カリッとした食感と甘ずっぱい味で、ついつまみたくなる「カリカリ梅」。個包装でかばんに入れておけるので、おやつ代わりに食べている方も多いのではないでしょうか。
一方で、「カリカリ梅は塩分が多くて食べすぎると体に悪い」「着色料が入っていて心配」という話を耳にして、梅干しに替えようか迷っている方もいるかもしれません。
- 塩分がどれくらいか知りたい
- 何個まで食べていいか分からない
- 赤い着色料が心配
- 梅干しのほうが体にいいか迷う
そこで、定番の村岡食品「梅しば」のパッケージ表示と、文部科学省の食品成分表、厚生労働省の資料をもとに、カリカリ梅と梅干しの塩分を同じ100gで比べてみました。
結果、添加物を避けて塩漬の梅干しにすると、塩分は約2.8倍になることが分かりました。
添加物のない梅干しのほうが、体にいいと思っていました……。
梅干しは、もともと塩分の多い食べ物なんです。数字で順番に確かめていきましょう。
- 梅しばの原材料と栄養成分
- 1袋を食べたときの塩分
- 梅干しとの比較
- 赤102などの添加物の評価
使う数字は、メーカーのパッケージ表示と国・国際機関の資料に限りました。まずは、なぜ体に悪いと言われるのかから見ていきます。
カリカリ梅が体に悪いと言われる理由


カリカリ梅は、青い梅を漬けて、カリッとした食感を残した梅のおやつです。コンビニやスーパーで、個包装の袋入りがよく売られています。
「体に悪い」と言われる理由をたどると、3つに分かれました。塩分、食べすぎやすさ、そして赤い着色料です。
ひとつずつ包まれていると、つい手が伸びます。
そこが、食べすぎの話につながるんですよ。
塩分が多い
梅を漬けた食べ物なので、塩分が多いのではと心配する声があります。
実際に、梅しばの食塩相当量は100gあたり6.6gです。どれくらいの量かを、2章と3章で確かめます。
100gで6.6gは、多い気がします。
ほかの梅と比べると、見え方が変わりますよ。
ついたくさん食べてしまう
1粒ずつ食べられるので、気づいたら1袋食べていたという人もいるでしょう。
1袋全部を食べたときの塩分を、1日の目標量と比べて3章で確かめます。
1袋が、すぐなくなってしまいます。
1袋で何gになるか、計算してみましょう。
赤い着色料が心配
梅しばの赤い色は、着色料(赤102)です。タール色素と呼ばれる着色料なので、気にする人も多いでしょう。
赤102は、ヨーロッパで許容量が引き下げられた着色料でもあります。5章でくわしく見ます。
色がきれいなのは、着色料なんですね。
そうなんです。評価の中身も確かめておきましょう。
カリカリ梅の原材料と栄養成分


ここからは、村岡食品「梅しば」95gのパッケージ表示を見ていきます。メーカーの公式サイトに表示が見当たらなかったため、通販サイトに掲載されたパッケージの表示を使いました。
結果、100gあたり熱量36kcal、食塩相当量6.6gでした。カロリーは低く、気をつけたいのは塩分です。


