いちご味のグミやピンクのクッキーなど、赤いお菓子は子どもにも人気です。
一方で「コチニール色素は虫からできている」「アレルギーが出る」という話を耳にして、気になっている方もいるのではないでしょうか。
- 虫が原料と聞いて抵抗がある
- どのお菓子に入っているか知りたい
- 子どもに食べさせて大丈夫か不安
- 避けるなら何を選べばいいか迷う
そこで、コチニール色素が入ったお菓子を原材料表示で実名で探し、ほかの赤い色素と「1日に食べてよい量」で比べてみました。
結果、コチニール色素を避けて合成の赤色3号のお菓子にすると、1日の許容量は50分の1になることが分かりました。
虫が原料なら、合成の色素のほうが安心だと思っていたんですが……。
許容量で比べると逆なんです。避けるなら、選び方にコツがあります。
- コチニール色素入りのお菓子8品
- 大手のいちご菓子が使う赤
- 合成の赤色との許容量の比較
- 避けたい人の裏面の見分け方
使う資料は、各商品の原材料表示と、消費者庁・食品安全委員会・国際機関の評価です。
まずは、なぜ「体に悪い」と言われるのかから見ていきましょう。
コチニール色素のお菓子が体に悪いと言われる理由


コチニール色素は、中南米原産の虫「エンジムシ」から取り出す赤い着色料です。いちごやさくらんぼの色を出すために、お菓子にも使われています。
「体に悪い」と言われる理由をたどると、4つに分かれました。数字で見ると、量よりもアレルギーの話が中心です。
やっぱり、虫というところが気になります。
見た目の抵抗感と、体への影響は分けて考えるのがコツです。
原料が虫であること
いちばん大きな理由は、原料が虫だという点です。乾かした虫から、カルミン酸という赤い成分だけを取り出して精製します。
虫の形が残っているわけではありません。くわしい作り方は、コチニール色素の食品一覧の記事で解説しています。
虫の形が残っているわけではないんですね。
赤い成分だけを取り出して精製しています。気持ちの問題として選ぶのは自由ですよ。
アレルギーの注意喚起
2012年に消費者庁が、コチニール色素によるアレルギーについて注意を呼びかけました。
原因は色素そのものではなく、原料の虫に由来して残るたんぱく質と考えられています。件数は多くありませんが、起きると重くなりやすいのが特徴です。
原因は色素ではなく、残ったたんぱく質なんですね。
件数は少ないものの、起きると重くなりやすいので注意が必要です。
表示の名前が分かりにくい
原材料表示では「コチニール色素」のほかに、「カルミン酸色素」「着色料(コチニール)」「着色料(カルミン酸)」と書かれます。
名前がばらばらなので、「コチニール」の文字だけ探すと見落とすことがあります。


「合成着色料不使用」でも入る
コチニール色素は虫から作る天然の色素なので、「合成着色料不使用」と書かれたお菓子にも入ることがあります。
パッケージの表の言葉では判断できず、裏面の原材料表示を見るしかないのが、不安を大きくしている理由です。
表の言葉だけでは、判断できないんですね。
虫から作る天然の色素だからです。裏面の原材料表示を見るのが確実です。
コチニール色素を使ったお菓子8品


ここからは、実際にコチニール色素が入っているお菓子を実名で紹介します。
食物アレルギーの情報サイト「クミタス」に載っている原材料表示を1品ずつ開き、コチニールかカルミン酸の文字があるものだけを集めました。リニューアルで変わることがあるため、購入時は手元の表示も確認してください。


