【比較】マルシンハンバーグは体に悪い?添加物5つと脂質を検証

マルシンハンバーグは体に悪いのかを脂質と添加物から検証する記事のアイキャッチ画像

冷蔵庫から出して焼くだけ。1962年の発売からずっと棚にある、マルシンハンバーグ。

手軽さで何度も助けられている一方で、「体に悪い」という評判を耳にして手が止まった方もいるはずです。

とくに添加物5つと脂質12.4gの2つは、検索すると強い言葉が並びます。

子どものお弁当に入れてるんですけど、大丈夫なんでしょうか。

不安の中身によって答えが変わります。まず分けて考えましょう。

マルシンハンバーグでこんなお悩みありませんか
  • 原材料に並ぶ添加物の名前が気になる
  • 脂質が多そうで太らないか心配
  • 加工肉は発がん性があると聞いた
  • 肉が少なくて大豆で増やしているのではと疑っている

そこで、公式の表示と公的な資料を突き合わせて計算し直しました。

結果は、どちらか一方には振れませんでした。

1袋なら、ふつうのハンバーグ1個ぶんとほぼ同じです。ただし同じ100gに揃えると、マルシンのほうが濃くなります。

マルシンハンバーグ1袋70gと合いびきハンバーグ100gのエネルギー・脂質・食塩相当量を並べて比べた図

えっ、思っていたより軽いんですね。

1袋が70gと小さいからです。数字はこのあと全部出します。

この記事で確かめること
  • 脂質12.4gは1日のどれくらいにあたるのか
  • 添加物5つはそれぞれ何のために入っているのか
  • 加工肉の発がん性はマルシンに当てはまるのか
  • 毎日食べ続けてよいのか

使う数字は、マルシンフーズ公式の栄養成分表示と文部科学省の食品成分データベース、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」、そしてWHO(世界保健機関)の資料です。

読み終わるころには、買うのをやめるべきか食べ方を変えるべきかが判断できます。

では、なぜ「体に悪い」と言われるのかから見ていきます。

目次

マルシンハンバーグが体に悪い理由

4つの不安のうち根拠があるのは1つだけと伝えるセイジとナナのバナー

マルシンハンバーグは、株式会社マルシンフーズが1962年から販売しているチルドハンバーグです。

60年以上売れ続けている定番でありながら、検索すると「体に悪い」「やばい」という言葉が並びます。

理由をたどると4つに分かれ、それぞれ根拠の強さがまるで違いました。

全部ひとまとめに「危ない」と言われている気がします。

中身は別々の話です。強いものと弱いものを分けましょう。

添加物5つへの不安

いちばん多いのが、原材料表示の後半に並ぶ添加物です。

マルシンハンバーグに入っているのは、調味料(アミノ酸等)・pH調整剤・糊料(加工でん粉)・グリシン・乳化剤の5つです。

  • 聞いたことがない名前が並んでいて正体が分からない
  • 体の中に溜まっていくのではないか
  • 子どもに毎日食べさせて平気なのか
  • 5つも入っているのは多いほうなのか