36kcalなら、カロリーは気にしなくてよさそうですね。
そうなんです。だからこそ、塩分に目を向けるのが大切なんですよ。
梅しばの原材料
| 項目 | 梅しば(95g) |
|---|---|
| 原材料 | 梅、漬け原材料[梅酢、醸造酢、ぶどう糖果糖液糖、食塩、発酵調味液] |
| 添加物 | ソルビット、酒精、調味料(アミノ酸等)、酸味料、香料、着色料(赤102) |
| 原料原産地 | 中国(梅) |
| 熱量(100gあたり) | 36kcal |
| 炭水化物(100gあたり) | 8.9g |
| 食塩相当量(100gあたり) | 6.6g |
甘ずっぱい味は、醸造酢とぶどう糖果糖液糖で作られています。原料の梅は中国産と書かれていました。
カロリーは低い
100gあたり36kcalで、炭水化物は8.9gです。甘いお菓子に比べると、カロリーはずっと低いと言えます。
そのため、カリカリ梅で気をつけたいのはカロリーではなく塩分です。ここを押さえると、食べ方を決めやすくなります。
甘いのに、カロリーは低いんですね。
酸っぱさのおかげで、糖の量が少なくても味がしっかりしているんですよ。
参考記事との違い
参考にした記事では、梅しばを「1粒で食塩相当量1.0g」と書いていましたが、パッケージの表示は「100gあたり6.6g」でした。
1粒で1.0gだとすると、1粒の重さが15g以上になってしまいます。表示の「100gあたり」と「1粒あたり」を取り違えた可能性があるので、表示の基準の量まで確かめることが大切です。
基準の量が違うと、数字が大きく変わりますね。
そうなんです。「何gあたり」かを見る習慣が大事なんですよ。
カリカリ梅1袋の塩分を目標量と比べる


次は、1袋全部を食べたときの塩分です。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、食塩の目標量は男性7.5g未満、女性6.5g未満です。
結果、梅しば1袋(種ごと95g)で、塩分は最大約6.3gでした。女性の1日の目標量に近い量です。


1袋で、1日分近くなるんですね。
種の重さもふくむので、実際はもう少し少ないです。それでも多いですね。
1袋で最大約6.3g
| 食べる量 | 食塩相当量(最大) | 女性の目標量(6.5g未満)に対して |
|---|---|---|
| 1袋(種ごと95g) | 約6.3g | 約97% |
| 半袋 | 約3.1g | 約48% |
| 4分の1袋 | 約1.6g | 約24% |
95gには種の重さもふくまれるので、実際に食べる部分の塩分はこれより少なくなります。それでも、1袋を一度に食べると、1日の塩分の大部分になることは変わりません。
日本人はすでにとりすぎ
厚生労働省の国民健康・栄養調査(令和6年)では、20歳以上の食塩摂取量は平均9.6gでした。すでに目標量を超えています。
ふだんの食事にカリカリ梅1袋が加わると、目標量を大きく超えやすいと言えます。減塩を心がけている方は、食べ過ぎないよう量を決めておきましょう。ほかの調味料の塩分は、納豆のたれの記事でも比べました。
平均で、もう超えているんですね。
だから、おやつの塩分も見ておきたいんですよ。
食べるなら数粒ずつ
メーカーの表示には1粒あたりの重さや塩分は書かれていません。そのため、1日何粒までという決まった目安はありません。
袋から直接食べず、数粒を小皿に出して、残りはしまうと食べすぎを防ぎやすくなります。汗をたくさんかいた日など、塩分が必要なときに少しずつ食べるのも1つの方法です。
小皿に出すのは、すぐできそうです。
量が目に見えると、食べすぎに気づきやすいんですよ。
カリカリ梅を避けて梅干しにすると


「添加物が心配だから、カリカリ梅より昔ながらの梅干しにしよう」と考える人もいるでしょう。そこで、文部科学省の食品成分表の梅干しと、同じ100gで塩分を比べました。
結果、塩漬の梅干しは100gあたり18.2gで、カリカリ梅の約2.8倍でした。


