アルコール0%で、カロリー・糖質・プリン体もゼロ。サントリーの「オールフリー」は、運転する日や休肝日(肝臓を休める日)に選ばれているノンアルコールビールです。
一方で、「オールフリーは添加物だらけで体に悪い」「甘味料やカラメル色素が心配」という声を耳にして、毎日飲んでいいのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
- 添加物が7種類も入っていて不安
- 甘味料のアセスルファムKが気になる
- カラメル色素は発がん性があると聞いた
- 添加物のない本物のビールのほうがいいか迷う
そこで、サントリー公式の商品情報と国の資料をもとに、オールフリーと、原材料が麦芽とホップだけのビール「ザ・プレミアム・モルツ」を350ml缶1本で並べてみました。
結果、添加物を避けてビールにすると、1缶で約165kcal・プリン体約41mg・純アルコール15.4gをとることが分かりました。
添加物がないビールのほうが、体にいいと思っていました……。
添加物の心配と、アルコールやカロリーの心配は別に考える必要があるんです。数字で順番に確かめていきましょう。
- 原材料と栄養成分
- ビール(プレミアム・モルツ)との比較
- カラメル色素と甘味料の評価
- 飲む量の目安
使う数字は、メーカーの公式表示と国や国際機関の資料に限りました。まずは、なぜ体に悪いと言われるのかから見ていきます。
オールフリーが体に悪いと言われる理由


オールフリーは、サントリーのノンアルコールビールテイスト飲料です。公式の商品情報では、アルコール分0%で、カロリー・糖質・プリン体も0と表示されています。
「体に悪い」と言われる理由をたどると、3つに分かれました。どれも「0」をつくるために使う添加物への心配です。
休肝日に、ビールの代わりによく飲んでいるんです。
だからこそ、心配の中身をはっきりさせておきたいですね。1つずつ見ていきましょう。
添加物が7種類入っている
オールフリーの原材料は麦芽とホップで、そこに炭酸・香料・酸味料・カラメル色素・ビタミンC・苦味料・甘味料の7種類の添加物が加わります。
ビールは麦芽を発酵させて味と香りを出しますが、オールフリーは発酵させずにアルコール0%にしています。そのぶん、ビールらしい味を添加物で整えているわけです。
名前が並ぶと、たくさん入っているように見えます。
役目を知ると、印象が変わりますよ。3章でくわしく見ます。
甘味料のアセスルファムKが心配
糖質0のまま味を整えるために、甘味料(アセスルファムK)が使われています。アセスルファムKは、いわゆる人工甘味料の1つです。2023年にWHO(世界保健機関)が「体重を減らす目的で砂糖の代わりの甘味料を使わないように」という指針を出したことで、気にする人が増えました。
ただ、この指針は甘味料を「危険」と決めたものではありません。くわしくは4章で確かめます。
ニュースで見て、気になっていました。
指針が何を言っているのかを、順番に確かめましょう。
カラメル色素に発がん性がある?
ビールらしい色をつけるのがカラメル色素です。参考にした記事では「一部のカラメル色素には発がん性物質の可能性が指摘されている」と書かれていました。
これは、カラメル色素の一部を作るときにできる物質の話です。オールフリーにどの種類のカラメル色素が使われているかは、表示からは分かりません。4章でくわしく見ます。
色をつけるだけなのに、そんな話があるんですね。
「どの種類の、どの物質の話か」を分けて見るのが大事です。
オールフリーの原材料と栄養成分


ここからは、サントリー公式の商品情報で、オールフリーの中身を見ていきます。
結果、100mlあたりのエネルギー・糖質・プリン体はすべて0でした。気をつけるのは数字ではなく、飲み方です。


