ピンク色のうすい大根に、甘ずっぱい味がしみた駄菓子「さくら大根」。昭和から続くロングセラーで、子どものころ駄菓子屋で食べたという人も多いでしょう。
一方で、「さくら大根は着色料や甘味料だらけで体に悪い」「中国産の大根が心配」という声を耳にして、子どもに食べさせていいのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
- ピンクの着色料(赤102)が不安
- 甘味料のアスパルテームが気になる
- 塩分が多いのではと心配
- 着色料のない漬物のほうがいいか迷う
そこで、製造元の遠藤食品公式の表示と国の資料をもとに、さくら大根と、着色料を使わない一般的な「たくあん」を100gで並べてみました。
結果、着色料を避けてたくあんにすると、塩分は約1.2倍、カロリーは約2.9倍になることが分かりました。
着色料のない漬物のほうが、体にいいと思っていました……。
添加物の心配と塩分の心配は、別に考える必要があるんです。数字で順番に確かめていきましょう。
- 原材料と栄養成分
- たくあん・ほかの漬物との比較
- 赤102・甘味料・保存料の正体
- 食べる量の目安
使う数字は、メーカーの公式表示と国や国際機関の資料に限りました。まずは、なぜ体に悪いと言われるのかから見ていきます。
さくら大根が体に悪いと言われる理由


さくら大根は、栃木県の遠藤食品が作っている駄菓子です。公式の「さくら大根物語」によると、昭和32年に大根の切れ端がスモモの調味液に落ちたことから生まれ、2019年に遠藤食品が事業を引き継ぎました。
「体に悪い」と言われる理由をたどると、3つに分かれました。海外の情報の受け取り方と、数字の推定から来る心配が混ざっています。
子どもが好きで、駄菓子屋でよく買うんです。
だからこそ、心配の中身をはっきりさせておきたいですね。1つずつ見ていきましょう。
着色料の赤102が心配
さくら大根のピンク色は、着色料(赤102)でつけています。赤102は、海外では使えない国もある着色料として、よく話題になります。
参考にした記事では「欧米では使用が制限・禁止」と書かれていました。ですが、EUでは使用が認められています。海外での扱いは4章でくわしく見ます。
海外で禁止されていると聞くと、こわくなります。
国によって扱いが違うので、どこで何が決まっているかを分けて見ましょう。
甘味料のアスパルテームが心配
甘さは、砂糖ではなく甘味料(アセスルファムK・アスパルテーム)でつけています。2023年にアスパルテームが「発がん性の可能性がある」と分類されたニュースを覚えている人も多いでしょう。
このときWHO(世界保健機関)は、1日に摂ってよい量の目安は変えていません。くわしくは4章で確かめます。
ニュースで見て、気になっていました。
「分類」と「食べてよい量」は別の話なんです。順番に説明しますね。
塩分の量が分からない
参考にした記事では、栄養成分を「1袋50gあたり、推定値」として、食塩1.4gと書いていました。ですが、遠藤食品の公式ショップの表示は100gあたりで、1袋(2枚)の重さは書かれていません。
1袋がどれくらいの重さかによって、とる塩分は変わります。この記事では、公式の100gあたりの数字で比べます。
1袋の重さが分からないなら、比べ方が大事ですね。
そうなんです。同じ100gでそろえると、ほかの漬物ともきちんと比べられますよ。
さくら大根の原材料と栄養成分


ここからは、遠藤食品公式ショップの商品情報で、さくら大根の中身を見ていきます。
結果、100gあたり15kcalととても低く、食塩相当量は2.8gでした。カロリーより、塩分に注目すべき食品です。


