小豆の味がぎゅっと詰まった、井村屋のあずきバー。1973年の発売から50年以上続くロングセラーで、夏になると冷凍庫に常備している方も多いでしょう。
一方で、「砂糖のかたまりで体に悪い」「硬すぎて歯が欠ける」という声を耳にして、毎日食べていいのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
- 糖分の多さが気になる
- ラクトアイスなのか知りたい
- 添加物が入っていないか心配
- 硬さで歯を痛めないか不安
そこで、井村屋の公式サイトと包装の表示をもとに、人気のカップアイスや氷菓と1個ずつ並べてみました。
結果、糖分を避けてバニラのカップアイスに替えると、炭水化物は1.4倍・脂質は117倍になることが分かりました。
氷のアイスより、ミルクのアイスのほうが体にやさしいと思っていました……。
甘さを避けたつもりで、かえって糖も脂も増えてしまう組み合わせがあるんです。順番に数字で見ていきましょう。
- 1本の栄養成分と原材料
- シリーズごとの添加物の違い
- ほかのアイスとの比較
- 糖分と硬さの注意点
使う数字は、メーカーの公式表示と国や国際機関の資料に限りました。今回は、定番のあずきバー(1本65ml)で確かめていきます。
まずは、なぜ「体に悪い」と言われるのかから見ていきましょう。
あずきバーが体に悪いと言われる理由


あずきバーは、三重県の井村屋が「ぜんざいを冷やしてアイスにできないか」という発想から生まれたと言われる氷菓です。Business Insider Japanの取材記事によると、2021年度にはシリーズの年間販売数が3億本を超えました。
「体に悪い」と言われる理由をたどると、4つに分かれました。数字で確かめられるものと、誤解が混ざっているものがあります。
3億本も売れているのに、悪いうわさもあるんですね。
身近なぶん、気になる人も多いのでしょう。1つずつ見ていきます。
砂糖がいちばん多い原材料
いちばん多いのが、「砂糖のかたまりでは」という声です。原材料は多い順に書くきまりがあり、あずきバーは砂糖が先頭にきています。
1本の炭水化物は25.0gで、カロリーのほとんどは糖からのものです。くわしい数字は2章で確かめましょう。
カロリーのほとんどは、糖から来ているんですね。
原材料の先頭が砂糖です。くわしい数字は2章で見ましょう。
ラクトアイスと思われている
「ラクトアイスは植物油脂が多くて体に悪い」という話から、あずきバーも同じだと思っている方もいるようです。ラクトアイスかどうかを題名にしているサイトもあります。
ただ、あずきバーの原材料には乳も植物油脂も入っていません。ラクトアイスではなく「氷菓」に分けられるアイスです。
あずきバーは、ラクトアイスではないんですね。
乳も植物油脂も入っていない「氷菓」に分けられるアイスです。
添加物が入っていないか不安
アイスには、乳化剤や安定剤がよく使われています。あずきバーにも入っているのでは、と気にする声があります。
定番のあずきバーは添加物を使っていませんが、シリーズの中には添加物を使った商品もあります。3章でくわしく見ていきます。
同じあずきバーでも、味によって添加物があるんですね。
定番は添加物なしです。3章でシリーズを比べます。
とにかく硬い
「釘が打てる」と冗談で言われるほど、あずきバーは硬いことで知られています。歯が欠けそうで怖い、という声も少なくありません。
井村屋自身も、公式サイトで歯を痛めないよう注意を呼びかけています。5章で食べ方のコツと合わせて紹介します。
メーカーも、歯に気をつけてと言っているんですね。
食べ方のコツは5章で紹介します。
あずきバーの栄養成分と原材料


ここからは、1本(65ml)あたりの表示を順に確かめましょう。原材料とカロリーは井村屋の公式サイト、たんぱく質などの栄養成分は包装の表示を載せているイオンのネットスーパーで確かめました。
栄養成分を見ると、カロリーの約9割が炭水化物からきていることが分かりました。


