【検証】ピロ亜硫酸ナトリウムは危険?ワインの上限は1kgで0.35g、喘息の人は表示を見る

ピロ亜硫酸ナトリウムは危険?ワインの上限は1kgで0.35g、喘息の人は表示を見る、とワインとドライフルーツを前に話すナナとセイジのアイキャッチ

ワインのラベルや、ドライフルーツ・かんぴょうの原材料で見かける「亜硫酸塩」。そのなかまの1つが、ピロ亜硫酸ナトリウムです。

一方で、「ピロ亜硫酸ナトリウムは危険」「ワインの酸化防止剤は体に悪い」という話を耳にして、気にしたほうがいいのか迷っている方もいるかもしれません。

ピロ亜硫酸ナトリウムの疑問に答えます
  • ピロ亜硫酸ナトリウムが危険と言われる理由を知りたい
  • どの食品にどのくらい使えるのか気になる
  • 1日にどのくらいまでなら大丈夫か知りたい
  • 喘息がある人は気をつけたほうがよいか迷う

そこで、消費者庁の使用基準と表示のルール、食品安全委員会の評価書をつき合わせて調べています。

結果、ワインに残ってよい量は1kgあたり0.35g(二酸化硫黄として)、1日に摂ってよい量は体重50kgで35mgでした。喘息などで亜硫酸塩に敏感な人は、表示を見ることがすすめられています。

ワインの酸化防止剤、ずっと気になっていました……。

使える量と、1日に摂ってよい量の決まりがあるんです。順番に確かめていきましょう。

この記事で確かめること
  • ピロ亜硫酸ナトリウムとは何か
  • 食品ごとに残ってよい量の上限
  • 1日に摂ってよい量(ADI)
  • 敏感な人の表示の見方