この不安には、名前が怖いだけのものと、量を見るべきものが混ざっています。

グリシンは、エビやカニの甘みの成分です。6章でひとつずつ分解します。

1袋12.4gの脂質

2つ目は脂質です。1袋70gで12.4gと表示されています。

ハンバーグは焼くと脂が出るので、見た目の印象も不安を後押しします。

フライパンにけっこう脂が残るんですよね。

その脂は元から入っていたものです。ただ、量の評価には比べる相手が要ります。

12.4gという数字は、単独では多いとも少ないとも言えません。1日の目標量と、ほかのハンバーグの両方に並べて初めて意味が出ます。

加工肉という分類

3つ目が、いちばん強い言葉で語られている不安です。

2015年にWHOの専門機関IARC(国際がん研究機関)が、加工肉を発がん性の「グループ1」に分類したというニュースが広く知られました。

たばこやアスベストと同じ区分だと紹介されたため、加工食品のハンバーグもそこに入るのではないかと心配されています。

たばこと同じって聞くと、さすがに怖いです。

その受け取り方をWHO自身が否定しています。7章でまとめて扱います。

粒状植物性たん白への疑問

4つ目は、原材料に「粒状植物性たん白」と書かれていることです。

肉の量を減らして大豆で増やしているのではないか、という疑いにつながっています。

ここは、食品表示のルールを知っていれば表示だけで判断がつきます。

見方があるんですか。

原材料は重さの多い順に書く決まりです。5章で1行ずつ読みます。

普通のハンバーグとのカロリー比較

1袋70gで比べると普通のハンバーグと同じと伝えるバナー

マルシンハンバーグの栄養成分は、公式サイトに1袋70gあたりの数値が出ています。

ただ、その数字だけを見ても多いか少ないかは分かりません。比べる相手を置いて初めて評価できます。

ここでは文部科学省の食品成分データベースに載っている「合いびきハンバーグ」を相手にしました。国が公表している値なので、メーカーの都合が入りません。

ふつうのハンバーグと比べられるんですね。

しかも2通りの比べ方があって、答えが逆になります。

1袋70gのカロリーと数値

まず公式の表示をそのまま書き出します。

項目1袋(70g)あたり
エネルギー172kcal
たんぱく質8.3g
脂質12.4g
炭水化物6.8g
食塩相当量1.0g
出典:マルシンフーズ公式サイトの栄養成分表示
項目1袋70g
エネルギー172kcal
たんぱく質8.3g
脂質12.4g
炭水化物6.8g
食塩相当量1.0g
出典:マルシンフーズ公式サイト

脂質12.4gは、1袋172kcalのうち111kcal分にあたります。この意味は3章で詳しく扱います。

この表だけを見ているかぎり、突出した数字は見当たりません。

100gに換算した結果

次に、合いびきハンバーグと同じ土俵に乗せるため100gあたりに直します。

70gの表示値を1.43倍すると、次のようになりました。

項目マルシンハンバーグ
100g換算
合いびきハンバーグ
100g
差
エネルギー246kcal197kcal約1.25倍
たんぱく質11.9g13.4gやや少ない
脂質17.7g12.2g約1.45倍
炭水化物9.7g10.0gほぼ同じ
食塩相当量1.43g0.9g約1.6倍
出典:マルシンフーズ公式表示(70gから換算)/文部科学省 食品成分データベース「合いびきハンバーグ」(18050)
項目マルシン
100g
合いびき
100g
エネルギー246kcal197kcal
たんぱく質11.9g13.4g
脂質17.7g12.2g
食塩相当量1.43g0.9g
出典:マルシンフーズ公式表示/食品成分データベース
マルシンハンバーグと合いびきハンバーグを同じ100gに換算して比べた棒グラフ

同じ重さで比べると、脂質は約1.45倍、食塩は約1.6倍でした。

やっぱり濃いんじゃないですか。

ここだけ見るとそうなります。でも、100g食べるわけではありません。

実際に食べる量での比較

マルシンハンバーグは1袋70gです。一方、食品成分データベースの値は100gあたりです。

実際に食卓に出る1食分で並べ直すと、順位が入れ替わります。

項目マルシンハンバーグ
1袋70g
合いびきハンバーグ
100g
エネルギー172kcal197kcal
脂質12.4g12.2g
食塩相当量1.0g0.9g
たんぱく質8.3g13.4g
エネルギーは25kcal少なく、脂質の差は0.2g、食塩の差は0.1g
項目マルシン
1袋70g
合いびき
100g
エネルギー172kcal197kcal
脂質12.4g12.2g
食塩相当量1.0g0.9g
たんぱく質8.3g13.4g
1食分ではほぼ並ぶ

カロリーはむしろ25kcal低く、脂質と食塩の差は0.1〜0.2gでした。

ただし、たんぱく質だけは5.1g少なくなっています。小さいぶん、とれる栄養も少ないということです。

「1袋なら普通のハンバーグ1個ぶん」。これが今回の結論の土台になります。

味が濃いと感じる理由

マルシンハンバーグを食べて「味が濃い」「脂っこい」と感じたことがあるなら、その感覚は正確です。

100gあたりで見れば実際に濃いからです。

2つの見方は矛盾していない
  • グラムあたりの濃さ = マルシンのほうが上
  • 1食で口に入る総量 = ほぼ同じ
  • 濃いものを少なく食べている状態
  • だから「濃い」と「重くない」が両立する