脂質は0.2gしかないんですね。
乳も油も使っていないからです。そのぶん、甘さは砂糖と水あめが担っています。
1本65mlのカロリーと栄養成分
| 1本(65ml)あたり | あずきバー |
|---|---|
| エネルギー | 110kcal |
| たんぱく質 | 2.1g |
| 脂質 | 0.2g |
| 炭水化物 | 25.0g |
| 食塩相当量 | 0.1g |
炭水化物25.0g×4kcalで100kcal、つまり110kcalの約91%が炭水化物です。たんぱく質2.1gは小豆からきているもので、アイスとしては多めでしょう。
原材料は砂糖・小豆・水あめ・食塩の4つ
定番のあずきバーの原材料は、砂糖(国内製造)、小豆、水あめ、食塩の4つだけです。添加物を書く「/」の後ろには、何も書かれていません。
2023年3月のリニューアルで、それまで使っていたコーンスターチをやめ、4つの原材料になりました(Business Insider Japan)。古い情報で「コーンスターチ入り」と書かれていることがあるので注意してください。
コーンスターチを使っていたのは、昔の話なんですね。
2023年のリニューアルで、原材料が4つになりました。
ラクトアイスではなく氷菓
江崎グリコのQ&Aによると、アイスは乳固形分の量で分けられています。ラクトアイスは乳固形分3.0%以上、アイスクリームは15.0%以上です。
| 種類 | 乳固形分 | 乳脂肪分 |
|---|---|---|
| アイスクリーム | 15.0%以上 | 8.0%以上 |
| アイスミルク | 10.0%以上 | 3.0%以上 |
| ラクトアイス | 3.0%以上 | 基準なし |
| 氷菓 | 上記にあてはまらないもの | 基準なし |
あずきバーは乳を使っていないので、ラクトアイスではなく氷菓です。「ラクトアイスだから植物油脂が多い」という心配は、あずきバーには当てはまりません。
あずきバーの添加物はシリーズで違う


「あずきバーは添加物が一切入っていない」と紹介されることがよくあります。ところが、シリーズ全体の原材料を調べると、そうとは言い切れませんでした。
結果、ミルク味と抹茶味には3〜4種類の添加物が使われていることが分かりました。


同じあずきバーでも、味によって違うんですね。
ミルクや抹茶のアイス部分をなめらかにするために使っているんです。どれも国が認めたものなので、危ないわけではありませんよ。
定番・北海道・オーガニックは添加物なし
北海道あずきバーは砂糖・小豆・食塩の3つ、オーガニックあずきバーは有機砂糖・有機小豆・コーンスターチ・食塩の4つです。定番と同じく、添加物は使われていません。
「添加物の入っていないアイスを選びたい」という方は、この3種類から選べば安心でしょう。


ミルク・抹茶には3〜4種類
| 商品 | 添加物(「/」の後ろ) |
|---|---|
| あずきバー ミルク | ソルビトール、乳化剤、安定剤(増粘多糖類)、香料 |
| あずきバー 抹茶(BOX) | ソルビトール、乳化剤、安定剤(増粘多糖類) |
ミルク味は、ミルクアイスの中につぶあんが入った2層のつくりです。「あずきバーは無添加」は定番の話で、シリーズすべてに当てはまるわけではありません。
使われている添加物の役割
乳化剤は油と水をなじませ、安定剤(増粘多糖類)はとろみをつけて、なめらかな口当たりを保ちます。ソルビトールは甘みと、しっとり感を出すための成分です。
ソルビトールは、りんごや梨などの果物にも含まれる糖アルコールです。いずれも国が使用を認めた添加物で、表示どおりに使われていれば心配はいりません。
ソルビトールは、果物にも含まれる成分なんですね。
どれも国が使用を認めた添加物で、表示どおりなら心配はいりません。
ほかのアイスとの比較


「砂糖が多い氷菓より、ミルクのアイスのほうがいい」と考える人もいるでしょう。ラクトアイスや乳脂肪のアイスをすすめているサイトもあります。
そこで、人気のカップアイスと、同じ氷菓のガリガリ君を1個ずつ並べました。結果、バニラのカップアイスは炭水化物も脂質もあずきバーより多いことが分かりました。


