水で薄めて飲む「カルピス」と、そのまま飲める「カルピスウォーター」。甘ずっぱい味で、子どもの頃から飲んでいる方も多いのではないでしょうか。
一方で、「カルピスは砂糖がたっぷりで体に悪い」という話を耳にして、糖質オフの商品に替えようか迷っている方もいるかもしれません。
- 砂糖がどれくらい入っているか知りたい
- 子どもに毎日飲ませていいか迷う
- 乳酸菌で体にいいのか知りたい
- 糖質オフのほうがいいか迷う
そこで、アサヒ飲料公式の商品情報とWHO(世界保健機関)の資料をもとに、カルピスと「カルピス糖質60%オフ」を同じ量で並べてみました。
結果、砂糖を避けて糖質60%オフにすると、炭水化物は約3分の1になる代わりに甘味料が3種類入ることが分かりました。
糖質オフなら、それで安心だと思っていました……。
何が減って、何が入るのかを両方見ると判断しやすいんです。数字で順番に確かめていきましょう。
- 原液とカルピスウォーターの砂糖の量
- WHOの糖の目安と比べる
- 糖質60%オフとの比較
- 甘味料3種類の評価
使う数字は、メーカーの公式表示と国際機関の資料に限りました。まずは、なぜ体に悪いと言われるのかから見ていきます。
カルピスが体に悪いと言われる理由


カルピスは、乳を乳酸菌と酵母で発酵させて作る乳性の飲み物です。原液を水で薄めて飲むタイプと、薄めてあるカルピスウォーターがあります。
「体に悪い」と言われる理由をたどると、3つに分かれました。砂糖の多さ、果糖ぶどう糖液糖、そして飲みすぎです。
甘いので、たくさん飲んでしまいます。
おいしいので、そうなりますよね。量で見ていきましょう。
砂糖が多い
原液は甘さが強いので、砂糖がたっぷり入っているのではと心配する声があります。
実際に、原液470mlの炭水化物は合計すると約259gです。計算のしかたは、2章で紹介します。
259gと聞くと、すごく多く感じます。
1本を何日もかけて飲むので、1杯あたりで見ることも大切ですよ。
果糖ぶどう糖液糖が入っている
カルピスウォーターの原材料のいちばん最初は果糖ぶどう糖液糖です。この名前を見て、避けたくなる人も多いでしょう。
ただし、原液のカルピスに使われているのは砂糖で、果糖ぶどう糖液糖ではありません。商品によって甘さのもとが違うのです。
同じカルピスでも、違うんですね。
原材料の欄を見ると、すぐに分かりますよ。
飲みすぎてしまう
カルピスウォーターは500mlのペットボトルで売られていて、1本を一気に飲みやすい飲み物です。
1本でどれくらいの糖になるかを、WHOの糖の目安と比べて3章で確かめます。
暑い日は、1本すぐに飲んでしまいます。
そのときの量を知っておくと、飲み方を選べますよ。
カルピスの原材料と砂糖の量


ここからは、アサヒ飲料公式の商品情報で、「カルピス」プラスチックボトル470mlの中身を見ていきます。栄養成分は、原液20mlを水で薄めた100mlあたりで書かれています。
結果、薄めた100mlで熱量46kcal、炭水化物11gでした。原液1本では約259gになります。


100mlで11gなら、コップ1杯だとどれくらいですか。
200mlなら22gです。表で見てみましょう。
原液の原材料
| 項目 | 「カルピス」470ml |
|---|---|
| 原材料 | 乳(国内製造)、砂糖 |
| 添加物 | 香料、大豆多糖類 |
| アレルギー | 乳、大豆 |
| 薄め方 | 原液20ml+水80ml=100ml |
| 熱量(薄めた100ml) | 46kcal |
| 炭水化物(薄めた100ml) | 11g |
| たんぱく質(薄めた100ml) | 0.4g |
| 脂質(薄めた100ml) | 0g |
原材料は乳と砂糖が中心で、添加物は香料と大豆多糖類の2つだけでした。大豆多糖類は、カルピスウォーターの表示では「安定剤」として書かれている添加物です。
原液1本で炭水化物約259g
原液20mlで炭水化物11gなので、470mlは20mlの23.5杯分です。11g×23.5で、1本の炭水化物は約259gになります。
ただし、原液は水で5倍に薄めて飲むものです。1本で約2,350ml分のカルピスができるので、1杯ずつの量で考えることが大切です。
1本全部の数字は、びっくりしますね。
そうなんです。だから、1杯あたりで見るんですよ。
コップ1杯なら22g
| 飲む量(薄めたもの) | 熱量 | 炭水化物 |
|---|---|---|
| 100ml | 46kcal | 11g |
| コップ1杯(200ml) | 92kcal | 22g |
| 500ml | 230kcal | 55g |
コップ1杯200mlなら、炭水化物は22gです。濃いめに作ると、そのぶん砂糖も増えるので、原液と水は1対4を守るのがおすすめです。
カルピスウォーターの砂糖をWHOの目安と比べる