小さくて濃いという設計は、ご飯のおかずとしては理にかなっています。

少量で満足できるってことですね。

そのとおりです。問題は、濃いものを2袋3袋と重ねたときに起きます。

脂質12.4gの本当の多さ

1袋のカロリーの65%が脂質だと伝えるフライパン付きのバナー

4つの不安のうち、実際に数字として意味があるのが脂質です。

ただし「多い」と言うときには、何に対して多いのかをはっきりさせる必要があります。

1日の目標量に対する割合と、カロリーに占める割合。この2つを出すと、マルシンハンバーグの本当の性格が見えてきました。

割合で見ると違うんですか。

ええ。ここがこの記事でいちばん大事な数字です。

1日の目標量に占める割合

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、脂質の目標量は総エネルギーの20〜30%とされています。

1日2,000kcalの人なら、44〜67gが目安です。

成分1袋70g1日の目安占める割合
エネルギー172kcal2,000kcal約9%
脂質12.4g44〜67g約19〜28%
食塩相当量1.0g7.5g未満約13%
たんぱく質8.3g65g約13%
成人男性の目安に対する割合。食塩とたんぱく質は食事摂取基準2025年版の値
成分1袋70g占める割合
エネルギー172kcal約9%
脂質12.4g約19〜28%
食塩相当量1.0g約13%
たんぱく質8.3g約13%
成人男性の1日の目安に対する割合
マルシンハンバーグ1袋が1日の目安に占める割合をエネルギー・脂質・食塩・たんぱく質で示した図

注目すべきは、カロリーは1日の約9%なのに、脂質だけが最大28%という偏りです。

カロリーは軽いのに、脂質だけが重い。ここがマルシンハンバーグの性格だと覚えてください。

脂質エネルギー比65%の意味

この偏りは、別の計算でもっとはっきり出ます。

脂質は1gで9kcalあります。12.4g×9kcal=111.6kcalなので、172kcalのうち約65%が脂質由来という計算です。

マルシンハンバーグの脂質エネルギー比65%を合いびきハンバーグ56%と1日の目標20〜30%と比べた図

食事摂取基準の目標は20〜30%ですから、単体で見れば倍以上になります。

やっぱり体に悪いじゃないですか。

ところが、合いびきハンバーグも56%なんです。

つまりこれは商品の問題ではなく、ハンバーグという料理そのものの性格です。ひき肉には脂が入っていて、それが焼き上がりのジューシーさを作っています。

脂質の少ないハンバーグを選ぶという話ではなく、1食全体で調整するほうが現実的です。

油を引かずに焼ける理由

マルシンハンバーグには、脂質を増やさずに済む特徴があります。

公式サイトには「マルシン独自の油脂コーティング製法」とあり、油を引かずにフライパンでも電子レンジでも調理できると書かれています。

  • フライパンに油を引く必要がない
  • 電子レンジでも調理できる
  • 焼くと自分の脂で表面が仕上がる

家庭でハンバーグを焼くときは、たいていサラダ油を小さじ1杯ほど使います。これだけで脂質が約4g増えます。

油を足さずに焼けるぶん、実際の差はさらに縮まります。

脂質を増やさない食べ方

脂質を減らしたいなら、ハンバーグ本体ではなく周りを変えてください。

今日からできる3つ
  • フライパンに油を引かない(公式が推奨)
  • 焼いたあとキッチンペーパーで余分な脂を取る
  • マヨネーズやバターを添えない
  • 付け合わせをポテトフライからサラダに替える