カロリーはすごく低いんですね。
大根が主役で、甘さは甘味料なので、カロリーはほとんどありません。そのぶん、塩分が目立ちますね。
原材料は中国産のだいこん
| 項目 | さくら大根 |
|---|---|
| 原材料 | だいこん(中国)、漬け原材料〔食塩、醸造酢〕 |
| 添加物 | 酸味料、調味料(アミノ酸等)、メタリン酸Na、甘味料(アセスルファムK、アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物)、V.B1、保存料(ソルビン酸K)、着色料(赤102) |
| エネルギー | 15kcal |
| たんぱく質 | 0.4g |
| 脂質 | 0.1g |
| 炭水化物 | 3.4g |
| 食塩相当量 | 2.8g |
| 内容量 | 2枚(1袋) |
| 加工地 | 栃木県 |
原料の大根は中国産で、栃木県の工場で漬け込まれています。アレルギー物質(特定原材料等)は「該当なし」と表示されています。
塩分は100gで2.8g
厚生労働省の食事摂取基準(2025年版)では、食塩の1日の目標量は成人男性7.5g未満、女性6.5g未満です。さくら大根100gの2.8gは、女性の目標量の4割以上にあたります。
ただし、駄菓子の1袋は2枚で、100gよりずっと少ない量です。1袋の重さが分かれば、そのぶんだけ塩分を計算できます。袋に重さが書かれていない場合は、パッケージの栄養成分表示を確かめてください。
100gだと多いけど、1袋はもっと少ないんですね。
そうなんです。ただ、何袋も続けて食べると、すぐに100gに近づきます。量が大事ですね。
甘さは甘味料でつけている
炭水化物は100gで3.4gと少なめです。甘さを砂糖ではなく甘味料でつけているので、カロリーと糖質はとても低いのが特徴です。
甘味料を使うと、少ない量で甘さが出せます。アセスルファムKとアスパルテームを組み合わせるのは、甘さの感じ方を整えるためによく使われる方法です。
甘いのに、カロリーが低いのはそのためなんですね。
甘味料のよい面です。気になる点は、4章でくわしく見ていきましょう。
着色料を避けてたくあんにすると


「着色料や甘味料が気になるなら、たくあんにすればいい」と考える人も多いでしょう。そこで、文部科学省の食品成分表の「たくあん漬(塩押しだいこん漬)」と、100gで並べてみました。
結果、塩分は2.8gから3.3gへ約1.2倍、カロリーは15kcalから43kcalへ約2.9倍になりました。


着色料がないほうが、塩分が多いなんて。
漬物は、もともと塩で漬ける食べ物ですからね。数字を見ていきましょう。
塩分は約1.2倍になる
| 100gあたり | さくら大根 | たくあん(塩押しだいこん漬) |
|---|---|---|
| エネルギー | 15kcal | 43kcal |
| 食塩相当量 | 2.8g | 3.3g |
| 甘さのもと | 甘味料 | (成分表には記載なし) |
着色料を避けてたくあんにすると、塩分は約1.2倍に増えます。「添加物が少ない=塩分も少ない」とは限りません。
カロリーは約2.9倍になる
たくあん(塩押しだいこん漬)は100gで43kcalです。さくら大根の15kcalの約2.9倍でした。
さくら大根は甘さを甘味料でつけているため、炭水化物が少なく、カロリーが低くなっています。カロリーを気にする人には、さくら大根のほうが有利という見方もできます。
甘味料にも、いいところがあるんですね。
そうなんです。何を避けたいかで、選ぶものが変わりますよ。
漬物の中ではまん中くらい


ほかの大根の漬物とも比べてみました。干しだいこん漬(たくあん)は2.5gでさくら大根より少なく、福神漬は5.1gと多めでした。
さくら大根の塩分は、だいこんの漬物の中ではまん中くらいです。特別に塩分が多い食品ではありませんが、漬物と同じく少量でも塩分がとれると考えておきましょう。
漬物の仲間として見ると、ふつうなんですね。
そうなんです。お菓子として食べるか、漬物として食べるかで、印象が変わりますね。
さくら大根の着色料と甘味料


