料理にすぐ使えて便利な、チューブ入りの「おろし生にんにく」。皮をむいたりすりおろしたりする手間がなく、冷蔵庫に1本置いている家庭も多いでしょう。
一方で、「にんにくチューブは添加物が多くて体に悪い」「生のにんにくを使ったほうがいい」という話を耳にして、使い続けてよいか迷っている方もいるかもしれません。
- 添加物が何のために入っているか知りたい
- 生のにんにくと何がちがうか気になる
- 毎日の料理に使っても大丈夫か知りたい
- メーカーによるちがいを知りたい
そこで、エスビー食品とハウス食品の公式の商品情報と、文部科学省の食品成分表、厚生労働省の食事摂取基準をつき合わせて調べています。
結果、生のにんにくとカロリーはほぼ同じで、ちがうのは食塩。1本(43g)使いきると食塩は約3gでした。気にするなら、添加物より食塩のほうです。
添加物ばかり気にしていて、塩は見ていませんでした……。
表示を見ると、塩が入っているのが分かるんです。順番に確かめていきましょう。
- にんにくチューブの原材料と栄養成分
- 生のにんにくとの比べ方
- 食塩と1日の目標量
- メーカーごとの添加物のちがい
使う数字は、メーカーの公式表示と国の資料に限りました。まずは、なぜ体に悪いと言われるのかから見ていきます。
にんにくチューブが体に悪いと言われる理由


にんにくチューブは、すりおろしたにんにくに食塩などを加えて、チューブにつめた調味料です。冷蔵庫で保存しながら、少しずつ使えます。
「体に悪い」と言われる理由をたどると、3つに分かれました。添加物が多いこと、塩が入っていること、そして生と比べて不安なことです。
どれも、なんとなく気になっていました。
1つずつ、公式の表示と国の資料で確かめていきましょう。
添加物がいくつも入っている
原材料の「/」より後ろには、ソルビット、セルロース、酸味料、増粘剤、香料など、添加物がいくつも並んでいます。
数が多いと不安になりますが、どれも国が使用を認めた食品添加物です。5章でメーカーごとに見比べます。
名前がたくさん並んでいると、気になりますね。
そうですね。1つずつ見れば、何のための物か分かりますよ。
塩が入っている
原材料には食塩も入っています。生のにんにくには、食塩は入っていません。
どのくらい入っているかは、3章と4章で計算します。実は、ここがいちばん気にしたいところでした。
にんにくに塩が入っているとは、知りませんでした。
原材料の3番目に書いてあるんです。表示を見ると分かりますよ。
生のにんにくと比べて不安
「チューブより生のにんにくのほうが体にいい」と考える方もいます。手作りのほうが安心というイメージがあるためです。
ところが、栄養成分で比べると、カロリーはほぼ同じでした。3章でくわしく比べます。
生とチューブで、栄養はそんなに変わらないんですね。
そうなんです。ちがいは、ある1つの成分なんですよ。
にんにくチューブの原材料と栄養成分


にんにくチューブの中身を、エスビー食品の「おろし生にんにく」(43g)の公式の商品情報で確かめました。
結果、10gあたり14kcal、食塩相当量0.7gでした。中身の7%が食塩ということになります。


10gのうち0.7gが塩なんですね。
そうなんです。1本使うと、けっこうな量になりますよ。
10gで14kcal
| 10gあたり | おろし生にんにく(エスビー食品) |
|---|---|
| エネルギー | 14kcal |
| たんぱく質 | 0.4g |
| 脂質 | 0g |
| 炭水化物 | 3.2g |
| 食塩相当量 | 0.7g |
料理に使う量は少しなので、カロリーはほとんど気にしなくてよい量です。食塩のほうは、量が積み重なります。
原材料はにんにくと食塩
食品の原材料は、にんにく(中国)、にんにく加工品、食塩の3つで、にんにくは中国産です。添加物はソルビット、セルロース、酸味料、増粘剤(キサンタン)、香料の5つでした。
ソルビットは、ソルビトールとも呼ばれる糖アルコールです。くわしくはソルビトールの記事で、国際機関の評価を確かめました。
ソルビットは、ほかの食品にも入っているんですね。
そうなんです。漬物やお菓子にもよく使われていますよ。
1本43gで食塩約3g
1本は43gです。10gあたり0.7gなので、1本使いきると食塩は約3.0gになります。
もちろん、1本を一度に使うことはありません。ただ、毎日の料理で少しずつ使うと、合計はふえていくことを覚えておきましょう。
少しずつでも、合計すると多くなるんですね。
そのとおりです。調味料の塩分は、積み重ねで考えましょう。
生のにんにくと比べるとちがうのは食塩