とくに最後の1つは効果が大きく、フライドポテトを100g添えると脂質が10.6g増えます(食品成分データベース)。ハンバーグ1袋の12.4gに迫る量です。

ハンバーグより付け合わせだったんですね。

主役ばかり見て、周りを見落とすのはよくある話です。

食塩相当量1.0gの位置づけ

ハンバーグより塩分が多いのはソースと汁物だと伝えるバナー

脂質の次に気にされるのが塩分です。マルシンハンバーグ1袋の食塩相当量は1.0gと表示されています。

この1.0gという数字は、単体では判断できません。日本人がすでにどれだけとっているかを知って初めて意味が出ます。

そして塩分については、ハンバーグ単体より一緒に食べるもののほうが問題になります。

ハンバーグだけ気にしていました。

ご飯・味噌汁・漬物。このセットが本番です。

1日の目標量との比較

食事摂取基準(2025年版)が示す食塩の目標量は、成人男性7.5g未満・成人女性6.5g未満です。

1袋1.0gなら、男性で約13%、女性で約15%にあたります。

対象1日の目標量1袋1.0gの割合
成人男性7.5g未満約13%
成人女性6.5g未満約15%
高血圧・腎臓病の重症化予防6.0g未満約17%
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
対象目標量1袋の割合
成人男性7.5g未満約13%
成人女性6.5g未満約15%
重症化予防6.0g未満約17%
出典:食事摂取基準(2025年版)

おかず1品としては、とくに多くも少なくもない標準的な量です。

日本人の平均9.6gとの関係

ここで押さえておきたい数字があります。

厚生労働省の令和6年 国民健康・栄養調査によると、20歳以上の食塩摂取量は平均9.6gでした。男性10.5g、女性8.9gです。

すでに目標を超えている

目標量は男性7.5g未満・女性6.5g未満。それに対して実際の平均は9.6g。つまり多くの人は、何も足さなくてもすでに2〜3g超えている状態から1日が始まっています。

この前提で見ると、1袋1.0gの評価は変わります。

「1.0gだから平気」ではなく、「すでに超えている中に1.0gを足す」という見方が正確です。

減らすなら、ハンバーグを抜くより先にやることがあります。

合わせる主食と汁物

マルシンハンバーグを食べる場面を思い浮かべてください。ハンバーグだけで食事を終える人はまずいません。

よくある組み合わせの塩分を足すと、こうなります。

献立食塩相当量
マルシンハンバーグ 1袋1.0g
ご飯 茶碗1杯0g
みそ汁 1杯(みそ12g)約1.5g
ウスターソース 小さじ1(6g)約0.5g
合計約3.0g
みそは淡色辛みそ100gあたり12.4g、ウスターソースは100gあたり8.5gから計算(文部科学省 食品成分データベース)
献立食塩
ハンバーグ1袋1.0g
みそ汁1杯(みそ12g)約1.5g
ソース小さじ1約0.5g
合計約3.0g
出典:食品成分データベースの値から計算

1食で3.0gなら、1日3食で9gを超えます。平均9.6gという調査結果とちょうど重なります。

ハンバーグより、みそ汁とソースのほうが多いんですね。

そうです。ここを見ずにハンバーグだけ我慢しても、数字はほとんど動きません。

塩分を足さない食べ方

マルシンハンバーグはもともと味がついていて、そのままでも食べられる商品です。

だからこそ、塩分を減らす余地は大きく残っています。

効く順に並べた4つ
  • ウスターソースをかけない
  • みそ汁を具だくさんにして汁の量を減らす
  • 同じ食事に漬物を出さない
  • 付け合わせに味をつけず素材のまま添える

小さじ1杯のウスターソースをやめるだけで約0.5gです。ハンバーグ1袋の半分にあたる量が、かけないという選択だけで動きます。

商品を替えるより、周りを整えるほうが効く。塩分ではこれが原則です。

原材料表示から分かる中身

原材料は重さの多い順で1番目が肉だったと伝えるバナー

「肉が少なくて大豆で増やしているのでは」という疑いは、表示を読めば確かめられます。

食品表示法では、原材料を重量の多い順に書く決まりになっているからです。つまり並び順そのものが情報になります。

マルシンハンバーグの原材料表示を、先頭から順に読んでみましょう。

順番に意味があるなんて知りませんでした。

これを知ると、どの商品でも裏面が読めるようになります。

重量順で1番目は食肉

公式サイトに記載されている原材料名は次のとおりです。

原材料名(公式表示)

食肉等(鶏肉(国産)、豚肉、牛肉、豚脂肪)、たまねぎ、つなぎ(パン粉、でん粉、粉末状植物性たん白)、食用油脂、粒状植物性たん白、粗ゼラチン、食塩、トマトケチャップ、チキンエキス調味料、砂糖、香辛料、香味調味料、醸造酢、コラーゲンパウダー/調味料(アミノ酸等)、pH調整剤、糊料(加工でん粉)、グリシン、乳化剤、(一部に乳成分・小麦・牛肉・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)