次は、「赤102が危険」「アスパルテームが心配」という不安を確かめます。添加物は、酸味料・調味料・メタリン酸Na・甘味料・V.B1・保存料・着色料の8種類(甘味料2つを含む)でした。
結果、どれも国が使用を認めた添加物で、海外の評価も「量を守れば問題ない」という考え方でした。


8種類と聞くと、多く感じます。
名前が並ぶと多く見えますね。気になるものから順に見ていきましょう。
赤102は海外で扱いが分かれる
赤102は、ヨーロッパでは「Ponceau 4R(E124)」として使用が認められています。欧州食品安全機関(EFSA)は2009年に1日に摂ってよい量の目安を引き下げ、EUは2012年に使える量の上限も下げました。
一方、アメリカでは食品用の着色料として認められていません。国によって扱いが分かれる着色料なのは確かです。日本では厚生労働省が使用を認めています。気になる人は、食べる量や回数を決めるのが現実的です。
ヨーロッパでは使えるんですね。
そうなんです。「海外で禁止」とひとまとめにせず、国ごとに見るのが大事です。着色料の話は、コチニール色素のお菓子の記事でも調べていますよ。
アスパルテームは分類と量が別
2023年、WHOの国際がん研究機関(IARC)はアスパルテームを「発がん性の可能性がある(グループ2B)」に分類しました。同時にWHOとFAOの専門家会議(JECFA)は、1日に摂ってよい量の目安(体重1kgあたり40mg)を変えませんでした。
体重60kgの大人なら、1日2,400mgまでが目安です。駄菓子1袋の甘味料の量で、この目安に近づくことはまず考えにくいでしょう。なお、アスパルテームはフェニルケトン尿症の人は避ける必要があるため、「L-フェニルアラニン化合物」と表示されています。
分類と食べてよい量は、別の話なんですね。
そうなんです。甘味料の話は、ミンティアの記事でもくわしく見ていますよ。
保存料と原産国
保存料のソルビン酸Kは、カビや細菌が増えるのを抑えるための添加物です。漬物などに使える量の上限が、国によって決められています。
原料の大根は中国産ですが、厚生労働省によると、輸入食品にも国内と同じ食品衛生法の基準が適用され、検疫所で検査が行われています。原産国だけで「体に悪い」とは言えません。
輸入の食品も、ちゃんと検査されているんですね。
そうなんです。気になる人は、パッケージの原料原産地を見て選ぶのも1つの方法です。
さくら大根の食べる量の目安


では、さくら大根とはどう付き合えばよいのでしょうか。答えは、1回1袋までにして、ほかの塩辛いものと重ねないことです。
カロリーは低いので、気をつけるのは塩分です。漬物と同じ感覚で、少しずつ楽しみましょう。
カロリーが低いから、いくつ食べてもいいと思っていました。
カロリーより塩分を見る食品なんです。量を決めて楽しみましょう。
1回1袋までにする
1袋は2枚入りです。続けて何袋も食べないことが、いちばん簡単な対策です。袋をまとめて買ったときは、食べる分だけ出しておきましょう。
子どもの場合は体が小さいので、大人より少ない量で塩分の目安に近づきます。おやつの時間に1袋、と決めておくと安心です。
1回1袋なら、守れそうです。
決めておけば、迷わずに済みますよ。
ほかの塩辛いものと重ねない
ポテトチップスやするめなど、ほかの塩辛いお菓子と一緒に食べると、塩分が重なります。その日のおやつは、さくら大根1袋にしておきましょう。
食事でみそ汁や漬物を食べる日は、おやつの塩分も1日の合計に入ると考えると、バランスがとりやすくなります。
おやつの塩分も、1日の合計に入るんですね。
そうなんです。全体で見るのがいちばん大事ですよ。
飲み物は水かお茶を
さくら大根は酸っぱいので、食べたあとは水やお茶で口をすすぐと、歯にもやさしくなります。
甘い飲み物と一緒にすると、そのぶん糖分が増えます。飲み物は水かお茶にしておきましょう。着色料が気になる人は、ハリボーの記事も参考にしてください。
冷やして、お茶と一緒に食べるのもよさそうです。
さっぱりして、おいしいと思いますよ。
さくら大根のよくある質問