カップアイスのほうが、糖も多いんですね。
1個の量が3倍ほどあるからです。甘さ控えめに感じても、食べる量で逆転するんですよ。
1本・1個で並べた栄養
| 1本・1個あたり | カロリー | 炭水化物 | 脂質 | たんぱく質 | 添加物 |
|---|---|---|---|---|---|
| あずきバー(65ml) | 110kcal | 25.0g | 0.2g | 2.1g | なし |
| スーパーカップ 超バニラ(200ml) | 374kcal | 35.3g | 23.4g | 5.6g | 2種 |
| ガリガリ君 ソーダ(105ml) | 66kcal | 16.8g | 0g | 0g | 4種 |
スーパーカップはラクトアイスで、原材料の2番目に植物油脂がきています。脂質23.4gは、あずきバーの117倍です。
同じカロリーなら糖は多め
公平を期すために、100kcalにそろえても計算しました。100kcalあたりの炭水化物は、あずきバーが約22.7g、ガリガリ君ソーダが約25.5g、スーパーカップが約9.4gです。
同じカロリーで比べると、氷菓は2つとも糖の割合がカップアイスの2倍以上です。氷菓は「油の代わりに糖でできたアイス」だと言えます。


不安どおりに替えると損をする
「砂糖が多いから」と、あずきバーをバニラのカップアイスに替えたとしましょう。1個の炭水化物は1.4倍、脂質は117倍、カロリーは3.4倍に増えます。
甘さを減らしたいなら、替えるより、あずきバーを1本で止めるほうが近道です。軽さを求めるなら、同じ氷菓のガリガリ君のように1本66kcalの商品もあります。
カップアイスに替えると、脂質が117倍になるんですか。
カロリーも3.4倍です。甘さを減らすなら、1本で止めるほうが近道です。
糖分と硬さの注意点


では、あずきバーで本当に気をつけたいのは何でしょうか。答えは、食べる本数と、食べるときの硬さです。
1本の数字を1日の目安と並べ、硬さへの注意と合わせて見ていきます。


1本なら、どれも半分くらいまでなんですね。
はい。2本、3本と続けると、そこで目安に届いてしまうんです。
炭水化物25gはWHO目安の半分
WHO(世界保健機関)は、砂糖などの遊離糖類を総エネルギーの10%未満にするよう勧めています。成人の2,000kcalなら1日50gで、5%(25g)以下ならさらに望ましいという立場です。
あずきバー1本の炭水化物25.0gには、小豆のでんぷんや食物繊維も含まれます。砂糖・水あめの量はこれより少ないので、1本で目安50gの半分より少し下です。「1本で25gの上限を使い切る」という説明は、目安の数字を取り違えています。
炭水化物には、小豆のでんぷんも含まれているんですね。
はい。砂糖と水あめの量は、25gより少ないはずです。
お菓子の目安200kcalの約55%
農林水産省の「食事バランスガイド」では、お菓子や甘い飲み物を1日200kcal程度までとしています。あずきバー1本110kcalは、その約55%です。
スーパーカップ1個374kcalは、1個で目安の約1.9倍になります。あずきバーなら1日1本までが目安で、ほかにお菓子を食べる日は控えめにしましょう。


歯と唇を守る食べ方
井村屋の公式サイトには、「固く凍っているため、歯を痛めないようにご注意ください」と書かれています。冷凍庫から出した直後は、唇や舌にはりつき、出血することもあるとも注意しています。
硬さの理由について、井村屋は「砂糖が減る分、水分が増え、水が氷になり、硬さが増した」と説明しています(Business Insider Japan)。冷凍庫から出して数分おき、かじらずになめるように食べると安心です。
冷凍庫から出してすぐだと、唇にはりつくこともあるんですね。
数分おいてから、かじらずになめるように食べると安心です。
あずきバーのよくある質問