先頭にあるのは「食肉等」です。重量順のルールから、いちばん多く入っているのは肉だと分かります。

鶏肉は国産と明記されており、豚肉・牛肉・豚脂肪が続きます。

大豆で増量しているなら、植物性たん白が先頭に来るはずです。来ていません。

つなぎの3つの役割

3番目にあるのが「つなぎ(パン粉、でん粉、粉末状植物性たん白)」です。

つなぎは手作りハンバーグにも必ず入るもので、家庭ではパン粉と卵がその役割をしています。

  • ひき肉をまとめて形をくずれにくくする
  • 肉汁を抱え込んで固くなるのを防ぐ
  • 焼き縮みを小さくする

工業製品だから入っているのではなく、ハンバーグという料理に必要だから入っています。

家で作るときもパン粉を入れますもんね。

同じです。違うのは卵の代わりに植物性たん白を使っている点だけです。

粒状植物性たん白の正体

5番目にある「粒状植物性たん白」は、大豆などのたんぱく質を繊維状にして肉のような食感に加工した素材です。

ソイミートや大豆ミートと呼ばれるものと同じ系統で、肉を薄めるためではなく食感を作るために使われています。

原材料の位置名前役割
1番目食肉等(鶏肉・豚肉・牛肉・豚脂肪)主原料
2番目たまねぎ甘みと水分
3番目つなぎ(パン粉・でん粉・粉末状植物性たん白)形をまとめる
4番目食用油脂ジューシーさ
5番目粒状植物性たん白肉に近い食感
原材料は重量の多い順に表示される(食品表示法)
順番名前
1番目食肉等
2番目たまねぎ
3番目つなぎ
4番目食用油脂
5番目粒状植物性たん白
重量の多い順に表示される

たんぱく質が8.3gとれるのは、肉と大豆たんぱくの両方が入っているためです。

スラッシュ以降の読み方

原材料名の途中に「/」が入っているのに気づいたでしょうか。

このスラッシュには意味があります。手前が食品の原材料、後ろが添加物という区切りです。

区分中身数
スラッシュの前食肉等からコラーゲンパウダーまで14種類
スラッシュの後調味料(アミノ酸等)から乳化剤まで5種類
スラッシュ以降が添加物。こちらも重量の多い順に並ぶ
区分数
スラッシュの前(食品)14種類
スラッシュの後(添加物)5種類
スラッシュ以降が添加物

添加物は5つ。しかも重量順の最後のほうに並んでいるので、量としてはごくわずかです。

一番下ということは、少ないってことですね。

そうです。では、その5つが何なのかを見ていきます。

添加物5つの正体

添加物は5つだけで保存料も着色料も使われていないと伝えるバナー

マルシンハンバーグに使われている添加物は5種類です。

保存料・着色料・発色剤・香料は使われていません。ハムやソーセージによく入っている亜硝酸ナトリウムも入っていません。

残る5つについて、何のために入っているのか、公的機関がどう評価しているのかを1つずつ確認します。

名前だけだと全部同じに見えます。

役割も評価もそれぞれ違うので、分けて見れば怖さはかなり減るはずです。

調味料アミノ酸等

1つ目は調味料(アミノ酸等)です。いわゆるうま味調味料で、中心になるのはグルタミン酸ナトリウムです。

昆布のうま味成分であるグルタミン酸を、水に溶けやすい形にしたものにあたります。

FAO(国連食糧農業機関)とWHOの合同専門家会議であるJECFAは、グルタミン酸とその塩類についてADI(1日摂取許容量)を「特定しない」と評価しました(日本食品化学研究振興財団の一覧)。

「特定しない」は、量の上限を決める必要がないほど問題が見当たらないという意味です。

この評価の詳しい背景はウエイパーの記事で扱っているので、気になる方はそちらもどうぞ。

pH調整剤

2つ目はpH調整剤です。食品の酸性・アルカリ性の度合いを調整して、細菌が増えにくい状態を保ちます。

クエン酸や乳酸など、レモンやヨーグルトにも含まれる成分が使われます。

気になるのは「何が入っているか書かれていない」点だと思います。これは一括名表示という制度によるものです。

一括名で書ける添加物は14種類
  • pH調整剤・乳化剤・調味料・香料・酸味料など14種類が対象
  • 複数を組み合わせて使うことが多く個別表示の必要性が低いと整理されている
  • 消費者の関心が高い8種類は用途名を併記する決まり
  • 隠しているのではなく制度として認められた書き方