本当に、ほとんど0なんですね。
アルコールも糖質もないので、数字の上ではほぼ水に近い飲み物です。
原材料は麦芽とホップ
| 項目 | オールフリー |
|---|---|
| 原材料 | 麦芽(外国製造)、ホップ |
| 添加物 | 炭酸、香料、酸味料、カラメル色素、ビタミンC、苦味料、甘味料(アセスルファムK) |
| アルコール分 | 0% |
| エネルギー | 0kcal |
| たんぱく質・脂質 | 0g |
| 糖質 | 0g |
| 食物繊維 | 0〜0.1g |
| 食塩相当量 | 0〜0.02g |
| プリン体 | 0mg |
原材料に麦芽が入っているので、麦のアレルギーがある人は注意が必要です。ビールと同じく、麦の風味はここから来ています。
カロリー・糖質・プリン体は0
エネルギー0kcal、糖質0g、プリン体0mgです。350ml缶を1本飲んでも、数字の上では体に入るものはほぼありません。
食物繊維と食塩相当量にだけ「0〜」と幅があり、350ml缶1本でも食塩は0.07g以下です。塩分を気にする必要はほとんどないでしょう。
カロリーを気にせず飲めるのはうれしいです。
ダイエット中の人にも、ビールの代わりに選びやすい数字ですね。
アルコールは0%
アルコール分は0%です。お酒を飲めない日でも、ビールのような気分を味わえるのがいちばんの特長です。
ただし、ノンアルコールでもビールらしい味なので、公式の商品情報も20歳以上の人が飲むことを想定したものになっています。
子どもには飲ませないほうがいいんですね。
そうなんです。ビールの代わりとして、大人が楽しむ飲み物と考えておきましょう。
添加物を避けてビールにすると


「添加物が気になるなら、本物のビールにすればいい」と考える人もいるでしょう。そこで、同じサントリーで原材料が麦芽とホップだけの「ザ・プレミアム・モルツ」と、公式の栄養成分一覧で350ml缶1本を並べてみました。
結果、カロリーは0から約165kcal、プリン体は0から約41mg、純アルコールは0から15.4gになりました。


添加物がないと、ほかの数字が全部増えるんですね。
ビールらしさを、添加物ではなくアルコールと麦の発酵で出しているからです。数字を見ていきましょう。
カロリーは1缶で約165kcal
| 350ml缶1本 | オールフリー | ザ・プレミアム・モルツ |
|---|---|---|
| 原材料 | 麦芽、ホップ+添加物7種類 | 麦芽、ホップ |
| エネルギー | 0kcal | 約165kcal |
| 糖質 | 0g | 約12.6g |
| プリン体 | 0mg | 約41mg |
| 純アルコール | 0g | 15.4g |
添加物を避けてプレミアム・モルツにすると、1缶で約165kcalになります。ごはん小盛り1杯(100g)と同じくらいのカロリーです。
プリン体は1缶で約41mg
プレミアム・モルツのプリン体は、100mlあたり約11.6mgです。350ml缶なら約41mgになります。
さらに厚生労働省のe-ヘルスネットによると、アルコールはプリン体の有無にかかわらず尿酸値を上げる働きがあります。尿酸値が気になる人には、プリン体もアルコールも0のオールフリーのほうが有利です。
プリン体だけじゃなく、アルコールそのものも関係するんですね。
そうなんです。「プリン体ゼロのビール」でも、アルコールの影響は残りますよ。
純アルコールは女性の目安の約8割


厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」では、生活習慣病のリスクを高める飲酒量を、1日の純アルコール量で男性40g以上・女性20g以上としています。
プレミアム・モルツ1缶の純アルコールは15.4gです。女性なら1缶で目安の約8割、2缶で超えます。添加物を避けるためにビールにすると、こちらの量が問題になります。
1缶でそんなに近づくなんて、知りませんでした。
アルコールを飲む日と飲まない日を分けて、飲まない日にオールフリーを使うのがおすすめです。
オールフリーのカラメル色素と甘味料


次は、「カラメル色素に発がん性がある」「アセスルファムKが心配」という不安を確かめます。添加物は7種類で、どれも国が使用を認めたものです。
結果、どちらも「すぐ危険」という評価ではなく、気になる場合は飲む量を決めればよいという内容でした。


