甘酸っぱくて懐かしい味で、九州を中心に長く親しまれている乳酸菌飲料「ヨーグルッペ」。
ところが「糖分が多くて体に悪い」「乳酸菌が入っているから体にいい」と、正反対の声を耳にして、どちらが本当か気になっている方もいるのではないでしょうか。
- 1本の糖分がどれくらいか不安
- 糖分が気になるならライトがいいのか
- 乳酸菌で本当にお腹が整うのか
- 子どもに毎日飲ませていいのか
そこで、メーカーのデーリィ南日本酪農協同の公式表示と、文部科学省・WHOなどの資料を使い、ライト版や牛乳と1本ずつ並べて比べます。
結果、糖分を気にして500mlの「ヨーグルッペライト」に替えると、1本の糖分は1.7倍に増えることが分かりました。
糖分が心配だから、ライトにしようかと思っていました。
100mlあたりなら確かに少ないんです。ただ、ボトルが2.5倍の大きさなので、飲みきると逆転します。
- 栄養成分と原材料の中身
- ライト2品との1本あたりの差
- 牛乳・飲むヨーグルトとの比較
- ヨーグルッペの乳酸菌の効果
使う数字は、メーカーの公式表示と、国や国際機関の資料だけです。
まずは、なぜ「体に悪い」と言われるのかから見ていきましょう。
ヨーグルッペが体に悪いと言われる理由


ヨーグルッペは、3種類の乳酸菌で発酵させた乳に、砂糖類で甘さをつけた乳酸菌飲料です。1985年に宮崎県で生まれました。
「体に悪い」と言われる理由をたどると4つに分かれ、数字で確かめると心配の大きさはそれぞれ違いました。ここで先に仕分けておきます。
ヨーグルトの仲間なのに、どうして体に悪いと言われるんでしょう。
ほとんどが糖分の話です。逆に「体にいい」と言われる乳酸菌にも、見落とされがちな点があります。
1本で炭水化物27.4g
いちばん大きな理由は糖分です。200mlの1本に、炭水化物が27.4g入っています。
このうち、乳から来る糖は多く見積もっても約3gで、残りの約24gは加えた砂糖類と考えられます。WHOが勧める1日25g以下の目安に、1本でほぼ届く量です。


糖類が3種類使われている
原材料の最初に並ぶのは、砂糖・果糖ぶどう糖液糖・ぶどう糖の3つの糖類です。
原材料は多く使われている順に書く決まりなので、乳よりも砂糖と果糖ぶどう糖液糖のほうが多いことになります。
名前に「ヨーグルト」と入っていても、中身は甘い飲み物寄りです。
添加物が3つ入っている
添加物は、安定剤(ペクチン)・香料・酸味料の3つです。
香料と酸味料は、複数の物質をまとめて1つの名前で書いてよい「一括名表示」が認められている添加物で、中身の物質名までは分かりません。
香料と酸味料は、中身の名前までは分からないんですね。
まとめて書くことが認められている添加物です。
生きた乳酸菌は入っていない
「乳酸菌で体にいい」と言われる一方で、ヨーグルッペの種類は「乳製品乳酸菌飲料(殺菌)」です。
発酵のあとに加熱しているので、生きた乳酸菌は入っていません。くわしくは5章で見ていきます。
乳酸菌が生きていないなんて、知りませんでした。
ヨーグルッペの栄養成分と原材料


まずはデーリィ南日本酪農協同の公式サイトに載っている、ヨーグルッペ200mlの数字を書き出します。
表示はもともと200mlの1本あたりなので、そのまま読めます。1000mlの紙パックも、同じく200mlあたりで同じ数字が表示されていました。


脂質はほとんど0なんですね。
ええ。数字が大きいのは炭水化物だけです。カルシウムも入っていますが、量は4章で牛乳と比べます。
200mlあたりの数値
| 項目 | 200ml 1本あたり |
|---|---|
| エネルギー | 120kcal |
| たんぱく質 | 2.2g |
| 脂質 | 0.2g |
| 炭水化物 | 27.4g |
| 食塩相当量 | 0.1g |
| カルシウム | 84mg |
120kcalのうち、約9割が炭水化物から来ています。
カルシウム84mgは、日本人の食事摂取基準(2025年版)の成人女性の推奨量650mgの約13%です。
原材料は糖類と乳が中心
| 区分 | 原材料名 |
|---|---|
| 原材料 | 砂糖(国内製造)、果糖ぶどう糖液糖、乳、乳製品、ぶどう糖 |
| 添加物 | 安定剤(ペクチン)、香料、酸味料 |
公式の説明では、3種類の乳酸菌で発酵させた「はっ酵乳」が主原料です。乳成分のアレルギー表示があり、無脂肪固形分は3.0%でした。
ネット上には菌の名前を3つ挙げた記事もありますが、公式の商品情報は「三種混合乳酸菌」とだけ書いていて、菌の名前は出していません。
褐色とペクチンの正体
ヨーグルッペの淡い茶色は、着色料ではありません。公式ブランドサイトによると、発酵乳を熱処理したときに生まれる色です。
安定剤のペクチンは、分離しやすいヨーグルトの成分をなめらかにまとめる役割で、果物などに含まれる食物繊維の一種です。
なお北海道日高乳業のヨーグルッペは、砂糖に甜菜糖を使っていると公式サイトに書かれています。
ヨーグルッペライトとの比較


