忙しい朝や仕事の合間に、1箱で手早く栄養をとれるカロリーメイト。
ところが「脂質が多くて体に悪い」「加工食品だから健康に悪い」という口コミを耳にして、毎日食べてよいのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
- 脂質やカロリーが多すぎないか
- 添加物が体に悪くないか
- 食事の代わりにして大丈夫か
- 菓子パンのほうがましなのか
そこで、大塚製薬の公式表示と文部科学省の食品成分データベースを使い、菓子パンやおにぎりと同じ400kcalで並べて比べます。
結果、カロリーメイトを避けて菓子パンに替えると、糖質は1.7倍、ビタミンB1は6分の1になることが分かりました。
体に悪いと聞いたので、朝はメロンパンにしようかと思っていました。
脂質は減ります。ただ、そのぶん糖質が増えて、ビタミンはほとんどなくなります。
- 5つの味の栄養成分と原材料
- 菓子パン・おにぎりとの400kcal比較
- 脂質がエネルギーの半分という意味
- 食事代わりにするときの足し方
使う数字は、メーカーの公式表示と、国の資料だけです。
まずは、なぜ「体に悪い」と言われるのかから見ていきましょう。
カロリーメイトが体に悪いと言われる理由


カロリーメイトは、大塚製薬が1983年に発売した「バランス栄養食」です。点滴に代わる栄養食の研究から生まれたと、公式サイトで紹介されています。
「体に悪い」と言われる理由をたどると4つに分かれ、数字で確かめると心配の大きさはそれぞれ違いました。ここで先に仕分けておきます。
栄養食なのに、どうして体に悪いと言われるんでしょう。
いちばんは脂質の話です。添加物や「加工食品だから」という声は、中身を見ると印象が変わります。
4本で脂質22.4g
いちばん大きな理由は脂質です。チョコレート味の4本(400kcal)に、脂質が22.4g入っています。
脂質は1gで9kcalなので、エネルギーのちょうど半分が脂質から来ている計算です。数字としては、クッキーに近い食べ物だといえます。
カロリーの半分が脂質なんですね。
数字としてはクッキーに近い食べ物です。
糖質も約40g入っている
4本の糖質は39.7gです。砂糖も、原材料の3番目に書かれています。甘いお菓子のように見えるため、糖分を心配する声も多く見かけます。
ただし400kcalの食事としては、糖質の量はむしろ少なめです。この点は3章で菓子パンやおにぎりと比べます。
400kcalの食事としては、糖質は少なめなんですね。
3章で菓子パンやおにぎりと比べると、よく分かりますよ。
添加物は3〜5つ
添加物は、どの味にもカゼインナトリウム・加工でん粉・香料の3つが入り、味によって色素などが加わります。
保存料・甘味料・合成着色料は入っていません。中身は2章で1つずつ見ていきます。
ネット上では「毎日食べると添加物が体にたまる」という声も見かけますが、それを示す資料は見つかりませんでした。
食事代わりにすると足りない
「これ1箱で1食になる」と思って食べると、足りないものが出てきます。
4本のたんぱく質は8.7gで、大人が1食でとりたい量のおよそ半分です。食物繊維も2gしかありません。くわしくは5章で計算します。
足りないものがあるのは、知りませんでした。
カロリーメイトの栄養成分と原材料


ブロックタイプには、チーズ・フルーツ・チョコレート・メープル・バニラの5つの味があります。
まずは大塚製薬の公式サイトに載っている、4本(80g)あたりの数字を書き出します。どの味もエネルギーは400kcalで、脂質は22g台にそろっていました。