制度の詳細は国民生活センターの解説が分かりやすくまとまっています。

糊料(加工でん粉)

3つ目の糊料(加工でん粉)は、でん粉に手を加えて、水を抱え込む力やとろみを強くしたものです。

ハンバーグでは、加熱しても水分が逃げずにやわらかさが残るように働きます。

食品安全委員会は加工デンプン11種類について評価を行い、「一日摂取許容量(ADI)を特定する必要はない」と結論づけました(食品安全委員会 添加物評価書)。

でん粉って、片栗粉みたいなものですか。

もとは同じです。水に溶けやすくしたり、冷めても固まりにくく改良してあります。

グリシン

4つ目のグリシンは、5つの中でいちばん名前が怖がられているかもしれません。

正体は、たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸のうちの1つです。

食品安全委員会のグリシンの評価書には、次のような記載があります。

評価書に書かれているグリシンの姿
  • 体内で作れる非必須アミノ酸のひとつ
  • 腱コラーゲンの27.2%、絹糸フィブロインの43.6%を占める
  • イカ・エビ・カニの呈味成分といわれている
  • 過剰なぶんは代謝され、体内に蓄積されない
  • 食品添加物としての使用が認められ、使用基準は定められていない

つまりエビやカニの甘みの成分で、体の中でも作られているものです。

「蓄積が心配」という指摘をよく見かけますが、評価書は蓄積されないと書いています。

乳化剤

5つ目の乳化剤は、本来混ざらない水と油をなじませる働きをします。

マヨネーズの卵黄、豆腐や豆乳に含まれる大豆レシチンも、同じ仕組みで働く身近な乳化剤です。

ハンバーグでは、肉の脂と水分が分離してパサつくのを防ぐために使われています。

マヨネーズと同じ理屈なんですね。

ええ。pH調整剤と同じく一括名表示の対象です。

加工肉と発がん性の誤解

WHOの資料では加工肉の分類はたばこと同じではないと伝えるバナー

4つの不安のうち、いちばん強い言葉で語られているのがこれです。

2015年にIARC(国際がん研究機関)が加工肉を「グループ1」に分類したというニュースは、世界中で大きく報じられました。

ただ、このニュースは伝わる過程で意味が変わってしまった代表例でもあります。WHO自身が誤解を正すQ&Aを出しているので、そこに沿って整理します。

たばこと同じって聞きました。

その受け取り方が、まさにWHOが否定しているものです。

IARCグループ1の意味

WHOのQ&Aには、はっきりとこう書かれています。

WHOの回答(要約)

加工肉はたばこやアスベストと同じグループ1に分類されているが、それらがすべて同じ危険度だという意味ではない。IARCの分類は、ある物質ががんの原因であるという「科学的証拠の強さ」を示すものであり、リスクの大きさを評価したものではない。

グループ1は「がんを起こすことが確実」という証拠の強さの区分です。どれくらい危ないかは、まったく別の話になります。

実際の数字を並べると差は歴然としています。

IARCのグループ1が証拠の強さの分類であることを加工肉とたばこのがん死者数で示した図

加工肉の多い食事に起因するがん死は世界で年間約34,000人。たばこは約100万人です。

加工肉の定義

次に、そもそもマルシンハンバーグが「加工肉」に当てはまるのかを確認します。

WHOのQ&Aによる定義は、塩蔵・キュアリング・発酵・燻製などの加工によって、風味や保存性を高めた肉です。

分類代表例
加工肉として例示されているものハム、ソーセージ、ベーコン、コンビーフ、ビーフジャーキー
例示されていないものひき肉を成形しただけのハンバーグやミートボール
出典:WHO「赤肉・加工肉の発がん性に関するQ&A」
分類例
例示されているハム・ソーセージ・ベーコン
例示されていない成形しただけのハンバーグ
出典:WHOのQ&A