次に、文部科学省の食品成分表の生のにんにくと、10gで比べました。
結果、カロリーはチューブ14kcal、生12.9kcalでほぼ同じ。食塩はチューブ0.7g、生0gでした。


ちがうのは、本当に塩だけなんですね。
そうなんです。カロリーで選ぶ必要はほとんどありませんよ。
10gで比べると
| 10gあたり | チューブ(エスビー食品) | 生のにんにく |
|---|---|---|
| エネルギー | 14kcal | 12.9kcal |
| 炭水化物 | 3.2g | 2.75g |
| 食塩相当量 | 0.7g | 0g |
チューブには食塩が加えられているので、同じ量を使えば、生にはない塩分がふえることになります。ちがいは食塩だけと覚えておきましょう。
生のにんにくは食塩0g
生のにんにくには、食塩は含まれていません。塩分をおさえたいなら、生のにんにくを使うのが確実です。
ただし、生は皮をむいてすりおろす手間がかかります。手間と塩分のどちらを優先するかで選ぶとよいでしょう。
忙しい日はチューブ、ゆとりがある日は生、でもいいですね。
そうですね。使い分けるのも1つの方法ですよ。
チューブは使う量を決めやすい
チューブは、しぼる長さで量を調節できるのが利点で、少しだけ使いたいときに便利です。
入れすぎると食塩もふえるので、レシピの量を守って使うようにしましょう。
目分量で多めに入れてしまいがちです。
そうなんです。最初は少なめに入れて、味をみて足しましょう。
食塩は1本で女性の目標量の約46%


では、この食塩は多いのでしょうか。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の目標量と比べました。
結果、食塩の目標量は男性7.5g未満・女性6.5g未満で、1本(43g)の約3.0gは女性の目標量の約46%でした。


1本で半分近くになるんですね。
そうなんです。ただ、ふだん使う量はもっと少ないですよ。
食塩の目標量は女性6.5g未満
| 使う量 | 食塩相当量 | 女性の目標量6.5gに対して |
|---|---|---|
| 10g | 0.7g | 約1割 |
| 約20g(半分) | 1.4g | 約2割 |
| 1本(43g) | 約3.0g | 約46% |
10g使っても、女性の目標量の約1割です。ほかの調味料の塩分とあわせて考えましょう。
ほかの調味料とあわせて考える
にんにくを使う料理では、しょうゆや塩、バターなどほかの調味料もいっしょに使うことがよくあります。
チューブを使った日は、ほかの調味料を少し控えると、塩分を調節できます。にんにくを使ったソースについては、ガーリックバターソースの記事でも確かめました。
調味料は、まとめて考えるんですね。
そのとおりです。1つだけで判断しないことが大事ですよ。
漬物などの塩分も合わせて
食塩は、漬物や加工食品からも多くとっています。調味料だけでなく、食べる物全体で考えましょう。
ソルビットを使った漬物の例は、カリカリ梅の記事で塩分とあわせて調べました。1日の合計で目標量におさめるのがポイントです。
1日の合計で考えるんですね。
そうなんです。毎日の積み重ねで考えましょう。
メーカーで添加物の数はちがう


最後に、添加物の数を2社で比べました。エスビー食品とハウス食品の「おろし生にんにく」(どちらも43g)です。
結果、添加物はエスビー食品が5つ、ハウス食品が8つでした。