7種類と聞くと、多く感じます。
名前が並ぶと多く見えますね。気になる2つから見ていきましょう。
カラメル色素は種類で話が違う
カラメル色素には、作り方の違う4つの種類(Ⅰ〜Ⅳ)があります。このうちⅢとⅣを作るときにできる「4-メチルイミダゾール」という物質を、国際がん研究機関(IARC)は2011年に「発がん性の可能性がある(グループ2B)」に分類しました。
ただし、カラメル色素そのものが2Bに分類されたわけではありません。食品の表示は「カラメル色素」とまとめて書くため、オールフリーにどの種類が使われているかは分かりません。日本では厚生労働省が使用を認めています。
カラメル色素がまるごと危ないわけではないんですね。
そうなんです。気になる人は、毎日何本も飲む習慣を避けるのが現実的ですね。
アセスルファムKの摂取目安
アセスルファムKは、1999年に国の審議にかけられた資料で、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)による1日に摂ってよい量の目安が体重1kgあたり15mgと示されています。体重60kgの大人なら、1日900mgまでが目安です。
オールフリー1缶に入っている量は公表されていません。ただ、甘味料はごく少ない量で甘さが出せるため、1日数本でこの目安に近づくことは考えにくいでしょう。甘味料の話は、コカコーラゼロの記事でもくわしく見ています。
目安の量が、ちゃんと決められているんですね。
そうなんです。WHOの2023年の指針も、この目安を変えたものではありません。
WHOの指針は体重管理の話
WHOの2023年の指針は、体重を減らす目的で、砂糖の代わりに甘味料を使わないようにという内容です。長く使っても体脂肪を減らす効果が見られなかった、というのが理由でした。
甘味料を「安全ではない」と判断したものではありません。オールフリーは甘い飲み物ではないので、「ビールの代わり」として飲むぶんには、この指針とは使い方が少し違います。
ダイエットのために甘い飲み物を甘味料入りに替える、という話なんですね。
そのとおりです。指針の対象をはっきりさせると、必要以上にこわがらずに済みますよ。
オールフリーの飲む量の目安


では、オールフリーとはどう付き合えばよいのでしょうか。答えは、1日1〜2本までにして、水やお茶も一緒に飲むことです。
数字の上ではほぼ0なので、気をつけるのは添加物を毎日たくさんとり続けないことと、飲む場面です。
0kcalだから、何本飲んでもいいと思っていました。
数字は0でも、飲み方を決めておくと安心ですよ。
1日1〜2本までにする
オールフリーに、1日に飲んでよい本数の決まりはありません。ただ、同じ添加物を毎日たくさんとり続けないという考え方で、1日1〜2本までを目安にするとよいでしょう。
炭酸が入っているので、たくさん飲むとおなかが張りやすくなります。食事と一緒に、ゆっくり飲むのがおすすめです。
1日1〜2本なら、守れそうです。
決めておけば、迷わずに済みますよ。
休肝日にビールの代わりに
いちばんよい使い方は、お酒を飲まない日に、ビールの代わりに飲むことです。1缶置き換えるだけで、約165kcalと純アルコール15.4gを減らせます。
ほかのノンアルコールビールでも考え方は同じです。「アルコールを飲む日」と「飲まない日」を分けることが、体にとって大事なポイントです。アサヒのノンアルはドライゼロの記事で調べています。
休肝日が続けやすくなりそうです。
そうなんです。オールフリーのよい面ですね。
運転前や妊娠中は表示を確かめて
アルコール0%なので、運転する日の食事でも選びやすい飲み物です。ただ、体調や薬との飲み合わせが気になる場合は、医師や薬剤師に相談してください。
妊娠中や授乳中の人は、ノンアルコールでもパッケージの表示を確かめてから選びましょう。甘味料入りのお酒が気になる人は、こだわり酒場のレモンサワーの記事も参考にしてください。
アルコール0%でも、表示を見る習慣をつけます。
それがいちばん確実ですね。
オールフリーのよくある質問