ハンバーグはこの定義の代表例には挙げられていません。マルシンハンバーグにも、ハムやベーコンに使われる発色剤(亜硝酸ナトリウム)は入っていません。

じゃあ関係ないってことですか。

言い切るのは避けます。WHOは肉を使った調理品も含むと書いており、白黒は割り切れません。

1日50gで18%の読み方

WHOは数字も示しています。加工肉を毎日50g食べると、大腸がんのリスクが約18%高まるというものです。

この18%は相対リスクです。もともとのリスクが18%になるわけではありません。

  1. もともと100人のうち5人がなる病気があるとする
  2. リスクが18%上がると、5人が5.9人になる
  3. 増えるのは0.9人で、全体の0.9%にあたる

「18%増」と聞いたときの印象と、実際の増え方はかなり違います。

%が何にかかっているか。健康の記事を読むときはここだけ確認してください。

たばこと同じという誤り

ここまでを整理すると、よく見かける説明のどこがずれているのかが見えてきます。

よく見る説明実際
グループ1=たばこ並みに危険グループは証拠の強さの分類で危険度ではない
加工肉だから発がん性があるハンバーグは加工肉の代表例に挙げられていない
1日50gで18%も発がんする18%は相対リスク。絶対的な増加は1%未満
加工食品は避けるべき量と頻度を見るほうが現実的
WHOのQ&Aをもとに整理
よく見る説明実際
たばこ並みに危険証拠の強さの分類
加工肉だから危ないハンバーグは代表例にない
18%も発がん相対リスクで実際は1%未満
WHOのQ&Aをもとに整理