味が違っても、中身はほとんど同じなんですね。
ええ。違いが大きいのは食塩くらいです。原材料と添加物もあわせて見ていきます。
5つの味の栄養成分
| 4本(80g)あたり | たんぱく質 | 脂質 | 糖質 | 食塩相当量 |
|---|---|---|---|---|
| チーズ味 | 8.4g | 22.2g | 40.7g | 0.94g |
| フルーツ味 | 8.2g | 22.2g | 41.4g | 0.79g |
| チョコレート味 | 8.7g | 22.4g | 39.7g | 0.81g |
| メープル味 | 8.1g | 22.6g | 40.3g | 0.76g |
| バニラ味 | 8.2g | 22.2g | 41.0g | 0.44g |
| 4本 | 脂質 | 食塩 |
|---|---|---|
| チーズ | 22.2g | 0.94g |
| フルーツ | 22.2g | 0.79g |
| チョコ | 22.4g | 0.81g |
| メープル | 22.6g | 0.76g |
| バニラ | 22.2g | 0.44g |
食塩がいちばん多いチーズ味でも0.94gで、日本人の食事摂取基準(2025年版)の成人男性の目標量7.5g未満の約13%です。
ビタミンは11種類入り、公式表示では「1日に必要な量の約半分」とされています。たとえばビタミンB1は0.6mgで、表示の基準値1.2mgのちょうど半分でした。
原材料は小麦粉と油脂が中心
| 区分 | チョコレート味の原材料名 |
|---|---|
| 原材料 | 小麦粉(国内製造)、チョコレートスプレッド、砂糖、卵、アーモンドパウダー、脱脂粉乳、大豆タンパク、小麦タンパク、食塩、でん粉 |
| 添加物 | カゼインナトリウム、加工でん粉、香料 |
チーズ味とフルーツ味はマーガリン、メープル味とバニラ味はファットスプレッドが2番目に入ります。チョコレート味の油脂は、チョコレートスプレッドに含まれています。
公式表示には、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の量は載っていません。農林水産省によると、日本ではトランス脂肪酸の表示は義務ではなく、「飽和脂肪酸が多い」と書いたネット記事も、公式の数字にもとづく話ではありません。
添加物の中身
カゼインナトリウムは、牛乳のたんぱく質であるカゼインから作られ、油と水をなじませたり食感を整えたりする目的で使われます。加工でん粉は、食品安全委員会が11種類について「一日摂取許容量を特定する必要はない」と評価しています。
香料は複数の物質をまとめて書ける「一括名表示」が認められている添加物です。このほかチーズ味とフルーツ味にはカロチノイド色素、フルーツ味にはグレープフルーツの苦み成分ナリンジンが入ります。
なお、ブロックの原材料にはビタミンの名前がありません。栄養強化の目的で使う添加物は、表示を省いてよい決まりがあったためです。2025年の食品表示基準の改正で原則表示に変わりましたが、2030年3月31日までに作られたものは、従来どおりの表示でよいとされています。
ゼリータイプは、すでにビタミンの名前を1つずつ書いています。
菓子パン・おにぎりとの比較


カロリーメイトが体に悪いと聞いて、朝ごはんを菓子パンやおにぎりに替えようと考える方もいるでしょう。
そこで、文部科学省の食品成分データベースのメロンパンとおにぎりを、カロリーメイト4本と同じ400kcal分に換算して並べました。量はメロンパン115g、おにぎり235gです。
比べると、脂質は減っても、糖質が増えてビタミンが消えるという結果になりました。


同じカロリーでも、中身はそんなに違うんですか。
ええ。何が減って何が増えるかを、順に見ていきます。
メロンパンは糖質1.7倍
| 400kcalあたり | 脂質 | 糖質 | ビタミンB1 | カルシウム |
|---|---|---|---|---|
| カロリーメイト 4本 | 22.4g | 39.7g | 0.60mg | 200mg |
| メロンパン 115g | 12.0g | 66.7g | 0.10mg | 30mg |
| おにぎり 235g | 0.7g | 91.8g | 0.05mg | 7mg |
| 400kcal | 糖質 | B1 |
|---|---|---|
| カロリーメイト | 39.7g | 0.60mg |
| メロンパン | 66.7g | 0.10mg |
| おにぎり | 91.8g | 0.05mg |
メロンパンにすると脂質は約半分に下がります。その代わり、糖質は66.7gでカロリーメイトの約1.7倍になりました。
脂質が減ったぶんのエネルギーを、糖質が埋めている形です。
ビタミンB1は6分の1
差がもっと大きいのは、ビタミンとミネラルです。ビタミンB1は、カロリーメイトの0.60mgに対して、メロンパンは0.10mgでした。
菓子パンに替えるとビタミンB1は6分の1、カルシウムは約7分の1になります。ビタミンCはメロンパンには入っておらず、カロリーメイトは50mgでした。