ここまでの数字をふまえて、オールフリーについて多い疑問にまとめて答えます。
気になる質問だけ拾い読みしてください。
オールフリーは体に悪いですか
特別に体に悪い飲み物ではありません。100mlあたりのエネルギー・糖質・プリン体は0で、アルコール分も0%です。
添加物は7種類で、どれも国が使用を認めたものです。1日1〜2本までを目安にするとよいでしょう。
カラメル色素は危険ですか
IARCが2011年に「発がん性の可能性がある(グループ2B)」に分類したのは、カラメル色素のⅢとⅣを作るときにできる4-メチルイミダゾールという物質です。
カラメル色素そのものの分類ではなく、オールフリーにどの種類が使われているかは表示からは分かりません。
アセスルファムKは体に悪いですか
JECFAが示す1日に摂ってよい量の目安は体重1kgあたり15mgで、体重60kgなら900mgです。
WHOの2023年の指針は、体重を減らす目的で甘味料を使わないようにという内容で、甘味料を危険と判断したものではありません。
ビールのほうが体にいいですか
添加物はありませんが、プレミアム・モルツ350ml缶1本で約165kcal・プリン体約41mg・純アルコール15.4gをとります。
女性の場合、1缶で厚生労働省の目安(純アルコール20g)の約8割になります。
毎日飲んでも大丈夫ですか
1日に飲んでよい本数の決まりはありませんが、同じ添加物を毎日たくさんとり続けないよう、1日1〜2本までを目安にするとよいでしょう。
炭酸でおなかが張りやすいので、食事と一緒にゆっくり飲むのがおすすめです。
痛風や尿酸値が気になる人も飲めますか
オールフリーのプリン体は0mgで、アルコールも0%です。アルコールはプリン体の有無にかかわらず尿酸値を上げるため、ビールより有利になります。
治療中の人は、医師の指示を優先してください。
オールフリーは体に悪いかのまとめ


オールフリーは体に悪いのかを、サントリー公式の商品情報と国や国際機関の資料で確かめてきました。
答えは「体に悪い飲み物ではない。1日1〜2本までにして、休肝日のビールの代わりに使う」です。
- カロリー・糖質・プリン体・アルコールは0
- 添加物は7種類で国が使用を認めたもの
- ビールにすると1缶約165kcal
- ビール1缶の純アルコールは15.4g
- カラメル色素の2Bは一部の物質の話
- 1日1〜2本までが目安
添加物を避けてビールにすると、1缶で約165kcal・プリン体約41mg・純アルコール15.4gをとるというのが、今回いちばんの発見でした。
「添加物なし=体にいい」とは限らないんですね。
そのとおりです。何を避けたいのかを決めて選ぶ。これがいちばん大事なポイントですよ。
次にオールフリーを飲むときは、その日がお酒を飲む日か、飲まない日かを考えてみてください。
お酒の量が気になる方は、ストロングゼロの記事もあわせてどうぞ。女性は350ml缶1本で、国が示す「生活習慣病のリスクを高める量」を超えることを確かめました。


成分ラボでは身近な食品を、メーカーの表示と国の資料をつき合わせて1つずつ調べています。ほかのノンアルコールや甘味料の記事も、あわせてどうぞ。






本記事の原材料と栄養成分は、サントリー公式の商品情報「オールフリー 350ml缶」と「ビール類の栄養成分一覧」の表示です(成分は100mlあたり・2026年10月10日確認)。350ml缶1本の値は、100mlあたりの値を3.5倍して計算しました。飲酒量の目安は厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」、アルコールと尿酸値の関係は厚生労働省e-ヘルスネット、アセスルファムKの摂取目安は厚生省の報道発表資料(1999年)に記載されたJECFAの評価、4-メチルイミダゾールの分類はIARC、甘味料の指針はWHOの発表によります。商品の中身は変わることがあるため、購入時はパッケージの表示を確かめてください。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療に代わるものではありません。痛風や高尿酸血症などで治療中の方や、妊娠中・授乳中の方は、医師の指示を優先してください。