同じにんにくチューブでも、数がちがうんですね。
そうなんです。メーカーごとに作り方がちがうんですよ。
エスビー食品は5つ
エスビー食品の添加物は、ソルビット、セルロース、酸味料、増粘剤(キサンタン)、香料の5つです。
食品の原材料はにんにく、にんにく加工品、食塩だけで、シンプルな作りでした。
5つなら、思ったより少ないですね。
そうですね。原材料の欄で確かめられますよ。
ハウス食品は8つ
ハウス食品の添加物は、ソルビトール、増粘剤(加工デンプン)、調味料(アミノ酸等)、セルロース、酸味料、安定剤(キサンタンガム)、香辛料抽出物、香料の8つです。
食品の原材料には、でんぷんや植物油脂も使われていました。味やなめらかさの調え方が、メーカーによってちがうことが分かります。
調味料(アミノ酸等)が入っているのは、ハウス食品のほうなんですね。
そうなんです。うま味を足したいかどうかで、選んでもいいですね。
原材料の「/」より後ろを見比べる
添加物が気になる方は、原材料の「/」より後ろを見比べてみましょう。そこに書かれているのが添加物です。
ただ、添加物の数より、使う量の食塩のほうが体への影響は大きいと考えておくと、落ち着いて選べます。
「/」の後ろを見ればいいんですね。
そのとおりです。覚えておくと、ほかの食品でも使えますよ。
にんにくチューブのよくある質問


ここまでの内容をふまえて、にんにくチューブについて多い疑問にまとめて答えます。
気になる質問だけ拾い読みしてください。
にんにくチューブは体に悪いですか
添加物はどれも国が使用を認めたものです。気をつけたいのは食塩で、エスビー食品の「おろし生にんにく」は10gで0.7g、1本(43g)で約3.0gになります。
生のにんにくとどちらが体にいいですか
10gで比べると、カロリーはチューブ14kcal、生12.9kcalでほぼ同じでした。ちがいは食塩で、生のにんにくは0gです。塩分をおさえたいなら生が確実でしょう。
にんにくチューブの添加物は何ですか
エスビー食品はソルビット、セルロース、酸味料、増粘剤(キサンタン)、香料の5つでした。ハウス食品は調味料(アミノ酸等)などを含む8つでした。
毎日使っても大丈夫ですか
10g使っても食塩は0.7gで、女性の目標量6.5g未満の約1割です。ほかの調味料とあわせて、1日の塩分の合計で考えましょう。
ソルビットは体に悪いですか
ソルビット(ソルビトール)は、国際機関が1日の許容量を「特定しない」としている甘味のある成分で、一度にたくさんとるとお腹がゆるくなることがあります。ただ、にんにくチューブで使う量ならわずかです。
開けたあとはどのくらいもちますか
エスビー食品の賞味期間は開封前で13か月とされています。開けたあとは、パッケージの表示にしたがって冷蔵庫で保存し、早めに使いきりましょう。
にんにくチューブは体に悪いかのまとめ


にんにくチューブは体に悪いのかを、メーカーの公式表示と国の資料で確かめてきました。
答えは「添加物はどれも国が認めたもの。生のにんにくとカロリーはほぼ同じで、ちがうのは食塩。1本使いきると約3gになるので、使う量を決める」です。
- 10gで14kcal・食塩0.7g
- 中身の7%が食塩
- 生のにんにくとカロリーはほぼ同じ
- 1本43gで食塩約3.0g
- 女性の目標量6.5gの約46%
- 添加物はメーカーで5つと8つ
気にするなら添加物より食塩。1本使いきると約3gというのが、今回いちばんの発見でした。
添加物より、塩の量を見ればいいんですね。
そのとおりです。名前でこわがらず、量で考える。これがいちばん大きなポイントですよ。
次ににんにくチューブを使うときは、レシピの量を守って、ほかの調味料の塩分も少し控えてみてください。
塩分の多い食品では、梅ねりの記事もどうぞ。100gあたりの食塩はポテトチップスの16倍で、半分ずつ分けて食べるのがおすすめでした。




調味料の量の目安では、べんりで酢の記事もどうぞ。大さじではかって使い、漬け汁を残すと、糖と塩分をおさえられます。
成分ラボでは身近な食品や添加物を、国の資料をつき合わせて1つずつ調べています。ほかの調味料や添加物の記事も、あわせてどうぞ。






本記事のにんにくチューブの栄養成分と原材料はエスビー食品「おろし生にんにく」(43g)の商品情報、ハウス食品の原材料は同社「おろし生にんにく」(43g)の商品情報、生のにんにくは文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)」、食塩の目標量は厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によります(2026年10月19日確認)。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療に代わるものではありません。塩分の制限を受けている方は、医師の指示を優先してください。