おにぎりは脂質ほぼゼロ
おにぎりにすると、脂質は0.7gまで下がります。脂質を減らしたいだけなら、いちばんの近道です。
ただし糖質は91.8gで、カロリーメイトの2倍を超えます。ビタミンB1も12分の1で、ほとんど入っていません。
おにぎりと比べた話は、ウィダーインゼリーの記事でも取り上げています。
脂質がエネルギーの半分の意味


ここまでで、カロリーメイトで気にするべきなのは脂質の多さだと分かりました。
では、エネルギーの半分が脂質というのは、どのくらい偏っているのでしょうか。国の目標と、ほかの食べ物の割合で比べます。
比べる物差しは、日本人の食事摂取基準(2025年版)の「脂質はエネルギーの20〜30%」という目標です。


半分と言われても、多いのかどうかピンときません。
目標の上限が30%なので、1食だけ見ると多いです。1日の中でどう扱うかがポイントです。
クッキーとほぼ同じ割合
脂質の割合は、カロリーメイトが50%、クッキー(ソフトビスケット)が48%で、ほぼ同じでした。
一方、食パンは15%、メロンパンは27%です。栄養の中身はクッキーと違っても、脂質の割合はお菓子並みと覚えておくと分かりやすいでしょう。


公式の理想バランスとの差
大塚製薬も、公式サイトで理想のバランスを「たんぱく質13〜20%・脂質20〜30%・炭水化物50〜65%」と紹介しています。
カロリーメイト4本は、たんぱく質が約9%、脂質が約50%です。1箱だけでは、メーカー自身が示す理想のバランスから外れることになります。
メーカー自身が示すバランスからも、外れているんですね。
1箱だけで食事にするなら、ほかの食品で補う前提で考えましょう。
1日の中でならせばよい
脂質の目標は1食ずつではなく、1日全体で考えるものです。2,000kcalの人なら、1日の脂質の目安は約44〜67gになります。
カロリーメイト1箱の22.4gは、その3分の1から半分です。ほかの2食で揚げ物を控えれば、1日全体では目標の中に収まります。
問題は1箱そのものより、揚げ物やお菓子と重なる日です。
カロリーメイトは食事代わりになる?


忙しい朝や昼に、カロリーメイトを1食の代わりにしている方も多いでしょう。
大塚製薬も公式サイトで、食事から栄養をとるのが理想としたうえで、忙しいときや食事だけでとりきれないときに役立つと説明しています。
そこで、1食として足りないものと、1日に食べてよい量を計算します。


1箱で1食にしていいのか、ずっと迷っていました。
1食にするなら、牛乳を1杯足すだけでかなり変わります。
たんぱく質は1食分の半分
大人のたんぱく質の推奨量は、1日に男性65g・女性50gです(日本人の食事摂取基準)。3食で割ると、1食あたり約17〜22gになります。
カロリーメイト4本は8.7gなので、1食分としては半分ほど足りません。食物繊維も2gで、食パン6枚切り1枚分より少ない量です。
1食分としては、たんぱく質が半分ほど足りないんですね。
牛乳やゆで卵を足すと、ちょうどよくなります。
牛乳を足すとたんぱく質1.8倍
牛乳200mlを足すと、たんぱく質は15.3g、カルシウムは420mgになります。
たんぱく質は1.8倍、カルシウムは2.1倍です。エネルギーは522kcalで、1食としてちょうどよい量に収まります。
- 牛乳かヨーグルトを1杯
- ゆで卵を1個
- バナナやみかんを1つ
- 野菜のスープを1杯
どれか1つを足すだけで、足りないたんぱく質や食物繊維を補えます。
置き換えは1日1箱まで
ビタミンは1箱で1日分の約半分です。2箱食べても、ビタミンAやDは食事摂取基準の耐容上限量を大きく下回り、とりすぎの心配はほとんどありません。
気をつけたいのは脂質で、2箱だと44.8gになります。2,000kcalの人の1日の目安の下限を、2食分だけで使い切る量です。食事の置き換えは1日1箱までにして、残りは普通の食事にするのがよいでしょう。
非常食として置いておき、忙しい日にだけ使うくらいがちょうどいいですね。
カロリーメイトのよくある質問