ここまでの数字をふまえて、さくら大根について多い疑問にまとめて答えます。
気になる質問だけ拾い読みしてください。
さくら大根は体に悪いですか
特別に体に悪い食品ではありません。100gあたり15kcalとカロリーは低く、食塩相当量は2.8gで、だいこんの漬物の中ではまん中くらいです。
気をつけるのは塩分です。1回1袋までにして、ほかの塩辛いものと重ねないようにしましょう。
赤102は危険ですか
赤102は日本で使用が認められた着色料です。EUでも使用が認められていますが、2009年に1日に摂ってよい量の目安が引き下げられました。アメリカでは食品用として認められていません。
国によって扱いが分かれるので、気になる人は食べる量や回数を決めるのがおすすめです。
アスパルテームは発がん性がありますか
2023年にIARCが「発がん性の可能性がある(グループ2B)」に分類しましたが、同じときにJECFAは1日に摂ってよい量の目安(体重1kgあたり40mg)を変えませんでした。
駄菓子1袋の量で、この目安に近づくことはまず考えにくいでしょう。
着色料のないたくあんのほうが体にいいですか
たくあん(塩押しだいこん漬)は100gで食塩3.3g・43kcalで、さくら大根(2.8g・15kcal)より塩分もカロリーも多めです。
添加物を避けたいか、塩分やカロリーを抑えたいかで選び方が変わります。
中国産の大根は大丈夫ですか
輸入食品にも国内と同じ食品衛生法の基準が適用され、検疫所で検査が行われています。
原産国が気になる場合は、パッケージの原料原産地を確かめて選んでください。
子どもに食べさせても大丈夫ですか
量を決めれば、おやつとして食べさせて問題ないでしょう。子どもは体が小さいので、1回1袋までを目安にしてください。
フェニルケトン尿症の人はアスパルテームを避ける必要があります。パッケージの表示を確かめてください。
さくら大根は体に悪いかのまとめ


さくら大根は体に悪いのかを、遠藤食品公式の表示と国や国際機関の資料で確かめてきました。
答えは「体に悪い駄菓子ではない。気をつけるのは塩分で、1回1袋までにする」です。
- 100gで15kcal・食塩2.8g
- たくあんにすると塩分約1.2倍
- カロリーはたくあんの約3分の1
- 赤102はEUでは使用が認められている
- アスパルテームの摂取目安は変わらず
- 1回1袋までが目安
着色料を避けてたくあんにすると、塩分は約1.2倍、カロリーは約2.9倍になるというのが、今回いちばんの発見でした。
「着色料なし=体にいい」とは限らないんですね。
そのとおりです。添加物も塩分も、量を決めて食べる。これがいちばん大事なポイントですよ。
次にさくら大根を食べるときは、その日のほかのおやつの塩分も思い出してみてください。
成分ラボでは身近な食品を、メーカーの表示と国の資料をつき合わせて1つずつ調べています。ほかの駄菓子や着色料の記事も、あわせてどうぞ。






本記事の原材料と栄養成分は、遠藤食品公式のe漬物ショップに掲載された「さくら大根」の表示です(栄養成分は製品100gあたり・表示値は目安・2026年10月10日確認)。1袋の重さは公式に記載がないため、100gあたりで比べました。たくあんなどの値は文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)」、食塩の目標量は厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」、赤102(Ponceau 4R)の海外での扱いはEFSAとEUの規則、アスパルテームの評価はWHOの発表によります。商品の中身は変わることがあるため、購入時はパッケージの表示を確かめてください。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療に代わるものではありません。高血圧などで塩分を制限している方や治療中の方は、医師の指示を優先してください。