思ったより少ないんですね。
数十品を調べて、見つかったのは8品でした。大手の定番品はほとんどありません。
国内メーカーの4品
| 商品名 | メーカー | 着色料の表示 |
|---|---|---|
| もちっと いちご | やおきん | 着色料(コチニール、紅麹) |
| オレオ いちごクリーム | モンデリーズ・ジャパン | 着色料(カルミン酸、ウコン) |
| ちいかわミニゴーフル | 神戸風月堂 | コチニール色素 |
| ステラおばさんのクッキー(缶) | アントステラ | 着色料(カラメル、アカビート、コチニール) |
| 商品名 | 着色料の表示 |
|---|---|
| やおきん もちっと いちご | コチニール、紅麹 |
| オレオ いちごクリーム | カルミン酸、ウコン |
| ちいかわミニゴーフル | コチニール色素 |
| ステラおばさんのクッキー | カラメル、アカビート、コチニール |
オレオは「カルミン酸」と書かれていて、「コチニール」の文字が1つも出てこない例です。
ゴーフルとクッキーは、キャラクター缶や詰め合わせの商品でした。おみやげや贈り物で手にする機会が多いお菓子です。
輸入グミとキャンディ
| 商品名 | 輸入元 | 着色料の表示 |
|---|---|---|
| トローリ ドラキュラ | 豊産業 | 着色料(コチニール色素) |
| トローリ サワー グローワーム | 豊産業 | 着色料(二酸化チタン、コチニール色素、ウコン色素、青1) |
| ヒッチーズ マーメイド | フロンティア物産 | 着色料(コチニール、クルクミン、青1) |
| ヒッチーズ サワー味 | フロンティア物産 | 着色料(ウコン、コチニール、青1) |
| 商品名 | 着色料の表示 |
|---|---|
| トローリ ドラキュラ | コチニール色素 |
| トローリ グローワーム | コチニール色素ほか |
| ヒッチーズ マーメイド | コチニールほか |
| ヒッチーズ サワー味 | コチニールほか |
残りの4品は、スペインやドイツなどから来た輸入グミ・キャンディでした。
ヨーロッパでは合成の赤を避ける流れが強く、カラフルな輸入グミほどコチニールが選ばれやすいと考えられます。
見つからなかったお菓子
マシュマロ、ゼリー、ラムネ、和菓子のさくらんぼ餅などは、調べた範囲では見つかりませんでした。チロルチョコも約40品すべて該当なしです。
「いちご味ならコチニール入り」とは言えず、むしろ少数派というのが実際のところでした。
飲み物では、いちごオ・レなどに入っていることがあります。食品全体の一覧は別の記事にまとめています。
大手のいちご菓子が使う赤い色素


では、コチニールを使っていない大手のいちご菓子は、何で赤やピンクを出しているのでしょうか。
メーカーの公式サイトで3品の原材料を確かめると、3品とも虫ではなく植物などから取った赤でした。コチニールを避けたい方には、そのまま選択肢になります。


ポッキーのピンクは、ビーツの色だったんですね。
ええ。赤い根菜のビーツは、お菓子の赤の定番になっています。
いちごポッキーはアカビート
江崎グリコのいちごポッキーの着色料は「アカビート色素」です。
アカビートは、赤い根菜のビーツから取った色素です。原材料表示の最後のほうに1つだけ書かれていました。
いちごポッキーの赤は、野菜の色だったんですね。
ビーツという赤い根菜から取った色素です。
明治ストロベリーチョコは紅麹
明治ストロベリーチョコレートの色は「紅麹色素」でした。紅麹というカビの仲間から取る赤い色素です。
2024年に問題になった紅麹サプリとは、作り方も目的も別のものと国が説明しています。くわしくは食品一覧の記事のよくある質問でふれています。
紅麹と聞くと、サプリの件を思い出しちゃいます。
国は、作り方も目的も別のものと説明しています。
いちご大福はビートレッド
やおきんのいちご大福(マシュマロ)は「着色料(ビートレッド)」でした。ビートレッドもビーツが原料です。
同じやおきんでも「もちっと いちご」はコチニール入りでした。同じメーカーでも商品によって色素は違うので、1品ずつ裏面を見るのが確実です。
同じメーカーでも、商品によって色素がちがうんですね。
だから1品ずつ裏面を見るのが確実なんです。
合成の赤色との許容量の比較


「虫が嫌だから」とコチニール入りのお菓子を避けたとき、代わりに合成の赤で色をつけたお菓子を選ぶこともありえます。
そこで、赤い色素ごとに「毎日一生食べ続けても健康に影響がないとされる量(1日許容摂取量)」を並べました。体重50kgの人の1日分です。いちばん厳しいのは合成の赤色3号でした。


合成のほうが量の目安が少ないなんて、意外です。
色素ごとに体への影響の出方が違うので、許容量もばらばらなんです。
許容量は色素ごとに違う
| 赤い色素 | 分類 | 体重1kgあたり | 体重50kgの1日分 |
|---|---|---|---|
| 食用赤色40号 | 合成 | 7mg | 350mg |
| コチニール色素 | 天然(虫) | 5mg | 250mg |
| 食用赤色102号 | 合成 | 4mg | 200mg |
| 食用赤色2号 | 合成 | 0.5mg | 25mg |
| 食用赤色3号 | 合成 | 0.1mg | 5mg |
| 食用赤色106号 | 合成 | 評価なし | ― |
| 赤い色素 | 50kgの1日分 |
|---|---|
| 赤色40号 | 350mg |
| コチニール | 250mg |
| 赤色102号 | 200mg |
| 赤色3号 | 5mg |
| 赤色106号 | 評価なし |
コチニール色素の許容量は、合成の赤色102号や赤色40号とほぼ同じ水準です。
一方で赤色3号はコチニールの50分の1、赤色2号も10分の1でした。合成の色素がすべて安全側とは言えません。
赤色3号は米国で使用禁止
米国食品医薬品局(FDA)は2025年1月、赤色3号の食品への使用許可を取り消しました。食品は2027年1月までに切り替えが求められています。
理由は、オスのラットに大量に与えた試験でがんが見つかったことです。ただし消費者庁のQ&Aは、人では起こらない仕組みで、通常の使い方なら心配はないとしています。日本では今もお菓子・漬物・かまぼこの一部に使われています。


