トーストに塗るだけ、炒め物にかけるだけで「ガリバタ味」になると、テレビ番組やSNSで人気が広がったケンコーマヨネーズのガーリックバターソース。
一方で、「バターと油のかたまりだから体に悪い」「添加物が多くて毎日は心配」という口コミを耳にして、使う量を迷っている方もいるのではないでしょうか。
- カロリーと脂質が心配
- 添加物の多さが気になる
- 塩分の量を知りたい
- 手作りのほうが安心か迷う
そこで、メーカーの公式表示と国の食品成分データベースをもとに、有塩バターやマヨネーズと同じ10gで並べてみました。
結果、添加物を避けてバターで手作りすると、脂質は約2.7倍になることが分かりました。
バターで手作りしたほうが、体にいいと思っていました……。
ガーリックバターソースは、名前に反してバターより植物油が中心です。しかも水分を含んだ液状なので、同じ量なら脂質はバターの4割以下なんですよ。
- 大さじ1杯の栄養成分と原材料
- バター・マヨネーズとの比較
- 使う量ごとの塩分
- 添加物6つの役割
使う数字は、メーカーの公式表示と、国や公的機関の資料に限りました。
まずは、なぜ「体に悪い」と言われるのかから見ていきましょう。
ガーリックバターソースが体に悪いと言われる理由


ガーリックバターソースは、ケンコーマヨネーズがもともと業務用に作っていた液状のソースです。メーカーの発表によると、2019年のメディア放映をきっかけに売れ行きが急増し、2022年8月に累計400万本を突破しました。
「体に悪い」と言われる理由をたどると、4つに分かれました。数字で確かめられるものと、イメージが先行しているものが混ざっています。
人気の調味料なのに、悪い評判もあるんですね。
よく売れる商品ほど、気になる声も増えるものです。1つずつ数字で確かめていきましょう。
カロリーと脂質が高い
いちばん多いのが、「油が主成分だから太りそう」という声です。大さじ1杯15gで45kcal・脂質4.5gあり、調味料のなかでは高めの部類に入ります。
ただし、同じ量のバターやマヨネーズと比べると、脂質は半分以下でした。3章でくわしく比べます。
油が主成分だから、太りそうだと思っていました。
同じ量のバターやマヨネーズと比べると、脂質は半分以下なんです。3章で比べます。
バターより植物油が多い
原材料のいちばん最初に書かれているのは、バターではなく「食用植物油脂」です。名前から想像する中身と違うため、「本物のバターじゃない」とがっかりする声もあります。
植物油が中心なのは、冷えても固まらず、焦げにくくするための工夫です。原材料の中身は2章で確かめましょう。
バターより植物油のほうが多いんですね。
冷えても固まらず、焦げにくくするための工夫です。
添加物が6つ入っている
「添加物が多い」という声も目立ちました。原材料の「/」より後ろには、増粘剤や乳化剤など6つの添加物が並んでいます。
どれも国が使用を認めたもので、液状のソースを分離させずに保つ役割があります。それぞれの働きは5章で確かめましょう。
6つの添加物は、ソースを分離させないためなんですね。
どれも国が使用を認めたものです。5章で働きを確かめましょう。
味が濃く塩分が多い
岩塩を使っていて味がしっかりしているぶん、「塩分が多いのでは」と気にする人もいます。
じつはこれが、数字で確かめるとバターより多くなる唯一の項目でした。4章で、使う量ごとの塩分を計算します。
塩分だけは、バターより多いんですね。
数字で確かめると、バターより多くなる唯一の項目でした。
ガーリックバターソースの原材料と栄養成分


ここからは、ケンコーマヨネーズの業務用商品情報にある205gボトルの表示を見ていきます。通販などで一般向けにも売られているボトルです。
栄養成分を見ると、大さじ1杯のエネルギーのほとんどは脂質でした。一方で、原材料のいちばんはバターではなく植物油脂です。