ここまでの数字をふまえて、カロリーメイトについて多い疑問にまとめて答えます。
いずれもメーカーの公式表示と公的機関の資料にもとづいた回答です。
気になる質問だけ拾い読みしてください。
カロリーメイトを食べ過ぎるとどうなりますか
1箱(4本)で400kcalあり、脂質は22.4gです。2箱食べると脂質は約45gで、2,000kcalの人の1日の目安(約44〜67g)の下限に届きます。
おやつ代わりに足すと、食事1回分に近いカロリーが上乗せになります。1日1箱までを目安にしてください。
カロリーメイトを毎日食べても大丈夫ですか
1日1箱までなら、栄養の面で大きな問題はありません。
ただし脂質が22.4g入るので、ほかの食事で揚げ物やお菓子が重なる日は控えめにしてください。
ダイエット中に食べてもいいですか
1本100kcalで量を決めやすいのは利点です。
ただし脂質の割合はクッキーとほぼ同じで、たんぱく質は少なめです。置き換えるなら牛乳やゆで卵を足すと、空腹にもなりにくくなります。
菓子パンとどちらが体にいいですか
同じ400kcalなら、脂質は菓子パンのほうが少なく、糖質・ビタミン・カルシウムはカロリーメイトのほうが有利です。
メロンパンに替えると糖質は約1.7倍、ビタミンB1は6分の1になります。
ゼリータイプのほうが脂質は少ないですか
少ないです。ゼリータイプ(アップル味)は1袋200kcalで脂質4.4gでした。
その代わり糖質は31.2gで、エネルギーの多くが糖質から来ています。
子どもに食べさせてもいいですか
小麦・卵・乳成分・大豆・アーモンドのアレルギーがなければ食べられます。
子どもは必要なエネルギーが少ないので、おやつなら1〜2本にしてください。
カロリーメイトの添加物は危険ですか
入っている添加物は、カゼインナトリウム・加工でん粉・香料などで、いずれも国が使用を認めたものです。
保存料や甘味料は使われていません。
カロリーメイトについてのまとめ


カロリーメイトが体に悪いのかを、公式表示と国の資料で確かめてきました。
答えは「添加物より脂質。1日1箱までなら、菓子パンより栄養は多い」です。
- 4本400kcalで脂質22.4g
- エネルギーの50%が脂質
- 脂質の割合はクッキーとほぼ同じ
- 菓子パンに替えると糖質1.7倍
- ビタミンB1は菓子パンの6倍
- 1食にするなら牛乳を1杯足す
体に悪いと避けて菓子パンに替えても、脂質が減るかわりに糖質が増え、ビタミンはほとんどなくなるというのが、今回いちばんの発見でした。
避けるより、足りないものを足して食べればいいんですね。
そうです。1日1箱まで、牛乳を1杯添えて。それがカロリーメイトとのちょうどいい付き合い方です。
次にカロリーメイトを手に取るときは、箱の「脂質」の数字を見て、その日のほかの食事で油を控えてみてください。1日全体でバランスがとれます。
同じ大塚製薬の大豆バーでは、ソイジョイの記事もあります。カロリーの約6割が脂質ですが、同じカロリーのバナナと比べると糖質は約4分の1でした。










朝ごはんの定番では、コーンフロスティの記事もあります。砂糖を避けてプレーンのコーンフレークに替えても、糖質は30gで0.9gしか減りませんでした。
同じ栄養調整食品では、クリーム玄米ブランも調べています。添加物19種のうち13種はビタミンとミネラルで、カルシウムは同じカロリーの玄米ごはんの約28倍でした。
カロリーメイトに入っているカゼインナトリウム(カゼインNa)は、カゼインNaの記事で安全性を確かめています。牛乳のたんぱく質を水に溶けやすくしたもので、国際機関は「食品とみなしてよい」と評価していました。
手軽な朝食では、シスコーンの記事もあります。1食40gで151kcal・糖質34.3gと、ご飯100gとほぼ同じでした。
成分ラボでは身近な食品を、メーカーの公式表示と国の資料をつき合わせて1つずつ調べています。
忙しいときの栄養補給や、菓子パンの記事もあわせてどうぞ。






本記事の栄養成分値と原材料は大塚製薬「カロリーメイト公式サイト」(2026年9月30日確認)、比較した食品は文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」の値を400kcal分または200g分に換算したものです。糖質は炭水化物から食物繊維を引いた値です。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療に代わるものではありません。持病のある方や、食事制限を受けている方は、医師の指示を優先してください。






