎製パンの食パンです。公式のブランドサイトによると、短時間で焼くことでミミまでやわらかく仕上げています。
「体に悪い」と言われる理由をたどると、3つに分かれました。数字で確かめられる心配と、表示の読み違いから来る心配が混ざっています。
子どもも食べやすいので、毎朝これなんです。
だからこそ、心配の中身をはっきりさせておきたいですね。1つずつ見ていきましょう。
イーストフードと乳化剤が入っている
原材料の「/」より後ろには、乳化剤・イーストフード・香料・V.Cの4つが書かれています。「イーストフード・乳化剤不使用」をうたう食パンがあるので、入っているパンは体に悪いと感じる人もいるでしょう。
それぞれ何のために入っているのかは、4章で確かめましょう。
「不使用」と書かれているほうが、安心な気がします。
そう感じますよね。ただ、不使用のパンに替えたときに何が変わるかも見ておきたいんです。
マーガリンやショートニングが気になる
原材料には、ショートニングとマーガリンが入っています。トランス脂肪酸が心配、という声もよく見かけるところです。
山崎製パンの栄養成分表では、ダブルソフトのトランス脂肪酸は1枚0gと表示されています。脂質の中身は、2章でくわしく確かめましょう。
トランス脂肪酸は0gなんですね。
メーカーがきちんと数字を出しているので、表を見るのがいちばん確かですよ。
輸入小麦の農薬が心配
原材料の先頭は「小麦粉(国内製造)」です。ネット上には、「国内製造でも原料の小麦は外国産で、農薬が残っている」と書く記事もあります。
「国内製造」が何を表しているのか、輸入小麦の安全はどう確かめているのかは、4章で国の資料とあわせて見ていきます。
国内製造なら国産だと思っていました。
表示のルールを知ると、読み方が変わりますよ。
ダブルソフトの原材料と栄養成分


ここからは、山崎製パン公式の商品情報で、ダブルソフトの中身を見ていきます。表示は6枚スライスの1枚あたりです。
結果、1枚172kcalで、たんぱく質は6.2gでした。脱脂粉乳・卵・牛乳・チーズといった、乳製品と卵が原材料に入っているのが特徴です。


食パンに、卵やチーズまで入っているんですね。
ミミまでやわらかくて、ほんのり甘い味は、このあたりの原材料から来ているんです。
原材料に乳製品と卵が入る
| 項目 | ダブルソフト(6枚スライス) |
|---|---|
| 原材料 | 小麦粉(国内製造)、糖類、ショートニング、パン酵母、マーガリン、脱脂粉乳、卵、牛乳、食塩、発酵種、ナチュラルチーズ、植物油脂、脱脂濃縮乳、乳清ミネラル、乳たん白 |
| 添加物 | 乳化剤、イーストフード、香料、V.C |
| エネルギー | 172kcal |
| たんぱく質 | 6.2g |
| 脂質 | 3.4g(飽和脂肪酸1.5g・トランス脂肪酸0g) |
| 炭水化物 | 29.1g |
| 食塩相当量 | 0.8g |
原材料は使った重さの多い順に書かれています。小麦粉が先頭、糖類が2番目で、脱脂粉乳・卵・牛乳は6〜8番目でした。アレルギーの表示は、乳成分・卵・小麦・大豆です。
飽和脂肪酸は1枚1.5g
参考にした記事では、飽和脂肪酸を「1枚2g」と書いていました。ですが、公式の栄養成分表では1枚1.5g(100gあたり2.2g)です。100gあたりの値と1枚あたりの値を取り違えたと考えられます。
脂質は1枚3.4gで、トランス脂肪酸は0gです。1〜2枚なら脂質は多くない量ですが、バターやマーガリンを塗るとそのぶん増えます。
数字を取り違えている記事もあるんですね。
メーカーの表を直接見るのがいちばんです。1枚あたりか100gあたりかは、必ず確かめてくださいね。
食塩は1枚0.8g
食塩相当量は1枚0.8gです。厚生労働省の食事摂取基準(2025年版)では、食塩の1日の目標量は成人男性7.5g未満、女性6.5g未満です。
2枚食べると1.6gで、女性の目標量の約4分の1になります。パンは意外と塩分があるので、朝のスープやハムと合わせるときは気にしておきましょう。
パンにも塩が入っているんですね。
生地をまとめるのに食塩は欠かせないんです。どの食パンにも入っていますよ。
添加物を避けて超熟にすると


「イーストフードや乳化剤が気になるなら、不使用の食パンにすればいい」と考える人も多いでしょう。そこで、Pascoの「超熟」と6枚切り1枚で並べてみました。
結果、たんぱく質は6.2gから4.9gへ約2割減ることが分かりました。脂質とエネルギーも少し下がりますが、炭水化物は少し増えます。