次は、そのまま飲めるカルピスウォーターを見ていきます。アサヒ飲料公式の商品情報では、100mlあたり熱量46kcal、炭水化物11gと、薄めたカルピスと同じでした。
結果、500ml1本で炭水化物は55gで、WHOが示す糖の目安50gを上回りました。


1本で、1日の目安を超えてしまうんですね。
目安の中身を、正しく確かめておきましょう。
1本で炭水化物55g
| 項目 | カルピスウォーター(100ml) | 1本(500ml) |
|---|---|---|
| 熱量 | 46kcal | 230kcal |
| 炭水化物 | 11g | 55g |
| 原材料 | 果糖ぶどう糖液糖、脱脂粉乳、乳酸菌飲料 | 同じ |
| 添加物 | 酸味料、香料、安定剤(大豆多糖類) | 同じ |
カルピスウォーター1本の炭水化物は55gです。炭水化物には乳の糖も少し含まれますが、ほとんどは果糖ぶどう糖液糖から来ていると考えられます。
WHOの目安は1日50g
WHOの「Healthy diet」では、砂糖などの遊離糖類を1日のエネルギーの10%未満にすることがすすめられています。1日2,000kcalの人なら、約50gです。
さらに5%(約25g)以下にすると、より望ましいとされています。カルピスウォーター1本は、どちらの目安も1本で上回る量です。
25gだと、コップ1杯ちょっとで届いてしまいますね。
そうなんです。毎日1本飲む習慣は、見直したいところですよ。
参考記事との違い
参考にした記事では、カルピスウォーターを「炭酸飲料」と書いていましたが、公式の分類は乳性・乳酸菌飲料で、炭酸は入っていません。炭酸入りは別の商品「カルピスソーダ」です。
また、WHOの目安を「1日25g未満が推奨」としていましたが、WHOがすすめているのは10%未満(約50g)で、25gは「さらに望ましい」目標です。原液も果糖ぶどう糖液糖と書かれていましたが、原液は砂糖でした。
細かいところまで、違っていたんですね。
公式の表示を見ると、こういう違いに気づけるんですよ。
カルピスの砂糖を避けて糖質60%オフにすると


「砂糖が心配なら、糖質オフの商品にすればいい」と考える人もいるでしょう。そこで、「カルピス糖質60%オフ」と、薄めた100mlで並べてみました。
結果、炭水化物は11gから3.8gへ約3分の1に減りましたが、甘味料が3種類入っていました。


糖は減るけれど、甘味料が入るんですね。
甘さを保つために、甘味料が使われているんです。表で確かめましょう。
炭水化物は約3分の1
| 薄めた100mlあたり | カルピス | カルピス糖質60%オフ |
|---|---|---|
| 熱量 | 46kcal | 16kcal |
| 炭水化物 | 11g | 3.8g |
| 食塩相当量 | 0〜0.03g | 0.04〜0.07g |
| 甘味料 | なし | アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、アセスルファムK、スクラロース |
糖質60%オフにすると、炭水化物は約3分の1に、熱量も約3分の1になります。糖を減らしたい人には、はっきり効果がある数字です。
甘味料が3種類入る
糖質60%オフの原材料には、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロースの3つの甘味料が書かれています。ほかに、酸味料と安定剤(ペクチン)、食塩も加わっていました。
つまり、砂糖を避けると、代わりに甘味料をとることになるのです。甘味料を避けたい人にとっては、糖質オフが答えにならない場合もあります。甘味料の入った乳酸菌飲料は、ぐんぐんグルトの記事でも比べています。
どっちを避けたいかで、選ぶ商品が変わりますね。
そのとおりです。自分が何を減らしたいかを先に決めるといいですよ。
糖類ゼロのウォーターもある
そのまま飲むタイプには、「カルピスウォーター糖類ゼロ」もあります。100mlあたりの熱量は0kcal、炭水化物は1.1gでした。
こちらも、甘味料(アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、アセスルファムK)と還元麦芽糖水飴が使われています。「ゼロ」の商品は、甘味料で甘さを出していると覚えておきましょう。
ゼロでも甘いのは、甘味料のおかげなんですね。
そうなんです。表示を見れば、何で甘くしているかが分かりますよ。
カルピスに使われる甘味料の安全性


最後に、糖質60%オフに入っている甘味料3種類が心配かどうかを確かめます。どれも、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)が1日の許容量を決めています。
結果、3種類とも、国際機関が体重1kgあたりの1日の許容量を示している甘味料でした。