梅干しのほうが、ずっと塩分が多いんですね。
塩でしっかり漬けた梅干しは、塩分がとても多いんです。表で確かめましょう。
同じ100gで塩分約2.8倍
| 100gあたり | カリカリ梅(梅しば) | 梅干し(調味漬) | 梅干し(塩漬) |
|---|---|---|---|
| 食塩相当量 | 6.6g | 7.6g | 18.2g |
| 熱量 | 36kcal | 90kcal | 29kcal |
| 炭水化物 | 8.9g | 18.8g | 1.1g |
添加物を避けて塩漬の梅干しにすると、塩分は約2.8倍です。「添加物なし」を選んだつもりが、塩分を増やしていることになります。ご飯のおともの梅干しとの比較は、ごはんですよの記事でもしています。
調味漬の梅干しは近い
はちみつ梅などに多い調味漬の梅干しは100gあたり7.6gで、カリカリ梅とあまり変わりません。
ただし、調味漬は炭水化物が18.8gと、カリカリ梅の約2倍です。塩分を少し抑えるかわりに、甘みで味をととのえているのが分かります。
甘い梅干しは、糖が多いんですね。
そうなんです。何を減らしたいかで、選ぶものが変わりますよ。
種類で塩分は2倍以上違う
同じ「梅干し」でも、塩漬と調味漬で塩分は2倍以上違います。商品によっても差があります。
梅を選ぶときは、「添加物があるか」より、栄養成分表示の食塩相当量を見るのが確実です。表示の基準が「100gあたり」か「1個あたり」かも、あわせて確かめましょう。
表示を見れば、比べられるんですね。
そのとおりです。数字で比べるのがいちばん確かですよ。
カリカリ梅の添加物は危険?


最後に、「添加物が心配」という不安を確かめます。梅しばにはソルビット、酒精、調味料(アミノ酸等)、酸味料、香料、着色料(赤102)の6つが使われていました。
結果、いちばん注目したい赤102は、国際機関の許容量があり、ヨーロッパでは許容量が引き下げられた着色料でした。


赤102は、気をつけたほうがいいんですか。
評価の中身を、順番に見ていきましょう。
赤102の評価
赤102は、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)で、1日の許容量が体重1kgあたり4mgとされています。
一方、ヨーロッパ食品安全機関(EFSA)は2009年に、マウスの長期試験の結果をもとに、許容量を体重1kgあたり0.7mgに引き下げました。これを受けて、EUでは2012年に使用できる量が見直されています。
ヨーロッパでは、きびしくなったんですね。
そうなんです。ただ、商品に入っている量は表示されていないんですよ。
赤くない商品を選ぶ方法
赤102が気になる場合は、原材料欄の着色料を見て、赤102が入っていない商品を選ぶのが確実です。
赤い色でも、使われている着色料は商品によって違います。色の見た目より、原材料欄の着色料の名前を確かめましょう。赤い着色料の種類は、コチニール色素のお菓子の記事でもくわしく調べています。
原材料欄を見れば、選べるんですね。
そうなんです。気になるものは、名前で選べますよ。
ソルビットと酒精
ソルビットはソルビトールの別名で、糖アルコールのなかまです。酒精は、食品に使うアルコールのことです。
調味料(アミノ酸等)と酸味料は、どちらも複数の添加物をまとめた書き方で、中身の名前までは表示から分かりません。使われている量も、表示には書かれていません。
まとめた書き方だと、中身までは分からないんですね。
そうなんです。だから、まず塩分の数字を見るのが大切なんですよ。
カリカリ梅のよくある質問


ここまでの内容をふまえて、カリカリ梅について多い疑問にまとめて答えます。
気になる質問だけ拾い読みしてください。
カリカリ梅は食べすぎると体に悪いですか
塩分のとりすぎにつながります。村岡食品「梅しば」は100gあたり食塩相当量6.6gで、1袋(種ごと95g)を全部食べると最大約6.3gです。
女性の1日の目標量(6.5g未満)に近い量なので、一度に1袋食べるのは控えましょう。
カリカリ梅は1日何個までですか
パッケージに1粒あたりの重さや塩分が書かれていないため、決まった目安はありません。
数粒を小皿に出して、残りはしまうと食べすぎを防ぎやすくなります。
カリカリ梅と梅干しはどちらが塩分が多いですか
同じ100gで比べると、塩漬の梅干しは18.2gで、カリカリ梅(6.6g)の約2.8倍です。
調味漬の梅干しは7.6gでカリカリ梅に近いですが、炭水化物は約2倍の18.8gです。
カリカリ梅の赤い色は体に悪いですか
梅しばの赤い色は、着色料の赤102で付けられています。JECFAの1日の許容量は体重1kgあたり4mgですが、EFSAは2009年に0.7mgに引き下げました。
気になる場合は、原材料欄を見て赤102を使っていない商品を選びましょう。
カリカリ梅はカロリーが高いですか
いいえ。梅しばは100gあたり36kcal、炭水化物8.9gで、甘いお菓子に比べるとカロリーは低めです。
気をつけたいのはカロリーより塩分です。
カリカリ梅は熱中症対策になりますか
塩分をふくむので、汗をたくさんかいたときの塩分の補給には役立ちます。
ただし、水分の補給がいちばん大切です。カリカリ梅だけに頼らず、水やお茶と一緒に、数粒にとどめましょう。
カリカリ梅の食べすぎのまとめ