糖分が気になる方が真っ先に考えるのは、名前に「ライト」とつく商品に替えることでしょう。
公式サイトには、500mlペットボトルの「ヨーグルッペライト」と、900ml紙パックの「ヨーグルッペライトカルシウム」の2つが載っています。
そこで、それぞれ1本・1杯の飲みきる量で、元のヨーグルッペと並べました。


ライトなら、どれを選んでも糖分は減りますよね。
100mlあたりなら減ります。問題は、何mlを1回で飲むかです。
ライトは1本で糖分1.7倍
| 1本・1杯あたり | 量 | エネルギー | 炭水化物 | カルシウム |
|---|---|---|---|---|
| ヨーグルッペ | 200ml | 120kcal | 27.4g | 84mg |
| ヨーグルッペライト | 500ml | 195kcal | 47.0g | 100mg |
| ライトカルシウム | 200ml | 51kcal | 11.7g | 40mg |
| 1本・1杯 | 炭水化物 |
|---|---|
| ヨーグルッペ200ml | 27.4g |
| ライト500ml | 47.0g |
| ライトCa 200ml | 11.7g |
ヨーグルッペライトは100mlあたり炭水化物9.4gで、元のヨーグルッペ(13.7g)の約7割です。
ところが500mlのボトルを1本飲みきると47.0gになり、200mlのヨーグルッペ1本の約1.7倍です。WHOが望ましいとする1日25gを、1本で大きく超えます。
ライト2品には甘味料が入る
ライト2品は、糖類の一部を甘味料に置き換えて甘さを保っています。
ヨーグルッペライトはアセスルファムK、ライトカルシウムはアセスルファムKとアスパルテームの2つです。元のヨーグルッペには甘味料は入っていません。
甘味料の安全性は、レッドブル シュガーフリーの記事で国の上限と許容量から計算しています。
ライトのほうには、甘味料が入っているんですね。
元のヨーグルッペには甘味料は入っていません。選ぶときは表示を見ましょう。
カルシウムは元の半分以下
ライトカルシウムは「カルシウムをプラス」とうたっていますが、200mlあたりのカルシウムは40mgでした。
元のヨーグルッペ200mlは84mgなので、名前とは逆に、カルシウムは元の半分以下です。牛乳の成分が少なく、すっきりした味にしているためと考えられます。
糖分を減らしたいなら、ライトカルシウムを200mlで止めるのが一番です。ただし甘味料は2つ入ります。
牛乳・飲むヨーグルトとの比較


ヨーグルッペは「乳製品」なので、牛乳の代わりにカルシウムがとれると考えて選ぶ方もいます。
そこで、文部科学省の食品成分データベースの牛乳と、加糖の飲むヨーグルトを、同じ200mlで並べました。
比べると、同じ乳製品でも、中身はかなり違うことが分かります。


牛乳より、ヨーグルッペのほうが体によさそうなイメージでした。
乳酸菌のイメージですね。数字だけで見ると、牛乳とはかなり違う飲み物です。
糖分は牛乳の約3倍
| 200mlあたり | エネルギー | たんぱく質 | 炭水化物 | カルシウム |
|---|---|---|---|---|
| 牛乳 | 122kcal | 6.6g | 9.6g | 220mg |
| 飲むヨーグルト(加糖) | 128kcal | 5.8g | 24.4g | 220mg |
| ヨーグルッペ | 120kcal | 2.2g | 27.4g | 84mg |
| 200ml | 炭水化物 | Ca |
|---|---|---|
| 牛乳 | 9.6g | 220mg |
| 飲むヨーグルト | 24.4g | 220mg |
| ヨーグルッペ | 27.4g | 84mg |
エネルギーは3つともほぼ同じ120kcal台です。違うのは中身で、ヨーグルッペの炭水化物は牛乳の約2.9倍でした。
牛乳の炭水化物9.6gはほぼ乳糖で、加えた砂糖は入っていません。
カルシウムは牛乳の約4割
カルシウムは、牛乳200mlの220mgに対して、ヨーグルッペは84mgです。
牛乳の約4割なので、牛乳の代わりにヨーグルッペを飲むと、カルシウムは減って糖分が増えることになります。たんぱく質も牛乳の3分の1でした。