赤色106号は国際評価なし
赤色106号は、米国でもEUでも食品には使われておらず、国際機関の評価もない色素です。
消費者庁は2025年11月、赤色106号から情報を集め、食品安全委員会に評価を頼む方針を示しました。今後、扱いが見直される可能性がある色素といえます。
今後、扱いが変わるかもしれない色素なんですね。
国も評価を頼む方針を示しています。気になる方は名前を覚えておきましょう。
合成の赤を使うお菓子の例
駄菓子のすもも漬(中野産業)は「着色料(赤102)」、清水食品のレッドチェリー缶は「赤色104号」でした。
どれも日本では使用が認められた添加物です。消費者庁の調べでは、日本人が実際にとっている量は赤色3号でも許容量の0.048%にとどまっています。
合成の赤でも、とっている量はごくわずかなんですね。
赤色3号でも、許容量の0.048%にとどまっています。
コチニール色素の安全性と量


ここまでで、許容量の面ではコチニール色素がむしろ余裕のある色素だと分かりました。
次は、日本人が実際にどれくらいとっているかと、いちばん気をつけたいアレルギーを見ていきます。量の心配はほぼなく、注意すべきは体質というのが結論です。
子どもが毎日グミを食べても大丈夫でしょうか。
量の面ではまず届きません。気にするのは、アレルギーがあるかどうかです。
1日の許容量は体重1kgあたり5mg
FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)は、コチニール色素の成分であるカルミン類の許容量を体重1kgあたり5mgとしています。
体重50kgの大人なら1日250mg、体重20kgの子どもでも1日100mgまでという計算です。
子どもでも、1日100mgまで大丈夫なんですね。
体重で計算した上限です。実際にとっている量は次の見出しで見ましょう。
実際の摂取量は許容量の130分の1以下
食品安全委員会の資料では、国内の生産量から計算した1人1日あたりの摂取量は1.2〜1.9mgでした。
体重50kgの人の250mgと比べると、およそ130分の1以下です。お菓子を食べる日が続いても、許容量に届く量ではありません。


化粧品で体が覚えることも
アレルギーの報告は成人女性に多く、藤田医科大学とホーユーの学会発表では16例中10例が化粧品がきっかけと推定されていました。
口紅やアイシャドウの赤でかぶれたことがある方は、食べる前に裏面を確認するのが安心です。


赤いお菓子の選び方と見分け方


最後に、コチニール色素を避けたい人が、スーパーで赤いお菓子を選ぶときのコツをまとめます。
裏面の着色料の名前を見れば、虫・合成・植物のどれが原料の赤かが分かります。ポイントは3つだけです。


名前さえ覚えておけば、迷わずに選べそうです。
ええ。アレルギーがなければ、そこまで神経質になる必要はありません。
「/」の後ろの着色料を見る
原材料表示では、「/」より後ろが添加物です。その中の「着色料( )」か「○○色素」が色の正体になります。
- コチニール、カルミン酸 → 虫が原料の赤
- 赤2、赤3、赤40、赤102、赤106 → 合成の赤
- アカビート、ビートレッド、紅麹、アカキャベツ → 植物などの赤
避けたい人と避けなくていい人
アレルギーの経験がある人や、赤い化粧品でかぶれたことがある人は、コチニール入りを避けるのが確実です。
それ以外の人は、量の面では心配ないので、気持ちの問題として選べば十分です。
アレルギーの心配がなければ、量の面では気にしなくていいんですね。
はい。あとは気持ちの問題として、自分で選べば十分です。
代わりに選ぶなら植物の赤
虫が気になって替えるなら、アカビートや紅麹など植物などから取った赤のお菓子がおすすめです。いちごポッキーや明治ストロベリーチョコがその例でした。
合成の赤のお菓子を選ぶ場合も、日本で使われている量はごくわずかです。許容量の小さい赤色3号や、評価のない赤色106号を避けたい方は、名前を覚えておくと選びやすくなります。
虫が気になるなら、植物の赤のお菓子を選べばいいんですね。
いちごポッキーや明治ストロベリーチョコがその例です。
コチニール色素のお菓子のよくある質問