添加物を減らすと、たんぱく質も減るんですね。
超熟は原材料がシンプルなぶん、乳製品や卵が入っていないんです。数字を見ていきましょう。
たんぱく質は約2割減る
| 6枚切り1枚あたり | ダブルソフト | 超熟 |
|---|---|---|
| エネルギー | 172kcal | 164kcal |
| たんぱく質 | 6.2g | 4.9g |
| 脂質 | 3.4g | 2.5g |
| 炭水化物 | 29.1g | 30.4g |
| 食塩相当量 | 0.8g | 0.7g |
| イーストフード・乳化剤 | 使用 | 不使用 |
超熟の原材料は、小麦粉・砂糖・バター入りマーガリン・パン酵母・食塩・米粉・醸造酢とシンプルです。脱脂粉乳・卵・牛乳が入っていないぶん、たんぱく質は1.3g(約21%)少なくなりました。
脂質とカロリーは少し減る
一方で、脂質は3.4gから2.5gに、エネルギーは172kcalから164kcalに下がります。食塩も0.8gから0.7gです。脂質や塩分を減らしたい人には、超熟のほうが少しだけ有利です。
炭水化物は29.1gから30.4gへ、少し増えます。どちらもご飯軽く1杯より少ない量なので、差は大きくありません。
どちらにも、いいところがあるんですね。
そうなんです。何を重く見るかで、選ぶパンが変わりますよ。
ダブルソフト全粒粉入りという選択肢


同じダブルソフトには、「全粒粉入り」もあります。1枚166kcal・脂質2.7g・たんぱく質6.9gで、脂質は約2割減り、たんぱく質は約1割増えるという結果でした。
全粒粉入りは、食物繊維と葉酸も加えています(量はメーカーの表に記載がありません)。やわらかさはそのままで、栄養を少し上乗せしたい人には、こちらも候補になります。
同じシリーズで替えるのもアリなんですね。
やわらかい食感が好きな家族には、いちばん替えやすい方法かもしれませんね。
ダブルソフトの添加物と小麦


次は、「添加物が体に悪い」「輸入小麦の農薬が心配」という不安を確かめます。添加物は、乳化剤・イーストフード・香料・V.C(ビタミンC)の4つでした。
結果、いずれも国が使用を認めた添加物で、パンをふっくら焼くために使われていることが分かりました。
ひとつずつ、中身を知りたいです。
名前だけで判断せず、何のために入っているかを見ていきましょう。
イーストフードは酵母のえさ
イーストフードは、パン酵母がよく働くように加えるミネラルなどの混ぜ物です。生地がよくふくらみ、焼き上がりが安定します。
複数の成分をまとめて「イーストフード」と表示してよいルールなので、中身が気になるときは、山崎製パンのお客様相談室に聞くのが確実です。
酵母のための添加物なんですね。
そうなんです。パン作りでは昔から使われてきたものですよ。
乳化剤とビタミンC
乳化剤は、水と油をなじませて生地をやわらかく、かたくなりにくくするためのものです。ミミまでやわらかい食感にも関わっています。
V.C(ビタミンC)は、パン生地を引きしめてふくらみをよくするために使われます。どちらも、国が使用を認めた添加物です。同じヤマザキのパンでは、ネオバターロールの記事でも添加物を調べています。
やわらかさのひみつは、乳化剤にもあったんですね。
そうなんです。使っていない超熟は、製法や原材料でもっちり感を出しているんですよ。
「国内製造」は製粉した場所
「小麦粉(国内製造)」の表示は、消費者庁の表示ルールで、小麦粉が国内で作られた(製粉された)という意味です。原料の小麦の産地を示すものではありません。
輸入した小麦にも、厚生労働省の検疫所で残留農薬などの検査が行われ、国内の食品と同じ食品衛生法の基準が適用されます。「輸入小麦だから体に悪い」とは言えません。
国内製造と国産は、違う意味なんですね。
そうなんです。表示の読み方を知っておくと、ほかの食品でも役に立ちますよ。
ダブルソフトの朝食での食べ方


では、ダブルソフトとはどう付き合えばよいのでしょうか。答えは、1〜2枚を、牛乳や卵と組み合わせて1食にすることです。
パンだけで朝食を済ませると、たんぱく質や野菜が足りなくなりがちです。組み合わせを決めておけば、毎朝食べても続けやすくなります。


パンだけで済ませる日が多かったです。
1つ足すだけで変わりますよ。組み合わせを見ていきましょう。
牛乳と卵でたんぱく質を足す
食事摂取基準(2025年版)では、たんぱく質の推奨量は成人女性で1日50g、男性で65gとされています。女性なら1食あたり約17gが目安です。
ダブルソフト1枚は6.2gなので、1食の目安の約3分の1です。牛乳200ml(約6.8g)とゆで卵1個(約6.3g)を足すと、合計約19gで1食の目安を超えます。
| 組み合わせ | たんぱく質 |
|---|---|
| ダブルソフト1枚 | 6.2g |
| +牛乳200ml | 約13.0g |
| +牛乳200ml+ゆで卵1個 | 約19.3g |
牛乳と卵を足すだけで、ちゃんと1食分になるんですね。
超熟を選んだ日も同じです。パンの差より、組み合わせの差のほうが大きいんですよ。
1〜2枚を目安にする
ダブルソフト2枚で344kcal、食塩1.6gです。朝食のパンは1〜2枚を目安にすると、ほかのおかずとのバランスがとりやすくなります。
まん中で2つに割れるので、半分ずつ食べる量を調整しやすいのもダブルソフトのよいところです。子どもには半分から始めるのもおすすめです。
半分に割れるのは、量を決めるのにも便利ですね。
そうなんです。食べやすさは、量の調整にも役立ちますよ。
塗るものとはさむもので調整
バターやマーガリン、ジャムを塗ると、そのぶん脂質や糖が増えます。塗る量を決めておくか、野菜やハム、卵をはさんでサンドイッチにするのもよい方法です。
公式サイトでも、ダブルソフトを使ったボリュームサンドが紹介されています。野菜をはさめば、食物繊維も足せます。朝食の組み合わせは、シスコーンの記事も参考にしてください。
サンドイッチにすれば、野菜も一緒にとれますね。
そうなんです。パンは、組み合わせ次第で栄養がぐっと変わる主食ですよ。
ダブルソフトのよくある質問