飲むヨーグルトとは近い
加糖の飲むヨーグルトと比べると、炭水化物は24.4gと27.4gで、糖分の量は近い結果でした。
ただし飲むヨーグルトは牛乳並みにカルシウムとたんぱく質が入っています。同じ甘さなら、中身が多いのは飲むヨーグルトです。
ヨーグルッペは乳製品というより、甘い飲み物として位置づけると分かりやすいです。
ヨーグルッペの乳酸菌の効果


ヨーグルッペは「乳酸菌でお腹にいい」と紹介されることがよくあります。
ところが、ヨーグルッペの種類別は「乳製品乳酸菌飲料(殺菌)」で、発酵のあとに加熱殺菌されています。
ここでは、入っている乳酸菌の中身と、殺菌タイプで期待できること・できないことを確かめます。


殺菌されていたら、乳酸菌の意味はないんですか。
「生きた菌が腸で働く」効果は期待できません。それ以外に何が言えるかを見ていきます。
3種類の乳酸菌の中身
公式ブランドサイトでは、ヨーグルッペのまろやかな風味は「3種類の乳酸菌」がつくると紹介されています。
ただし、菌の名前は公式サイトに出ていません。ネット上ではビフィズス菌・サーモフィルス菌・アシドフィルス菌の3種と紹介されることがありますが、どの菌であっても加熱殺菌のあとは生きていない点は変わりません。
どの乳酸菌でも、加熱殺菌されているんですね。
生きたまま届くことを期待する飲み物ではありません。
生きた菌の数の基準がない
日本乳業協会によると、乳製品乳酸菌飲料は無脂乳固形分3.0%以上で、乳酸菌の数が1mlあたり1,000万個以上のものです。
一方で殺菌タイプは、発酵したあと加熱して保存性を高めたものです。加熱で菌が死ぬため、生きた菌の数の基準は当てはまりません。ヨーグルッペが常温で120日もつのはこのためです。
常温で長くもつのは、加熱しているからなんですね。
そのぶん、生きた菌の数の基準は当てはまりません。
効果は確かめられていない
加熱して死んだ乳酸菌の働きを調べた研究は、食品メーカー各社で進められています。
ただし、ヨーグルッペの商品として、お腹の調子などへの効果を確かめたデータは、公式サイトでは公表されていません。特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品でもありません。
「便秘が治る」「免疫力が上がる」と書かれた情報は、ヨーグルッペで確かめた話ではないと受け取るのが正確です。
お腹に効く、というのは確かめられていないんですね。
トクホや機能性表示食品でもありません。
期待できるのはカルシウム
ヨーグルッペ1本(200ml)には、カルシウムが84mg入っています。
厚生労働省の食事摂取基準(2025年版)では、大人の1日の推奨量は男性750mg・女性650mg(30〜74歳)なので、1本でとれるのは1日分の1割強です。
カルシウムが目的なら、同じ200mlの牛乳で220mgとれて、糖分は約3分の1で済みます。
カルシウムが目的なら、牛乳のほうがいいんですね。
牛乳なら、カルシウムは約2.6倍で、糖分は約3分の1です。
乳酸菌が目的なら生菌タイプ
生きた乳酸菌をとりたいなら、冷蔵で売られている生菌タイプの乳酸菌飲料や、無糖のヨーグルトのほうが目的に合います。
無糖ヨーグルトなら、糖分をほとんど足さずに乳酸菌をとれます。ヨーグルッペは、甘酸っぱい味を楽しむ飲み物として選ぶのがよいでしょう。
同じ乳酸菌飲料の仲間は、ぐんぐんグルトの記事でも比べています。
ヨーグルッペは1日何本まで


ここまでで、ヨーグルッペで気にするべきなのは糖分だと分かりました。
では、1日に何本までなら目安に収まるのでしょうか。WHOの糖類の目安を使って、大人と子どもに分けて計算します。
あわせて、糖分を減らしながら楽しむ飲み方も紹介します。
毎日1本くらいなら平気でしょうか。
1本だけなら目安の内側です。ほかの甘いものと合わせて考える必要があります。
大人は1日1本が上限
WHOは、砂糖などの遊離糖類を成人で1日50g未満、できれば25g以下にするよう勧めています。
ヨーグルッペ1本の加えた砂糖類は約24gなので、より望ましい25gで考えると1日1本でほぼ上限です。2本飲むと約48gで、50gの目安もほぼ使い切ります。