バターは2番目なんですね。名前からは想像できませんでした。
原材料は多い順に書くきまりです。バターは「油脂加工品」の中の材料なので、全体に占める量はそれより少ないことになります。
大さじ1杯の栄養成分
| 栄養成分 | 大さじ1杯(15g) | 100gあたり |
|---|---|---|
| エネルギー | 45kcal | 297kcal |
| たんぱく質 | 0g | 0.2g |
| 脂質 | 4.5g | 30.0g |
| 炭水化物 | 1g | 6.6g |
| 食塩相当量 | 0.6g | 4.1g |
大さじ1杯の脂質4.5gは、食事摂取基準の脂質の目標量(2,000kcalの人で1日約44〜67g)の7〜10%にあたります。
100gあたりで見ると、脂質は30.0gです。有塩バターの81.0gと比べると4割に届きません。液状のソースなので、残りの多くは水分などと考えられます。
主原料はバターではなく植物油
| 区分 | ケンコーマヨネーズの表示 |
|---|---|
| 原材料(「/」の前) | 食用植物油脂、油脂加工品(食用植物油脂、バター)、岩塩、砂糖、香辛料 |
| 添加物(「/」の後ろ) | 増粘剤(加工デンプン、増粘多糖類)、調味料(アミノ酸等)、酸味料、香料、乳化剤、クチナシ色素 |
| アレルゲン | 乳成分・大豆 |
メーカーは、液状で加熱しても焦げにくく、冷蔵しても固まりにくいことを特徴にしています。固まるバターだけでは、この使いやすさは出せません。
開発担当者のコメントでも、「ガーリックとバターを混ぜる手間が不要」「冷えても固まらない」ことを追求したと説明しています。植物油が中心なのは、手抜きではなく使い勝手を優先した設計と言えるでしょう。
アレルゲンは乳と大豆
アレルゲンとして表示されているのは、乳成分と大豆の2つです。原材料の最後にも「一部に乳成分・大豆を含む」と書かれています。
ネット上には「大豆のアレルギー表示はない」と書いている記事もありますが、メーカーの表示とは食い違っています。大豆アレルギーのある方は、使う前に必ずボトルの表示を確かめてください。
ネットの情報とメーカーの表示が、食い違っていることもあるんですね。
大豆アレルギーのある方は、使う前に必ずボトルの表示を確かめてください。
ガーリックバターソースとバターの比較


「添加物が気になるなら、バターとにんにくで手作りしよう」と考える人もいるでしょう。実際に、そう勧めているサイトもあります。
そこで、有塩バター・マヨネーズ(全卵型)と、トーストに塗る量の10gで並べました。結果、有塩バターの脂質はガーリックバターソースの約2.7倍でした。


バターのほうが、ずっと脂質が多いんですね。
バターはほぼ脂肪のかたまりで、100gのうち81gが脂質です。にんにくを混ぜても、脂質はほとんど変わりません。
同じ10gで比べた脂質とカロリー
| 10gあたり | エネルギー | 脂質 | 食塩相当量 | 添加物 |
|---|---|---|---|---|
| ガーリックバターソース | 30kcal | 3.0g | 0.41g | 6つ |
| マヨネーズ(全卵型) | 67kcal | 7.6g | 0.19g | 商品による |
| 有塩バター | 70kcal | 8.1g | 0.19g | なし |
カロリーで見ても、有塩バターは70kcalでガーリックバターソースの約2.4倍です。マヨネーズもバターとほぼ同じ水準でした。
ガーリックバターソースの脂質が少ないのは、植物油と水分を乳化剤や増粘剤でまとめた、ドレッシングに近い作りだからです。
不安どおりに替えると損をする
「添加物は体に悪い」と考えて、ガーリックバターソースをバターの手作りに替えたとしましょう。
添加物はなくなりますが、同じ10gを塗れば脂質は3.0gから8.1gへ増え、カロリーも30kcalから70kcalになります。体重や脂質が気になって控えていた人ほど、損が大きくなりかねません。何を減らしたいのかを決めてから選ぶことが大切です。


塩分はソースのほうが多い
ただし、ガーリックバターソースが負ける項目もあります。10gあたりの食塩相当量は0.41gで、有塩バターの0.19gの約2.2倍でした。
岩塩でしっかり味をつけているぶん、塩分は多めです。脂質を減らしたい人はソース、塩分を減らしたい人はバターと、気にしているものによって答えが変わります。


ガーリックバターソースの塩分


次に、ガーリックバターソースの弱点である塩分を、使う量ごとに見ていきます。1回分の数字だけでは多いのか少ないのか分からないので、1日の目標量と比べました。
結果、大さじ1杯なら目標量の1割以下ですが、3杯使うと3割近くになりました。