ここまでの数字をふまえて、あずきバーについて多い疑問にまとめて答えます。
いずれも公式表示と、国や国際機関の資料にもとづいた回答です。
気になる質問だけ拾い読みしてください。
あずきバー1本のカロリーはどれくらいですか
1本65mlで110kcalです。スーパーカップ 超バニラ(374kcal)の3分の1以下で、アイスの中では軽いほうです。
ただしカロリーの約91%は炭水化物から来ているので、1日1本までにしておくと安心です。
あずきバーは体に悪いですか
1本110kcal・炭水化物25.0gで、カロリーの約9割が糖からきています。ただし脂質は0.2gで、定番品は添加物も使っていません。
1日1本ほどなら体に悪いものではありません。気をつけたいのは、何本も続けて食べることと、硬さで歯を痛めることです。
あずきバーはラクトアイスですか
ラクトアイスではありません。乳を使っていないので「氷菓」に分けられます。
ラクトアイスは乳固形分3.0%以上で、植物油脂を使った商品が多い種類です。あずきバーには植物油脂も入っていません。
あずきバーに添加物は入っていますか
定番のあずきバー・北海道あずきバー・オーガニックあずきバーは、添加物を使っていません。
ミルク味と抹茶味には、ソルビトール・乳化剤・安定剤など3〜4種類が使われています。どれも国が使用を認めたものです。
ダイエット中に食べても大丈夫ですか
1本110kcalは、カップアイスの3分の1ほどです。脂質も0.2gと少ないので、アイスの中では軽いほうと言えます。
ただし炭水化物は25.0gあるので、1日1本までにしましょう。もっと軽くしたい日は、1本66kcal前後の氷菓を選ぶ手もあります。
子どもに食べさせてもいいですか
乳・卵・小麦などのアレルギー物質は使っていません(同じ製造ラインで乳成分を含む商品を作っています)。
硬いので、小さな子どもには冷凍庫から出して数分おいてから渡しましょう。かじらずになめるように食べると、歯や唇を痛めにくくなります。
糖尿病でも食べられますか
1本で炭水化物を25.0gとるので、血糖値は上がりやすいアイスです。
食べてよいかどうか、どのくらいならよいかは人によって違います。治療中の方は、主治医や管理栄養士に相談してください。
ミルクのアイスに替えたほうがいいですか
バニラのカップアイス(スーパーカップ 超バニラ)に替えると、1個の炭水化物は1.4倍、脂質は117倍に増えます。
甘さやカロリーを減らすのが目的なら、替えるより、あずきバーを1本で止めるほうが効果的です。
あずきバーは体に悪いかのまとめ


あずきバーは体に悪いのかを、公式表示と国や国際機関の資料で確かめてきました。
答えは「糖でできたアイス。ただし脂質はほぼゼロで、1日1本なら目安の範囲内」です。
- 1本110kcal・炭水化物25.0g
- カロリーの約9割が糖から
- ラクトアイスではなく氷菓
- 定番は添加物なし
- ミルク・抹茶は添加物3〜4種
- 食べるのは1日1本まで
糖分を避けてバニラのカップアイスに替えると、炭水化物は1.4倍・脂質は117倍になるというのが、今回いちばんの発見でした。
替えるより、1本で止めるほうがいいんですね。
そのとおりです。1日1本まで、出してすぐはかじらない。これだけ覚えておけば、懐かしい味を安心して楽しめますよ。
次にアイスを選ぶときは、カロリーだけでなく、1個の量と脂質も見比べてみてください。
成分ラボでは身近な食品を、メーカーの表示と国の資料をつき合わせて1つずつ調べています。
ほかのアイスを調べた記事も、あわせてどうぞ。






本記事のあずきバーの原材料・カロリーは井村屋公式サイト、たんぱく質などの栄養成分は包装の1本(65ml)あたりの表示です(グリーンビーンズ by AEONの掲載で2026年10月6日確認)。比較したスーパーカップ 超バニラ・ガリガリ君 ソーダは各メーカー公式サイトの表示、糖類の目安はWHO「Healthy diet」、お菓子の目安は農林水産省「食事バランスガイド」、食塩の目標量は厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によります。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療に代わるものではありません。持病のある方や治療中の方、食物アレルギーのある方は、医師の指示を優先してください。