子どもは半分の量で
WHOの目安は、子どもにも「1日のエネルギーの10%未満、できれば5%以下」とされています。
6〜7歳の子どもが1日にとるエネルギーは約1,450〜1,550kcal(日本人の食事摂取基準)で、5%は糖類約18〜19gです。ヨーグルッペ1本の約24gで超えてしまうため、子どもには半分の100mlずつにすると目安に収まります。
おやつにジュースやお菓子もとる日は、さらに少なめにしてください。
糖分を減らす飲み方
- 1本を2回に分けて飲む
- 牛乳と半分ずつ割る
- 食事のときに合わせる
- 甘いおやつの日は控える
牛乳と1対1で割ると、100mlずつで炭水化物は約18.5gになり、カルシウムは約150mgと1本のときの約1.8倍になります。
ダラダラ飲むより、食事と一緒に飲みきるほうが、虫歯の原因になる「口の中に糖がある時間」も短くなります。
ヨーグルッペのよくある質問


ここまでの数字をふまえて、ヨーグルッペについて多い疑問にまとめて答えます。
いずれもメーカーの公式表示と公的機関の資料にもとづいた回答です。
気になる質問だけ拾い読みしてください。
ヨーグルッペを毎日1本飲んでも大丈夫ですか
1本の加えた砂糖類は約24gで、WHOがより望ましいとする1日25g以下にほぼ収まります。
ただしお菓子やジュースもとる日は、合計で目安を超えやすくなります。
ヨーグルッペライトのほうが体にいいですか
100mlあたりの炭水化物は少ないものの、500mlボトルを飲みきると47.0gで、ヨーグルッペ200ml(27.4g)の約1.7倍です。
また甘味料のアセスルファムKが入ります。飲む量を決めて選んでください。
ヨーグルッペにはどんな効果がありますか
殺菌タイプのため、生きた乳酸菌がお腹で働く効果は期待できません。商品として効果を確かめたデータも公表されていません。
はっきり言えるのは、1本で1日に必要なカルシウムの1割強(84mg)がとれることです。
ヨーグルッペで便秘は治りますか
ヨーグルッペは殺菌タイプで、生きた乳酸菌は入っていません。
商品として便通への効果を確かめたデータも公表されていないため、便秘を治す目的で飲むものではありません。
牛乳の代わりに飲んでもいいですか
200mlあたりのカルシウムは牛乳220mgに対して84mgで、約4割です。
糖分は約2.9倍になるため、牛乳の代わりにはなりません。
子どもに飲ませてもいいですか
乳アレルギーがなければ飲めますが、6〜7歳の子どもの糖類の望ましい目安(約18〜19g)を1本で超えます。
100mlずつにするか、牛乳で割って飲ませるのがおすすめです。
ヨーグルッペに着色料は入っていますか
入っていません。淡い茶色は、発酵乳を熱処理したときに生まれる色だと公式サイトで説明されています。
ヨーグルッペについてのまとめ


ヨーグルッペが体に悪いのかを、公式表示と公的機関の資料で確かめてきました。
答えは「添加物より糖分。1日1本までなら目安の内側」です。
- 200ml 1本で120kcal・炭水化物27.4g
- 加えた砂糖類は約24gと推定
- ライト500mlは1本で糖分1.7倍
- ライトカルシウムのCaは元の半分以下
- 牛乳と比べて糖分約3倍・Ca約4割
- 殺菌タイプで生きた乳酸菌はゼロ
糖分を気にして「ライト」を選んでも、500mlを飲みきれば糖分はかえって増えるというのが、今回いちばんの発見でした。
名前より、1回に飲む量を見ればいいんですね。
そうです。200mlを1本、食事と一緒に。それがヨーグルッペとのちょうどいい付き合い方です。
次にヨーグルッペを手に取るときは、パッケージの「内容量」と「炭水化物」の2か所を見てみてください。1本でどれだけ糖分をとるかが、すぐに分かります。
乳製品のおやつでは、フルーチェの記事もあります。牛乳を入れた1人分は76kcalでプリンより糖が少ない一方、1袋を1人で食べると本体の糖質だけで40.0gになりました。






乳性の飲みものでは、牛乳に溶かして飲むミルメークも調べています。
ヨーグルトの名前がつくお菓子では、モロッコヨーグルの記事もあります。乳製品は使われておらず、1個のカロリーの約72%が脂質でした。
成分ラボでは身近な食品を、メーカーの公式表示と国の資料をつき合わせて1つずつ調べています。
乳酸菌飲料や、乳製品の記事もあわせてどうぞ。






本記事の栄養成分値と原材料はデーリィ南日本酪農協同の公式商品情報(2026年9月30日確認)、牛乳と飲むヨーグルトは文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」の値を200gに換算したものです。加えた砂糖類の量は非公表のため、無脂肪固形分3.0%から乳由来の糖を多めに見積もって差し引いた推定値です。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療に代わるものではありません。持病のある方や、お子さまの食事に不安がある方は、医師の指示を優先してください。