許容量が決まっているなら、少し安心です。
1つずつ、中身を見ていきましょう。
アスパルテーム
WHOの2023年の発表で、JECFAはアスパルテームの1日の許容量を体重1kgあたり40mgのまま変える必要はないと結論づけました。
一方で、同じときに国際がん研究機関(IARC)は、「ヒトに対して発がん性がある可能性がある(グループ2B)」に分類しています。これは証拠が限られている段階の分類で、WHOは許容量の範囲なら安全に摂取できるとしています。
発がん性の話、ニュースで見ました。
分類の意味と許容量を、セットで知っておくと落ち着いて判断できますよ。
アセスルファムKとスクラロース
JECFAの評価では、アセスルファムKとスクラロースの1日の許容量は、どちらも体重1kgあたり15mgです。
ただし、商品にどれだけ入っているかは表示されていません。甘味料が心配な人は、糖質オフを毎日たくさん飲むより、ふつうのカルピスを薄めに作って量を減らす方法もあります。
薄めに作るのも、1つの方法なんですね。
そうなんです。原液を少なめにすれば、糖も甘味料も増やさずにすみますよ。
L-フェニルアラニン化合物の表示
原材料のアスパルテームの後には、「L-フェニルアラニン化合物」と書かれています。アスパルテームを使った食品に表示される決まりの言葉です。
アスパルテームは体の中でフェニルアラニンというアミノ酸になります。フェニルケトン尿症で、フェニルアラニンをとる量に制限がある人は、医師の指示に従ってください。ほかの甘い飲み物との比較は、ヨーグルッペの記事やリアルゴールドの記事にもまとめました。
表示には、ちゃんと意味があるんですね。
表示を読む習慣が、いちばんの味方になりますよ。
カルピスのよくある質問


ここまでの内容をふまえて、カルピスについて多い疑問にまとめて答えます。
気になる質問だけ拾い読みしてください。
カルピスには砂糖がどれくらい入っていますか
アサヒ飲料の表示では、原液20mlを薄めた100mlあたり炭水化物11gです。コップ1杯200mlなら22gになります。
原液470ml1本の炭水化物は、計算すると約259gです。
カルピスウォーター1本で糖はどれくらいですか
500ml1本で熱量230kcal、炭水化物55gです。
WHOは遊離糖類を1日のエネルギーの10%未満(2,000kcalの人で約50g)にすることをすすめていて、1本でこの目安を上回ります。
原液とカルピスウォーターで甘さのもとは違いますか
違います。原液の原材料は「乳、砂糖」で、カルピスウォーターは「果糖ぶどう糖液糖、脱脂粉乳、乳酸菌飲料」です。
100mlあたりの熱量と炭水化物は、どちらも46kcal・11gで同じでした。
糖質60%オフのほうが体にいいですか
糖を減らしたいなら効果があります。薄めた100mlの炭水化物は11gから3.8gへ、約3分の1になります。
ただし、アスパルテーム・アセスルファムK・スクラロースの3種類の甘味料が入っているので、甘味料を避けたい人には向きません。
甘味料は体に悪いですか
3種類とも、JECFAが1日の許容量を示しています。アスパルテームは体重1kgあたり40mg、アセスルファムKとスクラロースは15mgです。
アスパルテームはIARCで「発がん性がある可能性がある(グループ2B)」に分類されていますが、WHOは許容量の範囲なら安全に摂取できるとしています。
子どもに毎日飲ませても大丈夫ですか
コップ1杯200mlで炭水化物22gなので、毎日何杯も飲むと糖が多くなります。
原液と水を1対4で作り、1日1杯程度にして、ほかのおやつや甘い飲み物と重ねないようにすると安心です。
カルピスの砂糖の量のまとめ


カルピスの砂糖の量を、アサヒ飲料公式の商品情報とWHO・JECFAの資料で確かめてきました。
答えは「1杯なら22g。気をつけるのは飲む量で、糖質オフにするなら甘味料が入ることも知っておく」です。
- 薄めた100mlで炭水化物11g
- コップ1杯200mlで22g
- カルピスウォーター1本で55g
- 原液は砂糖、ウォーターは果糖ぶどう糖液糖
- 糖質60%オフは炭水化物約3分の1
- 代わりに甘味料が3種類入る
砂糖を避けて糖質60%オフにすると、炭水化物は約3分の1になる代わりに甘味料が3種類入るというのが、今回いちばんの発見でした。
何を減らしたいかを決めてから選ぶようにします。
そのとおりです。糖も甘味料も、量を知って選ぶ。これがいちばん大事なポイントですよ。
次にカルピスを作るときは、原液と水を1対4で計ってみてください。
乳製品の甘さが気になる方は、ブルガリアヨーグルトの記事もどうぞ。「低糖」には砂糖と甘味料が入り、プレーンより炭水化物が多いことを確かめました。


成分ラボでは身近な食品を、メーカーの表示と国や国際機関の資料をつき合わせて1つずつ調べています。ほかの飲み物の記事も、あわせてどうぞ。






本記事の原材料と栄養成分は、アサヒ飲料公式の商品情報「カルピス」プラスチックボトル470ml、「カルピス糖質60%オフ」、「カルピスウォーター」PET500ml、「カルピスウォーター糖類ゼロ」の表示です(2026年10月13日確認)。原液1本やコップ1杯の値は、希釈時100ml当たりの表示から計算しました。糖の目安はWHO「Healthy diet」、アスパルテームの評価はWHO「Aspartame hazard and risk assessment results released」(2023年)、アセスルファムKとスクラロースの許容量はJECFAの評価データベースによります。商品の中身は変わることがあるため、購入時はパッケージの表示を確かめてください。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療に代わるものではありません。糖尿病やフェニルケトン尿症などで食事の制限がある方、治療中の方は、医師の指示を優先してください。