大さじ3杯だと、けっこう多いんですね。
ガーリックバターソースは「びしゃがけ」という食べ方でも広まりました。かける量が増えるほど、塩分もそのぶん増えていきます。
大さじ1杯で目標量の約9%
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、食塩の1日の目標量を成人男性7.5g未満・成人女性6.5g未満としています。
大さじ1杯の食塩相当量0.6gは、男性の目標量の8%、女性の9%です。トーストに薄く塗る程度なら、1日の塩分を大きく押し上げる量ではありません。
トーストに薄く塗るくらいなら、気にしなくていいんですね。
1日の塩分を大きく押し上げる量ではありません。
びしゃがけは量に注意
問題は、使う量が増えたときです。大さじ2杯で1.2g、大さじ3杯で1.8gになり、女性なら目標量の約28%に達します。
令和6年の国民健康・栄養調査では、日本人が実際にとっている食塩は1日平均9.6gで、すでに目標量を超えています。ほかの料理の塩分に上乗せされることを考えると、1回大さじ1〜2杯までが目安になるでしょう。


塩分を増やさない使い方
ガーリックバターソースを使う料理では、塩やしょうゆを足さないのがいちばんの近道です。ソースだけで塩味がつくので、味見をしてから調整しましょう。
また、炒め物ならキャベツやきのこを多めにしてかさを増やすと、ソースの量を増やさなくても満足感が出ます。かけて使うときは、ボトルから直接ではなくスプーンで量るだけでも使いすぎを防げるはずです。
ソースを使うときは、塩やしょうゆを足さないのがコツなんですね。
野菜を多めにしてかさを増やすと、ソースを増やさなくても満足できます。
ガーリックバターソースの添加物


最後に、「体に悪い」と言われる理由の1つである添加物を見ていきます。原材料の「/」より後ろにある6つです。
それぞれの役割を調べると、どれも液状のソースを分離させず、香りと色を保つためのものでした。国の評価とあわせて確かめます。


6つと聞くと多く感じますが、ちゃんと役割があるんですね。
油と水分を混ぜたソースは、そのままだと時間がたつと分かれてしまいます。添加物の多くは、それを防ぐために入っているんですよ。
増粘剤はとろみと固まりにくさ
増粘剤として使われているのは、加工デンプンと増粘多糖類です。ソースにとろみをつけ、冷蔵しても固まりにくくする役割があります。
加工デンプンについて、食品安全委員会は評価した11種類すべてで、1日の許容量(ADI)を決める必要はないと結論づけています。ふつうの食事でとる量なら、心配するほどの毒性はないという意味です。
冷蔵しても固まりにくいのは、増粘剤のおかげなんですね。
加工デンプンは、許容量を決める必要はないと評価されています。
4つは役割名でまとめた表示
調味料(アミノ酸等)・酸味料・香料・乳化剤の4つは、「一括名」という表示です。国民生活センターによると、一括名で書いてよい添加物は14種類あり、役割が同じものをまとめて書けるきまりになっています。
つまり、中に入っている物質の名前までは表示からは分かりません。ただし、一括名で書けるのは国が使用を認めた添加物だけです。中身を詳しく知りたい場合は、メーカーのお客様相談窓口に問い合わせる方法があります。
「調味料(アミノ酸等)」は、役割の名前でまとめた書き方なんですね。
一括名で書ける添加物は14種類と決まっています。
クチナシ色素はバターの黄色
クチナシ色素は、アカネ科のクチナシの実からとった黄色の色素です。植物油が中心のソースに、バターらしい黄色をつけるために使われています。
天然物から作られる「既存添加物」として、厚生労働省が使用を認めているものの1つです。栗きんとんやたくあんの色づけにも昔から使われています。生鮮食品などに使ってはいけないという着色料共通のきまりはありますが、使ってよい量の上限は決められていません。
バターらしい黄色は、クチナシの実の色なんですね。
栗きんとんやたくあんにも昔から使われている色素です。
ガーリックバターソースのよくある質問