カリカリ梅は食べすぎると体に悪いのかを、梅しばのパッケージ表示と国・国際機関の資料で確かめてきました。
答えは「1袋を一度に食べると塩分のとりすぎ。ただし、塩漬の梅干しに替えても塩分は減らない」です。
- 100gあたり食塩相当量6.6g
- カロリーは100gで36kcalと低め
- 1袋で最大約6.3g
- 塩漬の梅干しは約2.8倍の18.2g
- 赤102はEFSAで許容量が引き下げ
- 数粒ずつ小皿に出して食べる
添加物を避けて塩漬の梅干しにすると、塩分は約2.8倍というのが、今回いちばんの発見でした。
梅干しに替えれば安心、ではなかったんですね。
そのとおりです。添加物の有無より、塩分の数字を見る。これがいちばん大事なポイントですよ。
次にカリカリ梅を食べるときは、数粒を小皿に出してから食べてみてください。
汁物の塩分では、インスタント味噌汁の記事もどうぞ。1杯で1日の目標量の2〜3割になり、減らすなら杯数がいちばん効くことを確かめました。












原材料の「ソルビット」が気になる方は、ソルビトールの記事もあります。国の資料では、お腹がゆるくなりにくい量は体重1kgあたり0.22gでした。
調味料の塩分では、にんにくチューブの記事もどうぞ。生のにんにくと比べると、カロリーはほぼ同じで、ちがうのは食塩だけでした。
梅のお菓子では、梅ねりの記事もあります。1袋20gで食塩3.2gあり、梅干しの代わりにしても100gあたりの塩分は9割近く残りました。
梅干しの酸っぱさのもとになっているクエン酸については、酸味料は体に悪い?の記事もどうぞ。食品成分表では、梅干しは100gあたりクエン酸3.4gで、酸味料の中身と同じ酸です。
同じ漬物の塩分では、生姜を食べてはいけない人は?の記事もどうぞ。紅しょうがは10gで食塩0.56gで、成人女性の1日の目標量の約9%にあたります。
成分ラボでは身近な食品を、メーカーの表示と国や国際機関の資料をつき合わせて1つずつ調べています。ほかの食品の記事も、あわせてどうぞ。






本記事の原材料と栄養成分は、村岡食品「梅しば」95gのパッケージ表示です。メーカーの公式サイトで表示を確認できなかったため、通販サイトに掲載されたパッケージ表示を使いました(2026年10月13日確認)。梅干しの値は文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)」の梅干し 塩漬・調味漬、食塩の目標量は厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」、食塩摂取量の平均は厚生労働省「令和6年国民健康・栄養調査」の値です。赤102の評価はJECFAの評価データベースとEU規則(EU)No 232/2012の前文に記されたEFSAの2009年の意見を使いました。1袋の塩分は、種の重さをふくむ95gに100gあたりの値をかけた最大値です。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療に代わるものではありません。高血圧などで塩分を制限している方や治療中の方は、医師の指示を優先してください。