使う数字は、国と国際機関の資料に限りました。まずは、危険と言われる理由から見ていきます。

目次

ピロ亜硫酸ナトリウムが危険と言われる理由

ピロ亜硫酸ナトリウムは名前がこわいだけか、危険と言われる3つの理由を確かめるナナのバナー

ピロ亜硫酸ナトリウムが「危険」と言われるのはなぜでしょうか。

理由をたどると、3つに分かれました。名前が化学物質らしく聞こえること、ワインなど身近な飲み物に使われていること、そして体質によって症状が出る人がいることです。

どれも、なんとなく気になっていたことです。

1つずつ、国の資料で確かめていきますね。

名前が化学物質らしく聞こえる

「ピロ亜硫酸ナトリウム」は、カタカナと漢字が並んだ、いかにも化学物質らしい名前です。

名前だけで、こわく感じやすいものです。2章で、どんな添加物なのかを見ます。

名前を見ただけで、身構えてしまいます。

名前の印象より、使い方の決まりを見ていきましょう。

身近な食品に使われている

ピロ亜硫酸ナトリウムなどの亜硫酸塩は、ワインなどの果実酒や乾燥果実、かんぴょうなどに使える添加物です。

毎日のように口にする方もいるので、どのくらいの量なら大丈夫かが気になるところです。3章と4章で確かめます。

ワインやドライフルーツに入っているんですね。

そうなんです。食品ごとに、使える量の決まりがありますよ。

体質によって症状が出る人がいる

食品安全委員会の評価書では、亜硫酸塩について主に喘息に関連したアレルギー反応の報告がまとめられています。

評価書で確かめた亜硫酸塩の3つのポイント:発がん性・体質による反応・国際機関の評価

そのため、敏感な体質の人は気をつけたい添加物です。5章で、表示の見方を紹介します。

体質によっては、気をつけたほうがいいんですね。

そうなんです。だからこそ、表示を見られるようにしておきましょう。

ピロ亜硫酸ナトリウムは亜硫酸塩のなかまの添加物

ピロ亜硫酸ナトリウムとは何か、亜硫酸塩のなかまの添加物だと説明するセイジのバナー

ピロ亜硫酸ナトリウムは、亜硫酸ナトリウム・次亜硫酸ナトリウム・二酸化硫黄・ピロ亜硫酸カリウムとともに、「亜硫酸塩等」としてまとめて扱われる添加物です。

食品安全委員会の評価書では、これらをまとめて「二酸化硫黄として」の量で評価しています。

なかまの添加物が、いくつもあるんですね。

そうなんです。だから量も「二酸化硫黄として」でそろえて決められているんですよ。

使う目的は3つ

消費者庁の「食品表示基準について」では、ピロ亜硫酸ナトリウムは保存料・酸化防止剤・漂白剤のどれかの目的で使われる添加物として並んでいます。

どの目的で使ったかは、表示に用途名として書かれる決まりです。くわしくは5章で見ます。

目的によって、呼び方が変わるんですね。

そのとおりです。表示を見れば、何のために使ったかが分かりますよ。

使ってはいけない食品もある

消費者庁の使用基準では、ピロ亜硫酸ナトリウムはごま・豆類・野菜には使ってはならないと決められています。

使える食品と使えない食品が、はっきり分けられているのです。添加物の決まりについては、ミョウバンの記事でも紹介しています。

使ってはいけない食品まで決まっているんですね。

そうなんです。決まりの中で使われている添加物なんですよ。

食品ごとに残ってよい量の上限が決まっている

どこまで使えるか、食品ごとに残ってよい量の上限があることを3段の台で表したバナー

では、どの食品にどのくらい残ってよいのでしょうか。消費者庁の使用基準で確かめました。

結果、かんぴょうは1kgあたり5.0g、乾燥果実は2.0g、果実酒(ワインなど)は0.35g(いずれも二酸化硫黄として)が上限でした。

ピロ亜硫酸ナトリウムの使用基準:二酸化硫黄として残ってよい量の上限

食品ごとに、上限がかなりちがうんですね。

そうなんです。食品の種類や食べる量に合わせて決められているんですよ。

主な食品の上限

食品(1kgあたり)残ってよい量の上限(二酸化硫黄として)
かんぴょう5.0g未満
乾燥果実(干しぶどうを除く)2.0g未満
干しぶどう1.5g未満
コンニャク粉0.90g未満
果実酒・雑酒0.35g未満
その他の食品0.030g未満
出典:消費者庁「食品添加物の使用基準」(ピロ亜硫酸ナトリウムの項・2026年10月21日確認)

「その他の食品」は1kgあたり0.030gと、ずっと少ない量です。決められた食品以外では、ほとんど残らないように使う決まりです。

その他の食品は、ずいぶん少ないんですね。

そうですね。多く使えるのは、決められた食品だけなんですよ。

ワインは1kgあたり0.35g

ワインなどの果実酒は、1kgあたり0.35g未満です。ワインの1mLを1gとすると、1Lで0.35g(350mg)未満ということになります。

これは「残ってよい量の上限」です。実際に残っている量は、商品ごとにちがいます。

上限と、実際の量はちがうんですね。

そのとおりです。上限いっぱい入っているとは限らないんですよ。

1日に摂ってよい量は体重50kgで35mg

1日どのくらいまでか、体重50kgで35mgと天びんで表したナナのバナー

では、1日にどのくらいまでなら摂ってよいのでしょうか。食品安全委員会の評価書で、国際機関の評価を確かめました。

JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)は、二酸化硫黄と亜硫酸塩のなかまをまとめて、1日に摂ってよい量(ADI)を体重1kgあたり0〜0.7mg(二酸化硫黄として)としていました。

亜硫酸塩のADIを体重30・50・60kgで計算した量

体重50kgなら、1日35mgまでなんですね。

そうなんです。体重が軽い子どもは、そのぶん少なくなりますよ。

上限いっぱいで計算すると

食べる量(上限いっぱい残っていた場合)二酸化硫黄として
ワイン 125mL最大 約44mg
干しぶどう 30g最大 45mg
体重50kgのADI(1日)35mg
出典:消費者庁「食品添加物の使用基準」、食品安全委員会「添加物評価書 亜硫酸塩等」から計算(ワインは1mL=1gとして計算)
使用基準の上限いっぱい残っていたと仮定した最大量とADIの比較

上限いっぱい残っていたと仮定すると、ワイン125mLや干しぶどう30gで、体重50kgのADIをこえる計算になります。

ただし、これは上限の値で計算した「最大」です。評価書では、JECFAが1998年に行った摂取量の推計で、各国の使用基準の最高量を使った場合はADIを下回ったと紹介されています。