ここまでの数字をふまえて、ガーリックバターソースについて多い疑問にまとめて答えます。
いずれもメーカーの公式表示と、公的機関の資料にもとづいた回答です。
気になる質問だけ拾い読みしてください。
ガーリックバターソースは体に悪いですか
大さじ1杯15gで45kcal・脂質4.5g・食塩0.6gです。添加物は6つで、どれも国が使用を認めたものでした。
同じ10gで比べると、脂質はバターの4割以下です。大さじ1〜2杯程度の使い方なら、特別に体に悪い調味料ではありません。
1日にどのくらいまで使っていいですか
メーカーは量を決めていません。塩分で考えると、大さじ1杯で女性の1日の目標量の約9%、3杯で約28%になります。
ほかの料理の塩分もあるので、1回大さじ1〜2杯までを目安にして、塩やしょうゆを足さないようにしましょう。
ダイエット中に使っても太りませんか
大さじ1杯45kcalなので、使いすぎなければ太る原因になるほどではありません。同じ10gなら、バターの70kcalに対して30kcalです。
気をつけたいのは「びしゃがけ」で量が増えることと、ガリバタ味でごはんやパンが進むことです。スプーンで量ってから使いましょう。
バターとにんにくで手作りしたほうが体にいいですか
添加物は避けられますが、同じ10gなら脂質は3.0gから8.1gへ約2.7倍に増えます。カロリーも約2.4倍です。
一方、塩分はソースのほうが約2.2倍多くなります。脂質を減らしたいならソース、塩分を減らしたいなら無塩バターで手作り、と目的で選ぶのがおすすめです。
子どもに食べさせても大丈夫ですか
6つの添加物はどれも大人と同じ基準で使用が認められているもので、子ども向けの特別な制限はありません。
ただし、子どもは食塩の目標量が少なく、3〜5歳で1日3.5g未満です。大さじ1杯でその約17%になるので、大人より控えめに使いましょう。
開封後はどのくらい日持ちしますか
未開封の賞味期間は製造日から180日で、直射日光を避けて涼しい所で保存するよう表示されています。
開封後は冷蔵庫に入れ、早めに使い切りましょう。冷蔵しても固まりにくいので、そのまま使えます。
バターソースとガーリックバターソースの違いは何ですか
ケンコーマヨネーズには、にんにくの入らない「バターソース」もあります。ガーリックバターソースは、そこににんにくの風味をきかせた商品です。
栄養成分は商品ごとに違うので、もう一方を使うときはボトルの表示を確かめてください。
ガーリックバターソースは体に悪いかのまとめ


ガーリックバターソースは体に悪いのかを、メーカーの公式表示と国の資料で確かめてきました。
答えは「脂質は思ったより少なく、添加物も認められたものばかり。気をつけたいのは、使う量が増えたときの塩分」です。
- 大さじ1杯45kcal・脂質4.5g
- 主原料はバターより植物油
- 同じ10gで脂質はバターの4割以下
- 手作りにすると脂質2.7倍
- 塩分はバターの約2.2倍
- 添加物6つは使用が認められたもの
添加物を避けてバターで手作りすると、脂質は約2.7倍になるというのが、今回いちばんの発見でした。
脂質を減らしたいならソース、塩分が気になるなら量を控えめに、と使い分ければいいんですね。
そのとおりです。1回大さじ1〜2杯までにして、塩やしょうゆを足さない。これだけ覚えておいてください。
次にボトルを手に取ったら、裏の栄養成分の「脂質」と「食塩相当量」の欄を見比べてみてください。
成分ラボでは身近な食品を、メーカーの公式表示と国の資料をつき合わせて1つずつ調べています。
同じ「手作りや別のものに替えたらどうなるか」を調べた香味ペーストやヌテラの記事もあわせてどうぞ。






本記事のガーリックバターソースの原材料・アレルゲン・大さじ1杯あたりの栄養成分は、ケンコーマヨネーズ公式サイトの業務用商品情報(205g)の表示です。100gあたりの値は同社の業務用515g商品の販売店表示、有塩バター・マヨネーズ(全卵型)の値は文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」で、いずれも2026年10月5日に確認しました。10gあたりの値はこれらを換算したものです。食塩の目標量は厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」、平均摂取量は令和6年 国民健康・栄養調査の値です。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療に代わるものではありません。持病のある方や治療中の方、食物アレルギーのある方は、医師の指示と商品の表示を優先してください。