ここまでの内容をふまえて、コチニール色素のお菓子について多い疑問にまとめて答えます。
いずれも原材料表示と公的機関の資料にもとづいた回答です。
気になる質問だけ拾い読みしてください。
コチニール色素のお菓子を子どもに食べさせても大丈夫ですか
体重20kgの子どもの許容量は1日100mgで、日本人の摂取量はその数十分の1にとどまります。量の面では心配ありません。
ただし食べた後にかゆみやじんましんが出たら、商品の原材料表示を控えて医師に相談してください。
グミやキャンディにはよく入っていますか
調べた範囲では、国内大手のグミ・キャンディにはほとんど入っていませんでした。
見つかったのは、トローリやヒッチーズなどの輸入グミ・キャンディです。
「カルミン酸」と書いてあるのもコチニール色素ですか
はい。カルミン酸はコチニール色素の赤い成分の名前で、中身は同じです。
オレオ いちごクリームのように、「カルミン酸」とだけ書かれている商品もあります。
合成着色料のお菓子のほうが安全ですか
一概には言えません。赤色3号の許容量はコチニール色素の50分の1で、赤色106号は国際機関の評価がありません。
どちらも日本で使われている量はごくわずかで、通常の食べ方なら心配はないとされています。
コチニール色素を使っていないいちご菓子はありますか
いちごポッキー(アカビート色素)、明治ストロベリーチョコレート(紅麹色素)、やおきんのいちご大福(ビートレッド)がその例です。
リニューアルで変わることがあるので、購入時は裏面も確認してください。
アレルギーが心配なときはどうすればいいですか
赤い化粧品でかぶれたことがある人や、赤い食品でじんましんが出たことがある人は、コチニール入りを避けるのが確実です。
心配なときは、アレルギーの専門医に相談すると原因を調べてもらえます。
コチニール色素のお菓子についてのまとめ


コチニール色素のお菓子が体に悪いのかを、原材料表示と公的機関の資料で確かめてきました。
答えは「量の心配はほぼなく、気をつけるのはアレルギー体質の人」です。
- コチニール入りのお菓子は8品見つかった
- 輸入グミと缶入り焼き菓子に多い
- 大手のいちご菓子はビーツや紅麹の赤
- 赤色3号の許容量はコチニールの50分の1
- 赤色106号は国際機関の評価なし
- 避けるなら植物の赤のお菓子を選ぶ
コチニール色素を避けて合成の赤に替えると、許容量がずっと小さい色素を選ぶこともあるというのが、今回いちばんの発見でした。
虫が気になるなら、ビーツや紅麹の赤を選べばいいんですね。
そうです。名前を3種類に分けて覚えておけば、裏面を見るだけで選べます。
次に赤いお菓子を手に取ったら、裏面の「/」の後ろにある着色料の名前を見てみてください。虫・合成・植物のどれかが、その場で分かります。
虫が原料の着色料がほかにあるか気になる方は、着色料で虫が原料の種類一覧の記事もどうぞ。着色料なら裏面で見分けられますが、粒チョコなどの「光沢剤」は中身が書かれていませんでした。










ほかの食品添加物では、アラビアガムの記事もあります。ガムやチョコに使われる増粘剤で、中身の9割以上は水溶性食物繊維でした。
許容量の数字で確かめた添加物には、アルギン酸エステルもあります。チルドのそばやパンに使われる増粘剤で、とっている量は1日約4mgでした。
着色料が気になるお菓子では、ハリボーの記事もあります。ゴールドベアの着色料は果汁・スピルリナ青・アントシアニンなどで、数字の名前がつく合成着色料は使われていませんでした。
着色料の赤102を使ったお菓子では、さくら大根の記事もあります。赤102はEUでは使用が認められていて、着色料を避けてたくあんにすると塩分は約1.2倍になりました。
成分ラボでは身近な食品を、メーカーの公式表示と国の資料をつき合わせて1つずつ調べています。
ハムやかまぼこなど、お菓子以外のコチニール色素の食品や、グミの糖質を調べた記事もあわせてどうぞ。




本記事のお菓子の原材料は、食物アレルギー情報サイト「クミタス」と各メーカーの公式サイトに掲載された表示を2026年10月1日に確認したものです。商品のリニューアルで変わることがあるため、購入時はお手元の商品の表示もあわせてご覧ください。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療に代わるものではありません。食物アレルギーのある方は、医師の指示を優先してください。