最大で計算すると、意外と多いんですね。

そうですね。ただ、実際に残っている量は商品ごとにちがうので、計算はあくまで「最大」ですよ。

毎日たくさん食べる場合は量に注意

ADIは、毎日一生食べ続けても健康に影響が出ないとされる量の目安です。1日だけ少しこえても、すぐに問題になるという意味ではありません。

それでも、ワインやドライフルーツを毎日たくさん口にする方は、量を決めておくと安心です。

毎日の量を決めておけばいいんですね。

そのとおりです。いろいろな食品を組み合わせるのが、いちばんの対策ですよ。

喘息など敏感な人は表示の「亜硫酸塩」を見る

何を見ればよいか、表示の亜硫酸塩を確かめるセイジのバナー

食品安全委員会の評価書によると、JECFAは1986年の会合で、亜硫酸塩に敏感な人を守るために、適切な表示をすすめるとしていました。

敏感な体質の人にとっては、表示を見て選ぶことが大切です。

ピロ亜硫酸ナトリウムの表示は用途名と一緒に書かれる

表示を見れば、入っているかどうか分かるんですね。

そうなんです。表示の書き方を知っておきましょう。

用途名と一緒に書かれる

消費者庁の「食品表示基準について」では、保存料・酸化防止剤・漂白剤などに使った添加物は、物質名と用途名を一緒に書く決まりです。

ピロ亜硫酸ナトリウムは、「亜硫酸塩」というまとめた呼び名も使えるため、「酸化防止剤(亜硫酸塩)」のように書かれることがあります。

「亜硫酸塩」という言葉を探せばいいんですね。

そのとおりです。一括名で書く添加物とのちがいは、pH調整剤の記事でも見ていますよ。

症状が気になるときは医師に

ワインやドライフルーツを食べたあとに、体調の変化が出たことがある方は、自己判断せずに医師に相談しましょう。

喘息がある方は、表示を確かめて選ぶのが確実です。ほかの添加物の扱いは、くん液の記事でも紹介しています。

体質のことは、お医者さんに相談するのが安心ですね。

そうなんです。気になる症状があれば、早めに相談してくださいね。

ピロ亜硫酸ナトリウムのよくある質問

ワインは大丈夫かなど、ピロ亜硫酸ナトリウムの6つの疑問に答えるナナのバナー

ここまでの内容をふまえて、ピロ亜硫酸ナトリウムについて多い疑問にまとめて答えます。

気になる質問だけ拾い読みしてください。

ピロ亜硫酸ナトリウムは危険ですか

国が使用基準を決めて使用を認めている添加物で、食品ごとに残ってよい量の上限があります。ただし、喘息など亜硫酸塩に敏感な人では症状の報告があるため、表示を確かめることがすすめられています。

ワインにはどのくらい入っていますか

果実酒に残ってよい量の上限は、二酸化硫黄として1kgあたり0.35g未満です。実際の量は商品ごとにちがいます。

1日にどのくらいまでなら大丈夫ですか

JECFAのADIは、二酸化硫黄として体重1kgあたり0〜0.7mgです。体重50kgの人なら1日35mgになります。

ドライフルーツにも入っていますか

乾燥果実(干しぶどうを除く)は1kgあたり2.0g未満、干しぶどうは1.5g未満まで残ってよいとされています。原材料表示で確かめましょう。

表示ではどう書かれますか

使う目的に合わせて、「酸化防止剤(亜硫酸塩)」「漂白剤(亜硫酸塩)」のように、用途名と一緒に書かれることがあります。

喘息があっても飲んでいいですか

亜硫酸塩に関するアレルギー反応として、主に喘息に関連した反応が報告されています。喘息がある方は表示を確かめ、気になる症状があれば医師に相談してください。

ピロ亜硫酸ナトリウムは危険かのまとめ

量の決まりがあると分かり、上限と表示を知って選ぶナナとセイジのまとめのバナー

ピロ亜硫酸ナトリウムは危険なのかを、国の使用基準と評価書で確かめてきました。

答えは「食品ごとに残ってよい量の上限が決まった添加物で、ワインは1kgあたり0.35g未満。1日に摂ってよい量は体重50kgで35mg。喘息など敏感な人は、表示の『亜硫酸塩』を確かめる」です。

この記事のポイント
  • 亜硫酸塩のなかまの添加物
  • ごま・豆類・野菜には使ってはならない
  • ワインの上限は1kgあたり0.35g未満
  • ADIは体重50kgで1日35mg
  • 上限での計算は「最大」で実際の量とはちがう
  • 敏感な人は表示の「亜硫酸塩」を見る

ワインの上限は1kgあたり0.35g、ADIは体重50kgで35mg。敏感な人は表示を見るというのが、今回いちばん大事な点でした。

量の決まりがあると分かって、少し安心しました。

そのとおりです。名前のこわさより、上限と表示を知る。これがいちばん大きなポイントですよ。

次にワインやドライフルーツを買うときは、ラベルの「亜硫酸塩」の表示を見てみてください。

果物に使う添加物では、防ばい剤の記事もあわせてどうぞ。防かび剤は、ばら売りの果物でも表示が必要な添加物です。

成分ラボでは身近な添加物を、国の資料をつき合わせて1つずつ調べています。ほかの添加物の記事も、あわせてどうぞ。

数値についての注記

本記事の残ってよい量の上限は消費者庁「食品添加物の使用基準」(ピロ亜硫酸ナトリウムの項)、ADIとヒトでの知見は食品安全委員会「添加物評価書 亜硫酸塩等」(案・2022年10月)に記載されたJECFAの評価、表示のルールは消費者庁「食品表示基準について」によります(2026年10月21日確認)。体重ごとの量や食べる量ごとの最大量は、これらの値から計算しました。

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療に代わるものではありません。持病のある方や食事制限をしている方は、医師の指示を優先してください。

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