マルシンハンバーグを避ける理由として、加工肉の発がん性を持ち出すのは無理があります。

気にするなら、7章までに見てきた脂質と塩分のほうがずっと現実的です。

怖い話ほど、確かめたほうがいいんですね。

強い言葉ほど出どころを見る。それだけで判断はかなり正確になります。

マルシンハンバーグのよくある質問

毎日でも大丈夫かなどよくある6つの質問に回答すると伝えるバナー

ここまでで数字の話は終わりです。最後に、実際に買うときや食べるときに迷いやすい点をまとめました。

どれも公式の表示と公的な資料の範囲で答えています。

持病があって食事制限を受けている場合は、必ず主治医や管理栄養士の指示を優先してください。

マルシンハンバーグ1個のカロリーはどれくらいですか

1袋70gで172kcalです。家庭の合いびきハンバーグ100g(197kcal)より25kcal少なくなります。

ただし100gに換算すると246kcalで、同じ重さなら家庭のハンバーグの約1.25倍になります。

毎日食べても大丈夫ですか

1袋なら、栄養面で大きな問題が起きる量ではありません。エネルギーは1日の約9%、食塩は約13%です。

ただし脂質は最大で28%を使います。毎日続けるなら、同じ日の揚げ物やマヨネーズを控えるだけで釣り合いが取れます。

気をつけるべきは1袋そのものより、ソースや付け合わせなど周りに足すもののほうです。

子どもに食べさせても平気ですか

添加物5つはいずれも公的機関の評価を受けたもので、子どもだから避けるべきという根拠は見当たりません。

注意が必要なのは塩分です。子どもの食塩の目標量は大人より少なく、食事摂取基準(2025年版)では3〜5歳で男女とも1日3.5g未満とされています。

1袋1.0gは、この年齢では1日の約29%にあたります。半分に切って、ソースをかけない出し方がおすすめです。

焼かずにそのまま食べられますか

マルシンハンバーグは加熱調理済みの商品なので、そのままでも食べられます。

ただし公式が想定しているのはフライパンまたは電子レンジでの調理です。油脂コーティング製法により、油を引かなくても調理できます。

温めたほうが脂が溶けて風味が立つので、おいしさの面でも加熱をおすすめします。

賞味期限が切れたら食べられませんか

賞味期限は「おいしく食べられる期限」で、消費期限とは意味が違います。過ぎた瞬間に食べられなくなるものではありません。

ただしマルシンハンバーグは冷蔵庫(0〜10℃)で保存する商品です。常温に置いていた場合は期限内でも避けてください。

袋がふくらんでいる、開けたときに酸っぱいにおいがする、ぬめりがある。このいずれかがあれば処分してください。

妊娠中でも食べられますか

妊娠中に避けるべきとされる代表はリステリア菌の心配がある非加熱の食肉製品(生ハムなど)ですが、マルシンハンバーグは加熱済みの商品です。

そのうえで、中心部まで十分に加熱してから食べれば問題は小さくなります。

妊娠中は食塩の目標量も変わりません。ソースを控えるなど、塩分を足さない食べ方を意識してください。

冷凍保存はできますか

公式が案内している保存方法は冷蔵庫(0〜10℃)です。冷凍保存は公式には案内されていません。

冷凍すると水分が氷の粒になり、解凍時に肉汁が抜けて食感が変わります。

まとめ買いをするなら、冷凍ではなく賞味期限を見て食べ切れる数にするほうが確実です。

マルシンハンバーグについてのまとめ

今日からできるのは油を引かずに焼くことだと伝えるまとめのバナー

マルシンハンバーグが体に悪いのかを、公式の表示と公的な資料で確かめてきました。

答えは、恐れるほどではないが無視もできない、という中間でした。

この記事のポイント
  • 1袋70gは172kcal・脂質12.4g・食塩1.0g。合いびきハンバーグ100gとほぼ同じ
  • ただし同じ100gに揃えると脂質は約1.45倍・食塩は約1.6倍で、確かに濃い
  • 脂質エネルギー比は65%。ただし合いびきハンバーグも56%で、料理自体の性格
  • 添加物は5つ。保存料・着色料・発色剤・香料は不使用
  • グリシンはエビやカニの甘みの成分で、体内に蓄積されない
  • 加工肉の発がん性は、ハンバーグには当てはめにくい

「マルシンハンバーグだから体に悪い」という判断は、この商品については当てはまりませんでした。

ただし脂質がカロリーの65%を占める食べ物であることは事実です。毎日の主菜にするより、忙しい日の助けとして使うのが合っています。

やめなくていいと分かって安心しました。

油を引かない、ソースをかけない。この2つだけで十分です。

次にマルシンハンバーグを焼くときは、フライパンに油を引かずに試してみてください。公式が推奨している焼き方で、脂質を約4g減らせます。

同じ「1袋あたり」で見方が変わる例がタフグミです。こちらは逆に、グラムあたりでは軽いのに1袋が大きいという結果でした。

「1食分では軽いのに濃さでは負ける」という同じ形が蒲焼さん太郎にもありました。こちらは1枚10kcal・脂質0.02gと極端に小さい商品です。

子どもに出す量の考え方はぐんぐんグルトの記事でも計算しています。3〜5歳なら、1本で糖分の上限の約8割でした。

脂質の割合で見る方法はカレーメシでも使いました。カロリーの約30%が脂質で、レトルトカレー+ごはんの約2倍でした。

着色料を使わないハンバーグがある一方で、ハムやウインナーには赤い着色料が使われている商品もあります。メーカー公式の表示で確かめたコチニール色素の食品一覧では、プリマハムや伊藤ハムの商品名まで載せています。

脂質エネルギー比で比べる方法をアイスに当てはめたのがジャイアントコーンの記事です。ハーゲンダッツは60.1%、ジャイアントコーンは56.7%でした。

冷凍のおかずでも、脂質の多さは料理そのもので決まります。味の素の冷凍餃子の記事では、同じ6個分で比べると、惣菜の餃子のほうが脂質は約1.8倍でした。

肉のおかずでは、カルパスとチキチキボーンも調べています。どちらもカロリーの半分以上が脂質で、ハンバーグと同じく肉のおかずは脂に寄りやすいことが分かりました。

コンビニの鶏肉のおかずでは、からあげクンの記事もあります。5個で226kcal、カロリーの約61%が脂質で、揚げ衣と油の分が大きいことが分かりました。

成分ラボでは身近な食品を、メーカーの公式表示と国の資料をつき合わせて1つずつ調べています。

同じように「体に悪い」と言われがちな商品も調べているので、あわせてどうぞ。

数値についての注記

本記事の栄養成分値はマルシンフーズが公表する数値です。製品規格や原材料の変更により変わることがあるため、購入時はお手元の商品の表示をご確認ください。

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療に代わるものではありません。高血圧や脂質異常症などで食事の制限を受けている方は、医師や管理栄養士の指示を優先してください。

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