ここまでの数字をふまえて、ダブルソフトについて多い疑問にまとめて答えます。
気になる質問だけ拾い読みしてください。
ダブルソフトは体に悪いですか
特別に体に悪い食パンではありません。6枚スライス1枚で172kcal、たんぱく質6.2g、トランス脂肪酸は0gという中身です。
1〜2枚を目安に、牛乳や卵、野菜と組み合わせて食べるのがおすすめです。
イーストフードや乳化剤は体に悪くないですか
イーストフードはパン酵母がよく働くためのもの、乳化剤は生地をやわらかく保つためのもので、どちらも国が使用を認めています。
気になる場合は、イーストフード・乳化剤不使用の食パンを選ぶ方法もあります。ただし、超熟に替えるとたんぱく質は1枚6.2gから4.9gへ減る点は知っておきましょう。
超熟のほうが体にいいですか
超熟は添加物のイーストフード・乳化剤を使っておらず、脂質(2.5g)と食塩(0.7g)がダブルソフトより少なめです。
一方で、たんぱく質は約2割少なめです。どちらを選んでも、牛乳や卵と組み合わせれば栄養のバランスはとれます。
マーガリンが入っていてトランス脂肪酸は大丈夫ですか
山崎製パンの栄養成分表では、ダブルソフトのトランス脂肪酸は1枚0gと表示されています。
脂質は1枚3.4g、飽和脂肪酸は1.5gです。塗るバターやマーガリンの量のほうが、脂質への影響は大きくなります。
小麦は国産ですか
原材料の「小麦粉(国内製造)」は、小麦粉が国内で作られたという意味で、原料の小麦の産地を示すものではありません。
輸入小麦も検疫所で検査が行われ、国内と同じ食品衛生法の基準が適用されます。
子どもに毎朝食べさせても大丈夫ですか
量を決めて、牛乳や卵、果物などと組み合わせれば、毎朝の主食として使ってよいでしょう。まん中で2つに割れるので、半分から始めると量を調整しやすいです。
卵・乳成分・小麦・大豆のアレルギー表示があるので、アレルギーのある子どもはパッケージを確認してください。
ダブルソフトは体に悪いかのまとめ


ダブルソフトは体に悪いのかを、山崎製パン公式の表示と国の資料で確かめてきました。
答えは「体に悪い食パンではない。1〜2枚を、牛乳や卵と組み合わせて1食にする」です。
- 1枚172kcal・たんぱく質6.2g
- トランス脂肪酸0g・飽和脂肪酸1.5g
- 超熟に替えるとたんぱく質は約2割減
- 全粒粉入りは脂質約2割減
- 添加物4つはパン作りのためのもの
- 牛乳と卵を足すと1食約19g
添加物を避けて超熟にすると、たんぱく質は約2割減るというのが、今回いちばんの発見でした。
「添加物が少ない=栄養が多い」とは限らないんですね。
そのとおりです。どの食パンを選んでも、組み合わせで1食にする。これがいちばん大事なポイントですよ。
明日の朝は、ダブルソフトに牛乳1杯と卵1個を足してみてください。
ご飯の主食では、サトウのごはんの記事もあります。添加物は使われておらず、麦ごはんにしても炭水化物は約6%減るだけでした。




同じヤマザキの食パンでは、ロイヤルブレッドの記事もあります。1枚169kcalで卵は使われておらず、添加物は香料を除いた3つでした。
成分ラボでは身近な食品を、メーカーの表示と国の資料をつき合わせて1つずつ調べています。ほかのパンの記事も、あわせてどうぞ。






本記事の栄養成分は、山崎製パン公式サイトの商品情報(ダブルソフト・ダブルソフト 全粒粉入り 6枚スライス)とPasco公式サイト(超熟 6枚スライス)の表示です(2026年10月10日確認)。ダブルソフトの原材料は、イオンのネットスーパー(グリーンビーンズ)に掲載されたパッケージ表示によります。牛乳・ゆで卵の値は文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)」により、牛乳200mlは206g、卵1個は50gで計算しました。食塩の目標量とたんぱく質の推奨量は厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によります。商品の中身は変わることがあるため、購入時はパッケージの表示を確かめてください。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療に代わるものではありません。食物アレルギーのある方や治療中の方は、医師の指示を優先してください。
